三宮ダブル会のご紹介






その夜、オレはいつもの仲間たちと共に神戸一の繁華街・三宮を歩いていた。

怪しく光るネオンに行き交うお水系の美女たち。まさに「漢」を試すに相応しい街だ。

 
しかし当時、オレたちには金がなかった。ただひたすらに夜の三宮を徘徊し、


「どーする、どーするよ」


と繰り返しているだけであった。

 





あの頃、オレたちは夢を見ていた。三宮に行けば何かあるんじゃないかと・・・

 

それはまるで夢見てメジャーに挑戦し自爆したカージナルス田口(元オリックス)のようだった。

 

情けない・・・・オレたちは自らの「漢」としての力量をまざまざと見せ付けられた。

 

結局、オレたちが行き着いた店は「しゃぶしゃぶ食べ放題1980円!!」なる店。
「漢心」をくすぐる店が無数にある中でのこのチョイスはオレたちの無力さを決定付けた。

 

事実、三宮の街ではまるで子羊のように弱々しかったオレたちだったが、「しゃぶしゃぶ食べ放題」の店では
まるで水を得た魚のように勢いを取り戻し、
お肉のおかわりを調理場まで催促しに行く
といった大胆な行動を繰り返すという伝統の技も披露(疲労!?)した。

 


三宮の華やかな夜がいつも以上に輝きを増した一瞬である。

 

しゃぶしゃぶを満喫したオレたちが次に向かったのはゲームセンター。ここまでくると漢気を発揮するどころか、
もはや中学生レベルである。当時流行していた「パラパラ」を踊るゲームを完璧にこなす奴を見て大興奮するなどしておおはしゃぎのオレたち。中でも北斗の拳のゲーム
(普通のアーケード版のゲームではなく、実際にパンチを放って敵をやっつけていくゲーム)で続けざまに北斗百烈拳を放っていたS氏は最高に輝いていた。

 



北斗神拳で心地よい汗を流したオレたちは意気揚々とゲームセセンターを後にした。とその時、
先ほどまで北斗百烈拳を放っていたS氏の様子がおかしい。そして次の瞬間、

 






























「げー」

 

 

 

 












S氏はもう、死んでいた・・・

 




「もしかしてそれも北斗神拳?」と疑うほどの見事にゲロを放出。考えてみればゲームセンターに行く前に
しゃぶしゃぶをたらふく食べたばかりではないか。どうやら食後の急激な運動がたたり体調を崩したようである。

さすがは一子相伝の北斗神拳、恐るべしである。

 

 

 

神戸一の繁華街での突然の暴挙に慌てふためく私たち。中でもS氏のために何か飲み物を買いに走ったM氏は、
何故か
熱いお茶を買ってきてしまい、S氏が熱くて飲めないという失態をさらすほどに動揺していた。

ともかく突然のハプニングに若干テンションを下げながら、オレたちはその夜三宮を後にした。

 







すべてはその夜から始まった・・・

 




後日、オレたちは再び三宮を訪れた。その日、オレたちが行き着いた所はラーメン屋。
またしても「漢」を試す場所には程遠い場所だ。

 



注)なお、別の日、私は参加していないが、同じ三宮のミニスカポリスの出没する居酒屋で

 

ミニスカポリス「お客様、当店は始めてですか〜」

 

友人「い、いえ、二回目なんですが・・・」

 










ミニスカポリス「じゃあ、前科一犯で逮捕します」

 






などといったやり取りをしていた者もいるようだ。
まったくもってけしからん輩どもである。オレたちはラーメンをすすりながら嘆いた。






街にはあれほど夜の店と女が溢れているのにオレたちのこの有様はなんだ!!「漢」ならばいつかはビックな人間になりたい!!傍らに美女とシャムネコ(シャム限定)をはべらせ、小粋なダブルのスーツ(ストライプ限定)でキメて、夜の三宮の似合う男になりたい!!



そんな熱い想いが高まり、オレたちは
「いつかはダブルで三宮」を合言葉に、「漢」を磨くグループを結成した。その名も














「三宮ダブル会」。







すでに10名近い会員が在籍し、日夜ダブルのスーツの似合う男を目指して男を磨いている・・・・