『風景』
俺が捕われたままの海辺の風景…
黒いうねりは慟哭の様にふたりを包み
撒き散らす白い風と
わずかな時間が俺達を追い立てている…
闇に溶け込み 取り残された車の中ふたりは
とりとめのない会話にさえ悲愁を纏い
互いの温もりを貪る様な 抱擁に溺れて行くんだ…
仮想現実だったものがそこにある歓喜…
そしてそれがふたりの混乱の始まり…
君が呼んだ僕じゃない名前
彼の胸で呟いた俺の名前…
不確かに…けれどもささやかに
そこに存在する
ふたりきりの風景…