商船を軍艦に変更することに関する条約
署 名 1907年10月18日(ヘーグ)
効力発生 1910年1月26日
日本国 1912年2月11日
(1911年11月6日批准、12月13日批准書寄託、1912年1月13日公布・条約7号)
独逸皇帝普魯西国皇帝陛下(以下締約国元首名略)は、戦時に於て商船を戦闘艦隊に編入する為、之を行い得べき条件を定むるの希望すべきことを考慮し、締約国は、商船を軍艦に変更することは之を公海に於て行い得るや否の問題に関し、一致すること能はざりしに因り、変更の場所は問題外と為し、左記の規則中に包含せられざるものなることを考慮し、之が為条約を締結せむことを希望し、各左の全権委員を任命せり。
(全権委員名略)
因て各全権委員は、其の良好妥当なりと認められたる委任状を寄託したる後、左の条項を協定せり。
| 第一条【軍艦の権利の享有】 |
| 軍艦に変更せられたる商船は、其の掲げる国旗の所属国の直接の管轄直接の監督及責任の下に置かるるに非ざれば、軍艦に属する権利及義務を有することを得ず。 |
| 第二条【特殊徽章】 |
| 軍艦に変更せられたる商船には、其の国の軍艦の外部の特殊徽章を附することを要す。 |
| 第三条【指揮官】 |
| 指揮官は、国家の勤務に服し、且当該官憲に依て正式に任命せられ、其の氏名は、艦隊の将校名簿中に記載せらるべきものとす。 |
| 第四条【乗員】 |
| 乗員は、軍紀に服すべきものとす。 |
| 第五条【戦争の法規慣例の遵守】 |
| 軍艦に変更せられたる一切の商船は、其の行動に付、戦争の法規慣例を遵守すべきものとす。 |
| 第六条【軍艦表中への記入】 |
| 交戦者にして商船を軍艦に変更したるものは、成るべく速に右変更を其の軍艦表中に記入することを要す |
| 第七条【総加入条項】 |
| 本条約の規定は、交戦国が悉く本条約の当事者なるときに限、締約国間にのみ之を適用す。 |
| 第八条【批准】 |
| 本条約は、成るべく速に批准すべし。 批准書は、海牙に寄託す。 第一回の批准書寄託は、之に加りたる諸国の代表者及和蘭国外務大臣の署名したる調書を以て之を証す。 爾後の批准書寄託は、和蘭国政府に宛て、且批准書を添附したる通告書を以て之を為す。 第一回の批准書寄託に関する調書、前項に掲げたる通告書及批准書の認証謄本は、和蘭国政府より、外交上の手続を以て、直に之を第二回平和会議に招請せられたる諸国及本条約に加盟する他の諸国に交付すべし。前項に掲げたる場合に於ては、和蘭国政府は、同時に通告書を接受したる日を通知するものとす。 |
| 第九条【非加盟国】 |
| 記名国に非ざる諸国は、本条約に加盟することを得。 加盟せむと欲する国は、書面を持って其の意思を和蘭国政府に通告し、且加盟書を送付し、之を和蘭国政府の文庫に寄託すべし。和蘭国政府は、直に通告書及加盟書の認証謄本を爾余の諸国に送付し、且右通告書を接受したる日を通知すべし。 |
| 第一〇条【効力の発生】 |
| 本条約は、第一回の批准書寄託に加りたる諸国に対しては、其の寄託の調書の日附より六十日の後、又其の後に批准し又は加盟する諸国に対しては、和蘭国政府が右批准又は加盟の通告を接受したるときより六十日の後に其の効力を生ずるものとす。 |
| 第一一条【廃棄】 |
| 締約国中本条約を廃棄せむと欲するものあるときは、書面を以て其の旨和蘭国政府に通告すべし。和蘭国政府は、直に通告書の認証謄本を爾余の諸国に送付し、且右通告書を接受したる日を通知すべし。 廃棄は其の通告が和蘭国政府に到達したるときより一年の後、右通告を為したる国に対してのみ、其の効力を生ずるものとす。 |
| 第一二条【寄託の帳簿】 |
| 和蘭国外務省は、帳簿を備え置き、第八条第三項及第四項により為したる批准書寄託の日並加盟(第九条第二項)又は廃棄(第一一条第一項)の通告を接受したる日を記入するものとす。 各締約国は、右帳簿を閲覧し、且其の認証抄本を請求することを得。 |
右証拠として、各全権委員本条約に署名す。
(全権委員署名他略)
留保
土耳其国 千九百七年十月九日の第八回総会議に於て為したる宣言を留保す。
当事国 38
イギリス・フランス・デンマーク・ルクセンブルグ・ノルウェー・オランダ・ベルギー・スウェーデン・アイルランド・オーストリア・スペイン・フィンランド・ポルトガル・ドイツ・スイス・ポーランド・ハンガリー・ルーマニア・ロシア・カナダ・エルサルバドル・ニカラグア・ハイチ・グアテマラ・パナマ・メキシコ・ブラジル・オーストラリア・フィジー・中華人民共和国??・インド・タイ・スリランカ・ラオス・日本・台湾・エチオピア・リベリア・南アフリカ
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