忘れられない言葉
『あなたの事は好きじゃなかったのかも。。』

「じゃあ。。何故一緒に居るんだよ??。。」

『あなたは。。優しかったから。。。』





忘れられない言葉がある。。。どんなに時が経っても消せない。。あの日の言葉。。。


勝と美恵は一緒に住み始めて3年になる。恋人関係となるともう6年が過ぎていた。。。
勝は業界では中くらいの規模を持つ自動車関連会社に勤める整備士だ。
給料は労働の割には少なく、生活費は貿易会社で働く美恵のほうが多く負担していた。
美恵は勝よりも3つ年上のいわゆるキャリアウーマンだ。
美恵は会社内での評価も高く、社内初の女性管理職についていた。
そんな美恵でも、勝と出会う以前の恋愛はまったくといっていい程、ダメな女を演じてしまっていた。
美恵は恋愛に自信がなくなっていた。そんな時に傷を優しく癒してくれる勝に出会った。
勝の社会的地位や給料には不満を持っていたが、その優しさと過去の恋愛の失敗が勝との関係を成立させた。
美恵は今度こそ恋愛生活というものを成立させたかったのだ。

勝と美恵の同棲のきっかけも美恵の恋愛に対する自身のなさから始まった。
勝自身は理解していなかったが、勝は女性からそれなりに人気があった。
会社内でもその優しさと心遣いに女性社員からの相談相手として勝は重宝がられた。
なにより、その目鼻立ちがはっきりとしたマスクは女性が好意を抱く可能性を十分に持っていた。
美恵はそんな勝を手放したくはなかった。。。
そんな気持ちが勝との同棲に踏切らせた。。

勝には、美恵のヒステリックがヤキモチによるものだということが理解できていなかった。
勝は優しさ故にどんな人間とでも仲良くした。
そこに恋愛に自信のない美恵のヒステリックが生じていた。


続く。。