同じ毎日が続く。
朝6時20分に起きて、紅茶を入れながらタバコを吸う。
そして彼を40分に起こす。
念のために、毎日私は母にモーニングコールを頼んでいた。
彼に5分後もう一度声をかけてやっと彼は起きる。
彼は一口紅茶を飲み、タバコを吸ってからシャワーを浴びる。
私は、その間に化粧をし、服を選ぶ。
会社は私服だったから、毎日てきとうにスーツを着て行く。

7時35分に家を出る。
ドアは彼が開け、鍵は私がかける。
私たちの部屋はフロア―の一番奥にあったため、廊下に小さな門がついていた。
彼は門を開き、私を待つ。
私が門を閉める。
彼がエレベータ―のボタンを押す。
エレベーターの中でキスをする。
同じ電車に乗って、それぞれの駅で降りる。
電車の中では彼は新聞を読み、私は英会話のテキストを見る。

彼はますます仕事が忙しくなり、とても疲れていた。
帰りも遅くなった。
私は一人で、FOXのTVドラマを見るようになった。
彼は早くても1時過ぎまでは帰ってこない。
それでも、二人で食事をする。
彼は疲れはてているようだった。
会話の無い日が続く。

私は掃除にも洗濯にも、料理にも慣れきった。
もともと一人暮らしをしていたので、全てが二人分になっただけの事で、それをきちんとこなさなくてはならなくなっただけだ。
私は家事が大嫌いだ。
でも、彼のためには、人並み以上に何でもこなした。
そして、彼のためなら人並み以上にこなす事はたやすかった。
母に無理やり料理教室に通わせられたのは4年前だった。
それから4年間私は料理教室に通っていた。
だから料理も人並み以上だったと思う。
彼の生活のリズムと状況を考えて、メニューは決めて、彼の体を気遣った。

週末は普段の睡眠不足を解消するかのように眠っていた。
そして、スカパーを見る。
いつも、何かしらおもしろい番組があった。
なければビデオを借りるだけのことだった。

私は退屈していた。
彼はもう、私を見ていなかった。
私に関心がなくなっていた。
私の力ではどうしようもない状況に陥ったのだ。
これが、私たちの運命というものだったのだろう。