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私は、今までこんなに人を愛したことはなかった。
今まで付き合ってた人々に深入りしたことはあっても、これほどまでに愛情をそそげる対象ではなかった。
私の「愛」のテーマは「無償の愛」だった。
彼のためなら何でもできた。
だから彼と恋におちた時には運命を感じた。
私は他人にも厳しいが自分にも厳しい人間でありたいと思っていた。
私は絶対不倫しないと誓っていた。
そして、バツいちの男性とも付き合わないと誓っていた。
結婚を甘く見ている人々を軽蔑していた。
結婚をとても神聖なものだと思っていた。
また、ふたまたもかけるような人も軽蔑していた。
だから彼と恋におちた時には運命を感じた。
私は美人ではない。
かわいくもない。
けれど、私はハデに見られる。
コンサバではない。
容姿に対して自分のスタイルがあった。
髪は長く茶色い、そして毎日巻く。
アイラインとマスカラとビューラー、長い爪にマニュキュア、そして香水は必須アイテムだ。
香水はシャネルのアリュ―ルがお気に入りだった。
でも基本的には、毎日違う香水を楽しんだ。
ただ、彼がブルガリを好んだので、たいていブルガリをつけるようになった。
チークには興味はなかった。
私の肌はぬけるように白い。
服はいつでも合コンにいけるようなスーツかワンピース。
アニマルプリントも大好きだ。
そして声はアニメ風で舌ったらず。
でもそれをある瞬間に色気に変える術を知っていた。
かなり、時代にそぐわなかったが、いま時に見られていた。
私は過去において、ほとんど彼がいた。
いない時には、最低週に2回は合コンに行っていた。
合コンにいけば、たいてい最低1人以上とはつながった。
そうして、付き合った人もいた。
かるく見られるそうだが、決して尻軽ではなかった。
だから彼と恋におちた時には運命を感じた。
彼は私に約束をしていた。
「絶対必ず、私のもとからいなくならない」と。
離婚にかかった費用は彼の年収を超えていた。
彼の年収は決して安くない。
彼はそれだけ、私を愛し、私を欲していた。
私は言った。
「あなたがいなければ、生きていくことすら出来ない」と。
私たちはとても愛し合っていたのだ。
私たちはそれを「運命」とよんでいた。

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