二人の生活が始まった。
以前、彼は、私がどこかへ逃げていなくなってしまうんじゃないかと不安でたまらないといつも言っていた。
一緒に暮らすようになっても、ますます私を100パーセント独占したがった。
けれど、私たちにはお互いの生活があるのが現実だった。
彼はその現実にとても苛立っていた。

社宅は広かった。
3LDKで、かなり広く、とてもきれいだった。
私たちは新しい生活のために必要なものを買い揃えていった。
車は絶対に必要となるはずだったから、既に買ってあった。
納車を待つだけだった。
ソファーとテーブル、ダイニングセットも買った。
カーテンも。
絨毯も。
ラルフローレンで寝具も揃えた。
新しい物に囲まれて少しずつ私たちの新しい生活が動き出した。

3月下旬には引越しをした。
家具を先に買ってしまっていたため、間取りの広いマンションを借りた。
新築で、快適だった。

私は3月末で会社を辞めて、違う会社で働き始めた。
お肉やお魚はちょっと高いけれど、デパートを利用して、他のものは近所のスーパーで買った。
クリーニング屋さんも決めた。
月曜日と水曜日と金曜日は掃除と洗濯の日にした。
家に帰り、まず料理の下ごしらえをし、その合間に掃除や洗濯をし、料理が出来上がってお風呂に入る。
彼は仕事が忙しく12時前には帰って来れなかった。
たいてい、11時40分ごろ電話がある。
そして12時30分ごろに帰ってきてから、二人で食事をする。
フリーザーにはいつもデザート用のアイスを準備していた。
遅めのニュースを見ながら彼はアイスを食べる。
愛し合う。

週末は二人ともお昼過ぎまで眠っている。
まず先に私が目覚めて、遅めのランチの準備にかかる。
彼は、フレンチトーストが好きだ。
あとはサラダとスクランブルエッグとてきとうにスープ。
彼を起こす。
彼は私にキスをし、私をベットへ戻そうとする。
それに抵抗し、食事をすませる。
彼はシャワーを浴びる。
ソファーでTVを見ながらケーキを食べる。
毎週違ったケーキを準備した。
彼はTOPSのブラックチョコか銀座レカンのシブーストがお気に入りだ。
そうしていると、いつのまにか、服を脱がされている。
そして愛し合う。
ソファーでも。ベットでも。
そして週末は終わる。

毎日があわただしく過ぎる中、私たちの生活のリズムはつくられ始めていた。