「副官の任務に、上官にかわって悲鳴をあげるというものはなかったはずだぞ」

ロイエンタールが負傷した時の台詞です。皮肉めいて聞こえますが、私はこれを彼らしい気遣いの言葉ととらえています。あの最中にあってこんな言葉を言う上官。言わせる副官。このひと言に二人を繋ぐ糸の色がみえるように思うのです。
原作中ではロイエンタールは自力で立ち上がります。この絵はむしろ、暗転する状況と与えられた上官の言葉に対するレッケンドルフの気概として描きました。

 
 
黒須 百合子Tristan