笹沢佐保


初期の本格もの及び岬シリーズ


 How come?   文章がうまい(社会派を含め、現代のミステリー作家では貴重)   探偵が登場しないから、不自然でないし、証拠固めは要らない。純粋に犯人当てを楽しめる。   種明かしに至るまでに、犯人が誰だか分かる。これは作家として重要である。読者は充実感に浸れる。笹沢はわざとそうしている。


逢坂剛の「カディスの赤い星」・「幻の祭典」




船戸与一の「緑の底の底」・「蟹喰い猿フーガ」


直木賞をあげるのが遅すぎた。本人も恥ずかしかったろう。


東野圭吾の「白夜行」


「秘密」より、おもしろかった。天童荒太の「永遠の仔」より、こわかった。


Circle of favorits


好みは循環する。僕の場合はこうだ。 前から、山田太一のドラマが好きだった。黒沢明の映画も好きだった。コーネル・ウールリッチ(ウイリアム・アイリッシュ)のミステリーも好きだった。笹沢左保のミステリーも好きだった。


黒沢明の映画のいくつかは、山本周五郎の小説を原作としている(椿三十郎・どですかでん・赤ひげ等)。僕はどですかでんが最高傑作だと思っている。そのうち、山田太一は小説で初期の山本周五郎賞をとった。天童荒太も山本周五郎賞をとった。 笹沢左保の孤独な文体は、ウイリアム・アイリッシュに似ていると、どこかの解説で書かれていた。どうりでと思った。  ところで、ウイリアム・アイリッシュの代表作は「幻の女」だが、私は「暗闇へのワルツ」も好きだ。彼の作品のいくつかは、フランソワーズ・トリフォー監督によって映画化されている。この組み合わせもとても合っていると思う。  アイリッシュに、「夜は千の目を持つ」(Night has thousand eyes)というロマンチックな題の作品がある(星のこと)。その結末は、期日に殺人が予告されていて、その日が過ぎたと思ったら、船が日付変更線を越えていて、予告どおり殺されてしまうというものだ。しかし、その船はサンフランシスコから横浜に向かっているので、日付変更線を越えると「前日」ではなく「翌日」になってしまうのだ。 ミステリーとしては、致命的な欠点があるが、小説としては面白い。  


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