妄想1-1

私がぐてーとうつ伏せに寝ているとその背中に里歌がずしんと馬乗りに座る。
彼女は私が「うっ」と言うのを聞いて「りか、おもくなったでしょー」と嬉しそうに言った。
『まだこのくらいの歳だと重くなるのは成長したという証なんだな』と思いつつ、
「うん、おもい。おおきくなったね」と私は応える。
そして今度は彼女は体を前にゆっくりと倒して、私の背中に耳をピトと付けてくる。
少しの間。二人だけの時間が流れているような、濃厚な心の交わりを感じるような間。
そしていつもの質問をわたしにしてきた。
「ねえ、おにいちゃん、わたしのことすき?」
「うん、大好きだよ」
「けっこんしたい?」
「うん。待ってるから早く大人になって。」
いつもはエヘヘと嬉しそうに笑ってここでこの会話はおわりなのだが、
「わたしのことをあいしてる?」と今日の彼女は言葉を続けた。
「さっき大好きって言ったじゃん」
「だいすきとあいしてるはちがうのっ!」と彼女はませたことをいう。
「じゃあ、どうちがうの。わからないからおしえて」と言うと
彼女は立ち上がって腕を組みつつ悩み始めた。
私はその隙に起き上がり、
「違いがわかったらちゃんと応えるからねっ」と答えをいじわるに先送りにした。