本についての独り言(火崎勇)
心のカンヅメ 火崎勇さん/里中守さん歩未は同い年の従兄弟、秋良に想いを抱いている。しかし、告白する事もできずに、野球部で活躍する彼をこっそり見る毎日。そんな秋良が離れていくのを感じて、想いを心のカンヅメに閉じこめる。
秋良が従兄である事を隠そうとか、名前を呼んでいたのを名字に変えようだとかする事で歩未は切なくなるわけです。想い人の一挙一動に惑わされてしまう・・・本人にしてみれば、大問題だったりするわけで、切なくかわいいお話。
強情な恋人 火崎勇/南京ぐれ子高校生からの親友だった宇垣日高と葉山真帆は体の関係を始めてから3年になる。日高の事が好きだった真帆はそれが自分から望んだ事だったのに、日高からもたらされる愛の無い快感に切なく辛くなってくる。
体が欲しくて体を繋いだら、まだ、前の親友の方がよかったように思える。前の方がよかったと思えるから切なさ、辛さが強くなる。同性愛に相談できる人はいない・・・そんな時に女友達がレズだと知る。
仲間が居た喜びを感じるのは一瞬で、仲間を見る事で今まで感じなかった辛さまで感じるようになる。
望みが叶えば叶う程、辛さが大きくなって身動きできない。人間の欲望は無限大。
日高はひどいやつって設定みたいですが、嫌いじゃない。表面だけいい人そうな西倉の方がかえって嫌い。どんどん勝手に悩みを広げていく真帆に苦労すんのが日高の方じゃないかと思ってしまう。
後書きがおもしろかった。いや、本文もですが。
解放 火崎勇/石原理自分を見る不堂西紀の強い視線の中に、己れの飢えているものを見つけた海江晶。その視線が語る思いに答えて抱き合い、自分の飢えが自分を好きだと言ってくれる人間の温もりで埋められる事を知るが、反対に不堂の視線の熱は消え、「誰でもいいなら他を当たれ」そう言って去って行った。
始めて得た熱を失い、戸惑う海江。数年後、不堂の店である古本屋で海江と不堂は再会する。
海江は今の恋人である伊丹に母の愛を求めていた事を感じ、不堂には違うものを感じていたとわかる。
エゴイストの恋 火崎勇/あじみね朔生美大時代、後輩の佐原夏津也と遊びの関係を持った中井祐貴。
だが、卒業を期に、中井は佐原の前から姿を消してしまう。それは、佐原を愛している事に気付いてしまったからだった。体だけでなく心も手に入れたいという欲望。そして相手にもそれを求めてしまう己のエゴから逃れるために、中井は全てを置いて佐原の元を去る。
数年後、絵筆を捨て、デザイン会社に勤めていたある日、新進のイラストレーターとなった佐原と仕事で再会する。何も変わらない佐原、自分の中も変わっていない事に気付く。
お互いの気持ちを確かめあい、佐原の気持ちが重く感じるようになった頃、以前関係をもっていた江角剛がアメリカから帰って来た。
恋愛発展途上 火崎 勇/蓮川 愛犬の美容師の春夜は、12頭も犬の世話を依頼された。飼い主の鳴神は、なんと売れっ子のポルノ作家。春夜の第一印象が最悪の鳴神に迫られる。