就職


11月に改名の許可が下り、その後、鬱の状態が就職活動ができる程度と医者の診断が

もらえるまで少し時間がかかったが、1月下旬に面接を受けた会社に2月から勤めている。

就職先はハローワークで探した。前職が女性で雇用されていたこともあって 、ハローワークでは

失業保険の手続きから次の求職登録手続きまですべて女性と して処理されていた。

当然、職業相談を受けるときもハローワークの人は女性として見ていたわけで、

今の会社に僕を紹介する連絡を入れたときも、「女性の方が面接を希望 しています」ということで

話を進めてくれていた。 僕はその時点ではハローワークの人にカムするつもりはなかったので、

特に何も言わずに面接を受けることにした。

ただ、面接を受けるにあたっては、今回はメンズのスーツで行って自分の希望、つまり、男性として

雇用して欲しい旨を伝えようと前から決めており、 また、履歴書はweb上で作成できる履歴書を自分で

編集して性別欄のないものを作りそれを利用した。ハローワークから「女性」という話は伝わっているので

あまり意味の無いことかもしれないとは思ったが、やはり性別欄の女性に丸をつけるのは嫌だったのでそうした。

最初の面接の時はカムしようかどうかまだ迷っていて、 とりあえず希望として「男性と思ってもらってもいい」

ということと、「男性として扱ってほしい」ということを話した。だが、それについては特に何も言われることなく、

結局その時は不採用の通知が届き、自分がそう言ったこともマイナスだったかもしれないと思ったりもした。

ならば、次のときはどうすべきかと面接の反省を していたところに、あるサイトでMTFの方の就職活動に

ついての記述を見つけ、ハローワークでカムすることも必要かもしれないと考えたりしていた。

ところが、不採用通知が届いた翌日にその会社から連絡があり、同じ会社の他の営業所で別の仕事があるから

やってみないかと言われ、その日のうちに他の営業所でまた面接を受けることになった。

そこでの面接の時も最初の面接と同じように自分の希望を伝えた。さらに、もっと具体的に服装や就業時間などを

男性と同じでお願いしたいと伝えたところ、会社側は、「仕事さえ一生懸命やってくれたら、こちらはそういうことは

一切構わない」と言ってくれた。その面接後、改めて採用通知があり本社で細かい条件面の話合いをした際、

男性社員と同じ内容の雇用条件で契約を交わし、制服も男性用のものを渡してくれた。

そして、このとき初めて総務の人に僕はカムした。 いちおう「ここだけの話ですが」という前置きをしたが、

相手の方は特に変な顔をするでもなく、「隠すことでもないと思うから」ということで、上の人に伝えておくと言った。

僕がGIDだという話については全て総務の人に任せていたので、この話がどの範囲の人に伝わっているのか

僕には全くわからず、しばらくは周りの様子を伺うような感じだった。

鬱病のことも通院のことも了解の上で、通院の都合も融通を利かせてくれるということ。また、男性と同じ雇用条件で

正社員として契約してもらえたこと。そして、カムした僕をそのまま受け止めてもらえたこと・・・。こんなふうに就職が

決まることはそんなにはないことだと思う。今の僕にとってはとてもありがたい状況で本当に感謝している。

就職でカムしたのはこれが初めてだった。そのことでどんな影響が出るのかまだわからないけれど、自分で選んだ

ことだから乗り越えていきたいと思う。僕がGIDであることを知っているのは人事に関わった総務の方の他、

役職のある上の方たちだけのようだ。同じ部署の他の社員の人達に対しては特にカムしていない。

いつかその人達に対してもカムする日が来るかもしれないけれど、 その時はその時。その時のためにも僕は

自分というものをしっかりと作っていくと共に、いかに自己表現するかを学んでいきたいと思うし、自分らしく

いられる環境を自分で作る努力を続けていきたいと思う。




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