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Snow 3






Truuuu・・・

「はい、桜木です。 えっ!? はい、スーですね。

 お〜い、スー 電話だぞ。」

「はーい、今行く。」

スーは、廊下にある電話のところへ、夕食を食べている手を止めて

急いで向かった。

「ほいっ、杉本って言う人から。あまり長電話するなよ。」

少々不機嫌な直から、渡されるとスーは、その電話に出た。



キッチンに戻った直は、

「なぁ、光」

「何?」

「スーに男でもできたのか?」

直は心配そうな声で、近くにいた光に聞いた。

それを聞いた光は、“クスクス”と笑い出した。

それを見た直が、少しムスッとしながら、

「なんで、笑うんだよ。」

「いや、なんでもない。 そんなに気になる?

 電話の相手が、スーの彼氏かどうか。」

「いや、別に気にしてはいないけどさぁ。

ほら、スーが変な男にだまされたらさ、

いけないと思ったから聞いただけでさ」

そういいながら、電話で話しているスーを気にしている直を見て

「何か、そういうところ“兄”というより“親”みたいだよ。」

「バカ言え、俺は親父たちがいないときぐらいは、お前たちの

親代わりだからさ。」

「ふ〜ん。兄さんそんな事思ってたんだ。

でも、スーは大丈夫。あー見えて、結構しっかりしてるんだから」

「それなら、いいけれどさ。 あっ光、

でももしスーから何か言ってきたら、ちゃんと聞いてやってくれよ。」

「ハイハイ、分かりました。」



そんな会話をしているとき、スーは

「はい? あっ、杉本君。どうしたの?

今、テレビ出てるんじゃないの?」

スーは、クリスが今なぜこうして、自分と話をしているのかが

分かっていない様子である。

『あ〜。それ、収録したものだから、大丈夫』

「そうなんだ。

でも、すごいよね。 杉本君たちってさ。」

『何が?』

「歌で、人を感動させたりできるなんてすごいよ。」

『そうかな』

「そうだよ。すごいことなんだよ。 私には、そんな人を感動させたり

 なんて、出来ないから、なんか尊敬しちゃうな」

『そんな事ないよ、俺だって、こんな曲でいいのかなって、

 思う事だってあるさ。』

「そうなの?」

『そうなんだって。』

その言葉を聞いたスーは、クスクスと笑ってしまった。

『どうかした? いきなり笑い出して』

「あっ、ゴメンゴメン。なんかさ、テレビを見てるのと、

ちょっと印象が違ったから。 私さ、自分と話してるのが

普通の高校生の男の子と話をしているみたいだったから、ついね。」

『そうかな?』

「そうだよ。」

『ところでさ、桜木は、カメラやってるの?』

「カメラ? あっうん、一応やってるけどお父さんみたいに

うまくないけど。趣味で撮るぐらいかな?」

『そうなんだ。 俺もさ、好きで何枚か撮ってるんだけど。

 そうだ、今度さ写真見せてもらうときに、桜木のも

 見せてくれないかな?』

「エー、私の? ダメダメ、私のは人に見せられるものじゃないし。

じゃあ、杉本君のも見せてよ。そうじゃなきゃ見せられないね。」

『そうきたか。 しょうがない、分かった俺のも見せるよ。』

「あっ、そうだった。お父さんにまだ、許可のメール出してないんだった。

一応聞いておかないとね。」

『あの件か。

分かった、それじゃあ、俺のケイタイを鳴らしてくれればいいからさ』

そういうと、クリスは、自分のケイタイの番号をスーに教えた。

「それじゃあ、もしOKだったら、ケイタイ鳴らすから。」

『それでさ、・・・・』

そういいかけたとき、クリスの後ろのほうから、

『クリス、そろそろ行くぞ。早くしろ』

と、クリスたちのマネージャーの鳴滝が声をかけた。

それに気づいたクリスは、『今、行く。』と答え、

ケイタイで話しているスーに

『ごめん、次の仕事に行かないといけないから。』

「うん、分かった。 仕事がんばってね。」

『ありがと。あっそうだ。桜木、お前にもみつかると思うぞ。』

「なに?」

『人を感動させること。それじゃ』

クリスはそういうと、電話を切った。スーは、クリスの思いがけない言葉に

小さい声で、「ありがとう」と、答えた。



電話を切った、クリスは移動のために用意された車に乗り込んだ後、

隣に乗り込んだ、少年のような顔立ちの相方:アズサが

「クリス、今の電話の相手は、彼女か?

熱心に話してたけど」

そういわれた、クリスは“彼女”と言う言葉にビックリして、

「ちがう、ちがう。彼女は、この前お前にも話した、子だよ。

彼女じゃない。」

「あー。そういえばこの前言ってたな。

たしか、そうだ。何でも、お前の好きな写真家の娘さんが、

 学校の友達の妹の友達だって。」

「そう、さっきの電話の相手がその子、なんだよ。」

「でさ、クリス。その子かわいい?」

アズサの“かわいい”と言う言葉にクリスは、少し考えてから、

「まあ、かわいいかな。」

「オレも、その子に一度会ってみたいな。」

「わかったよ。そのうちに、会わせてやるからさ。」

クリスのその言葉を聞くと、アズサは嬉しそうに「やった」というような

顔で、外の風景を見ていた。



クリスの電話の後、スーはキッチンに戻り、テレビを見ていると、

光が、スーの座っているソファの横に座ると、

「ねぇ、スー。 ちょっと、聞いてもいい?」

「何?」

「さっきの電話の相手って、スーの彼氏?」

光が言った言葉に台所で、片付けをしている直の耳がピクリと動いた。

“彼氏”の言葉にビックリしたスーは、

「ちがうよ。そんなんじゃないって、ただの友達。」

「へぇー、そうなんだ。 彼氏じゃないってよかったね、兄さん」

それを見たスーは、

「何で、お兄ちゃんが関係あるの?」

「それはね・・・・。」

と、光がスーにその理由を言おうとすると、

「別に、俺は気にしてなんかないからな。」

そういった後、残りの片付けをやっていた。

それを見た光は、クスクスと笑いながら、スーに小声で、

「スー、兄さんあんなことを言ってるけど、

本当はすごく心配してるんだからね。」

「そうなんだ。」

「だからもし、彼氏が出来たら、最初に兄さんに言ってあげなね。

多分言ったら、今以上にうるさくなるかも・・・。

光は最後に小声で、言ったことにはスーは気づきはしなかったけど、

最初に言った光の言葉を理解して、「分かった。」

と、答えた。

「もしも、聞いてほしいことがあれば、いつでも相談にのるから。」

光はそういうと、スーの肩をポンとたたくと、自分の部屋に戻って行った。

スーは、そんな光に聞こえない声で「ありがとう、お姉ちゃん」

と、そういった。



その後、スーも自分の部屋に行き、自分の部屋のパソコンに向かった。



   お父さんへ



元気? スーです。今、どこの国の写真を撮ってますか?

前は、カナダにいるって、お兄ちゃんから聞きました。

今度、私の撮った写真を見てくれると、今後の励みになります。



ところで、お父さんの写真のファンだと言う人と友達になりました。

その人がお父さんの写真を見せてほしいと言うことなので、もしOK

ならばメールで知らせてください。

お仕事がんばってね。  バイバイ

スーでした。





次の日。

スーは、アミと話をしているところにマキが来て、スーの机の上に

紙袋を“ボン”とおいた。それを見たスーは、

「マキさん、これは何?」

「スーに、貸そうと思ってさ、クリスくんたちが今までに、出した

アルバムとCD」

そういうとスーは、マキの持ってきた紙袋の中を見てみると、

アルバムが6枚・CDが20枚も入っていた。

「マキ、なんかすごい量なんですけども・・・・。」

そこに一緒にいたアミも

「本当だね。すごい量、マキちゃん持ってくるの大変だったでしょ」

「こんなの平気。スーにさ、私の説明より、彼らの曲を聞いてもらった方が

いいと思ってさ。だから、一気に持ってきた。」

「マキ、そんなことより、

これ全部聞いていたらすごく時間がかかると思うけど・・・。」

「だいじょうぶ、返すのいつでもいいからさ。聞いてみてよ。」

そういうと、マキは自分の席に戻っていった。

スーは、マキの持ってきたCDをじーと見つめていた。

(録音したら、すごい量になりそー。)

スーが、そう思っているとは、マキ自身感じてはいない。



昼休み、スー・アミ・マキの三人は、屋上でそれぞれ

持ってきた、お弁当を食べていた。

「マキ、昨日のことなんだけど」

「何? どうしたの?」

「あの時、言わなかったけど私、杉本君にずーと前に、

一度どこかで会ってたような感じがするんだよね。」

その言葉を言ったときにマキは、

「それって、ずーと前にテレビとかで、見たことがあるとかじゃないの?」

「そうだよね。テレビとかで見たから、知ってたんだよね。」

「でも、スーちゃん。それってすごく印象に残っていたってことだよね。

その杉本君っていう人が。もしかしたら、スーちゃんの運命の人かもよ。

アミの言ったことに、スーはビックリして

「なにいってんの、アミ。」・ 「そんな事あるわけないじゃないさ。」

と、マキとスーに同時にそういわれたアミは、

「だって、スーちゃんがそういったから、そう思ったんだもん。」

と、アミは少ししょげた風でそう答えた。

「でもさ、芸能人って住む世界が違うから、憧れるんだよね〜。」

そんなことをしみじみいっているマキを見て、スーとアミが二人声を合わせて、

「はい?」

「でも、知り合いになってみると、普通の男子高校生なんだよね。」

そんなことをいきなり言い出したマキに対してアミが

「ねえねえ、スーちゃん。どうしたのかな?

 マキちゃんの目線が、あさってのほうこう向いちゃってるよ。」

「ほんとうだ。ねえマキ、どうしちゃったの?」

そうスーとアミが、マキに声をかけようとしたとき、

マキは、いきなり立ち上がって

「分かった!!」

そうマキが言うと、二人が声をそろえて、

「何が?」

「私、やっぱりクリスくんのことが好きだわ。」

と、マキの言ったことに対して2人は、顔を合わせて「まただ!!」と、

頭を抱えた。



放課後 学校の図書館で、スーとアミは一緒にテスト勉強をしていた。

スーが、問題を解いているときアミが

「ねぇ〜、スーちゃん。マキちゃんなんでいきなり

あんなこと言い出したのかな? スーちゃんどう思う。」

スーは、問題を解いている手を止めて、

「昼間に言ってたことでしょ。 マキのことだから、本気なんじゃないの。

たぶんだと私は、そう思うけど。」

「まあ、そうだよね。いつものことだし。

 でも、何かあったら、私たちに言うよね。」

「そうだよ。大丈夫」

「そうだね。」

そんな会話をしながら、2人はしばらくの間、図書館で勉強をした後、

それぞれ、家に帰っていった。



家に帰った、スーは、

直・光・スーの三人の夕食を作っていた。

そのとき、スーのパソコンには、1通のメールが届いていた。

それは、父:正広からのメールだった。

そのメールが、スーとクリスの出会いの写真を見つけるきっかけになる。



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