・・・・・・・・・こ、ここは・・・?
「あ!宮さん!!気がつきましたか??」
神の声が聞こえる・・・
周りでみんなが何か言ってる・・・
一度に喋るから、うまく聞き取れない・・・
「あれ?僕は一体・・・?」
*ー*ー*ー*ー*
そうだ、思い出した。
部内の練習試合をしていたんだった。
僕が3ポイントシュートをうった時、
ディフェンス側だった高砂が
僕のボールに触ろうとして
ジャンプして、
バランス崩して倒れかかってきたんだった。
大きな壁が迫ってきたところまでは覚えているんだ。
でも、その後、
高砂が怖かったから意識が消えたのか、
それとも、頭でも打ったのか、
そこまで覚えてはない。
*ー*ー*ー*ー*
それで、保健室で寝ていたのか。
でも、別に何所も痛くない。ということは・・・
そんな事を考えていたら、
「宮、もう動いても大丈夫か?」
牧の一声で我に返った。
「ああ、なんとか。大丈夫さ。」
そう言いつつ、高砂に目を向けてみる。
「宮益、悪かったな・・・俺の所為で・・・」
牧の横にいる彼はいつもより少し小さく見えた。
「大丈夫さ、全然平気だから!それよりさっきの続きをしないか ?」
それで、ピンピンしている事を証明しようと思ったのに、
神がにっこりと笑って、
「あ、宮さん。実は・・・・・
もう、練習時間、とっくに終わっちゃったんですよ〜(ニコリ)」
*ー*ー*ー*ー*
なんと、僕はあれから3時間もベッドに横になっていたのだそう だ。
「宮さんも起きたことだし、そろそろ解散しませんか?」
「ああ、そうだな。よし、今日はもう帰っていいぞ」
牧がそう言うと、あれだけいた部員があっという間にいなくなっ た。
流石、牧だなと思う一方、
少し淋しかった。
今日は4月23日、僕の誕生日だったのだ。
まあ、みんな忘れちゃってるよな。
僕の誕生日なんて。
家の人にひっそり祝ってもらうとしよう。
「じゃ、僕もこれで。こんな遅くまで付き合ってくれてありがと う。」
ドラムバックを持って、保健室を出ようとした時、
不意に後ろから引っ張られた。
「かっかっか!まあまあ宮さん、そんなに焦んなくていいっす よ〜」
清田だった。一体何のつもりだろう?
*ー*ー*ー*ー*
牧に神、高砂、清田、武藤まで・・・
僕を何処に連れて行くんだろう?
ついたところは・・・
「あれ?」
うちの学校の体育館?!何故??
「開けてみろ、宮」
牧に言われておそるおそる開けてみた。
すると・・・
パンパン!!
パパン!!パン!
『おめでとうございます!宮益先輩!!』
・・・けたたましいクラッカー音と後輩たちの声・・・
そうか、誕生日・・・覚えててくれていたんだ・・・
「宮さんが倒れちゃったから、まだ準備してなかったんですよ」
「いやあ、町内1周歩かせちゃってすいません〜〜!」
後ろで、神と清田が笑って言った。
「今、監督が寿司を注文しているはずだから、少し待ってろ」
牧もやっぱり笑って言った。
みんな笑っている。
僕のために。僕なんかのために。
こんな遅くまで・・・なんだか、涙が出そうだ・・・
良い仲間がいるって、素晴らしい事だ。
バスケ部に入って、本当に良かった。
*ー*ー*ー*ー*
あれから、監督は全員分の寿司を特上で頼んでしまったので、
部費が一気に寿司代として消えた事は言うまでもなく、
後日、武藤の誕生日が
神の焼いたクッキー1枚づつで済まされてしまったことも、
言うまでもない。
*おわり*
<< 宮益義範*猫 野鈴サン >>