ヘイコーポリ
エルマンノ・リベンツィ(ELMANNO LIBENZI)「狂った星」(原題*IL PLANETA DEL MATTI )
著者のリベンツィは児童文学の作家で、日本ではこの本しか訳出されておらず、インターネットでもその作品や人となりを中々知る事のできない人物です。と、今、翻訳者のあとがきを読んだら、当時も日本ではまったく知られていなかったようで、翻訳の千種堅さんも「著者のリベンツィについてはまったく知るところがありません」と、少し困っているようす。見返しにの著者紹介も「1936年生まれ。1958年から児童文学に筆を染め…」と、略歴があるだけで、本書の発行が1971年である事以外は、まったくわかりません。
私の持っている立風書房版は、翻訳者の後書きによれば、子供向けの読み物シリーズとして発刊されたものを、特に対象年令を決めずに訳したものだそうです。
内容は、原作が1971年に書かれたイタリアの子供向け小説で、著者がSF作家ではないこともあってか、オーソドックスな文明批判小説になっています。
牧歌的な世界の中で、人々は利益と進歩の為にはどんな犠牲も問わず(「ロタウルス人」)、電子頭脳は人間を支配しようと知恵を絞り(「ロボットにならなくてはいけなかった男」)、間違いがない故に機械は必ずや壊れます(「CEガンマ先生を怖がっているのは誰?」)。宇宙人に対する田舎者扱いも、今の視点で見ると不思議な感じがします。宇宙からの客人や地球人が侵略する星の住民は、皆、平和を好む社交的な人物達ですが、粗野で争いが好きな地球人たちに首をすくめたりはしても、決して嘲笑したりはしません。むしろ身勝手な地球人にひどい目に遭わされたり(「ポット戦争」)、間抜けな地球人の暴走にちょっとだけ教訓を得たり(ミネルヴァ征服)、地球人の馬鹿さかげんに呆れたり(「宇宙旅行クラブの周遊旅行」)と、ロクな目に遭わないのです。
表題の狂った星(狂人達の惑星)とは、地球の事なのでしょう。
1971年といえば「2001年宇宙の旅」が作られてから既に3年、人類と電子頭脳の対決は人類の勝利に終わり、SF小説の主流は「ニューウェーブ」と呼ばれる、個人と世界のあり様を描いたものになっていた頃です。当時、イタリアのSF状況がけっして恵まれたものではなく、本書が児童向けに書かれたものだとしても、やはりアナクロな感覚である事はいなめません。
しかし、社会批判の小説として読めば、書かれた真意はおのずと浮かんできます。
おぼえていますか、ほんの50年前、私達の住むこの国が、イタリアとドイツと同盟を組み、戦争をしていたのを。リベンツィが生まれたのは、ムッソリーニがファシスト政権を成立させ、第二次世界大戦に参戦する、その真っ只中でした。4才から7才までの間を戦時下で過ごした彼が、何を感じて育ったのかを、私は推測することしかできません。でも、彼が何を恐れ、何を求めていたのかは、少しだけ想像できるように思うのです。
この本は、一定の歴史に沿って書かれており、最後の短編「コンピューター一世、堂々の即位」で、とうとう地球人は電子頭脳の奴隷にされてしまいます。
彼が恐れた支配、彼が望んだ牧歌的な世界。それらは今の私達が、古いとか、新しいとか、そういう言葉で切り捨ててはいけないものなのです。たぶん。
幼い私の心に、少なからず影響を与えたはずのこの本を、こういうかたちで再認識できて、とてもうれしいです。
私「恐竜買ったよ!(頭から「今度出る恐竜の食玩は海洋堂製」だと思っているので、確かめてない)」
友「(造形を見て)…変だよ」
私「そ、そう?(よく見ると型ズレしてる)あれ?おかしいな…」
友「…塗装もなんか…」
私「そう…かなあ…(塗りがズレてる)…」
友「うわー、これパチモンだよ、海洋堂じゃないよ」
私「…うぇーん」
思い出したら、歯が抜けそうなくらい、恥ずかしい気持ちになりました。半可通って私の事ですね、あああああああ。
ところで。知り合いの舞台で、私の書いた話が使われる事になりました。物語の中に、からんでます、引用というのは間違いです。
というわけなので、ヘイコーポリを読んでる人で、その人の舞台を見に行く人は、ヘイコーポリっぽい台詞が出てきても、パチではないので、気にしないで下さい。
ここまで書いて「そんな細かいところまで、ヘイコーポリの文章を、おぼえている人がいるかなあ」という疑問が生まれました。
それについては、あまり考えないようにしたい。
それで、友達と話をしていて、この前の「ヘドウィグけなされ事件」の結論が出たんです。まだ見てない人はごめんなさい、内容に触れます。私が「ヘドウィグ」を好きなのは、最後に彼が自分一人で裸のまま去っていくからです。あのラストを見て、「癒し系」なんて結論が、なぜ出るのかを考えてみました。最後にタトゥーが分かたれた二人から一人に変わっている事で、ライブを放棄した後からの映像は、ヘドウィグの脳内劇場だって事がわかると思います。だから、最後の歌が悲しいのだし、美しいのですよね。それがわからないと、最後はバンドも復活してめでたしめでたしみたいなラストに見えちゃうのかもしれない。
なんにせよ、私がイラついていたのは、ヘドウィグをけなした人が作品の内容ではなくて、観ていた観客、つまり私の事をバカにしたからなんですね。私だってバカにされたら怒りますよ。私や他の観客を、弱い人間だとわかった上で、その弱さをバカにして、笑いを取ろうとしたわけです、その人は。もう当該文章もないし、私も心が狭いなあと反省したので、イラついてはいませんが。
その人が、自分よりも強い存在に喧嘩を売ってくれたら、好きになるのになあ、と、思いました。それが結論です。
皆さんの送ってくれたお勧めの映画と文です。もし載せるなって人がいたら申し訳ないのですが、メールで教えて下さい。対処します。
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ツカサ:恋愛映画なのですが、毛嫌いせずに見てみて下さい。ベティーブルーという映画です。気が狂った女の話です。最後の方で、泣きました。あとは完全なる飼育です。竹中直人と小島聖の方です。是非。わー、ベティブルーは映画好きな年上の人に「映画好きです」って言うと必ず勧められるんですがなぜですか、ツカサさんは年上ですか、わー。というわけでまだ見ていないので、見ます。「完全なる飼育」は見ました、小島聖みたいな体型に生まれたかった。
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えちこ(私のお勧めは、クマのプーさんと、メリーポピンズです。素敵にラリッテいますよ)どっちも見てないや!反省しないとなあ。ダンボとアリスが好きです。
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くわと申します。なんとも普通のチョイスですが「デッドオアアライブ〜犯罪者〜」(哀川翔×竹内力主演)はいかがですか。オススメの理由はネタバレになりますので書けませんが人は結構死にます。あと「MONDAY」(見所は堤真一のへべれけっぷり)とか。「DOA」見ましたよ!哀川さんの声を聞くと色々考えてしまうので、あまり喋らない黒沢清のシリーズの方が好きで見ていたんですが、DOAは面白かったです。あと三池監督だと「オーディション」と「殺し屋1」が好きです。サブさんは見る映画見る映画出ているのですが、本人の作品を見た事がありません、ひどい、反省します。見ます。
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沢口ジャスコ/この前「フェノミナ」見たら面白かったです。あと「黒い太陽731」。それから「棒」っていう、YOUのだんなが出てるやつも良かったです。ジャスコさんだ!ダリオ・アルジェントはちょう好みの顔をしています。今検索して見たらそうでもなかった、娘のアーシア・アルジェントは父親似ですが、美人です。というわけで「フェノミナ」は私が映画感想サイトを作ろうと思った時にはじめて取り上げた作品でした。なんかフェミニズムがどうとか、少女との同一化がどうとかなんとか書いた記憶が。「黒い太陽731」はステキですよね、減圧室の場面は今でもはっきり思い出せます。「棒」YOUの旦那がそもそもわからないのですが、今検索したところ、こんなのが出てきたんですが、これですか。YOUの旦那は奥田瑛二ですか。
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オススメ映画。「未来世紀ブラジル」「アリゾナドリーム」「ロストチルドレン」「ブラッドシンプル」をおすすめしてみます。わあ。「アリゾナドリーム」以外は全部見ましたー、と思ったら「ブラッドシンプル」は「ファーゴ」の間違いだった。ひどい。まだ見てない。「未来世紀ブラジル」は10本の指に入ります、わかりやすくて申し訳ない。最後は泣く。「ロストチルドレン」は古本屋で買ったパンフが花見に行った時になぜかかばんに入っていて、泥だらけになった嫌な思い出がありますが、大好きな映画です。女の子は大切にしよう。
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「イントレランス」白黒です。ビデオは上下二巻だった気がします。 「幻の光」江角マキコ主演。ひっそりとした人妻役。原作はあんまりよくなかったですが映画はよかったです。「イントレランス」見たような気がしたけど、全然見てませんでした、反省しよう。江角マキコ主演と言えば「ピストルオペラ」ですが、原作があまり良くなくて映画がいいといえば「オーディション」ですが、つまり「幻の光」は江角マキコがきりきりきりぃぃぃぃぃ。ごめんなさい見ます。
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「太陽を盗んだ男」人が死ぬし、たしか爆発もします。なんだか衝撃のテンションの日本映画でした。わーい、スプーンさん。これも古本屋でパンフ買いました、友達に貸したら松沢に入院しやがりましたので帰ってきません。皇居前のバスジャックと、国会議事堂にジュリーが女装して入るシーンは無許可だったですよ。って書いてあるステキなパンフだったのに。
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Subject:オススメ映画 Text:李といいます。オススメの映画ですが、原一男監督「ゆきゆきて、神軍」はいかがでしょうか。もうご覧になったですって?では、森達也監督の「A」はどうかと。両作品ともにサウスポー臭が漂うドキュメンタリーですが、アナーキーとは何かが垣間見ることができると思います。TSUTAYAに置いてあるかどうかはわかりませんが。どこの駅前かにも依るかと。もう本当にすみません、ドキュメンタリーが苦手です、本当にあった事とか、実在する人の話は、なんていうか現実じゃないですか、そんな、毎日生きてるだけで見られるものを、なぜ。せっかくオススメしてもらったのにごめんなさい。
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ミミカキ:リリィシュシュのすべてがお勧めです。岩井俊二ですが、中学生の女の子が鉄塔の上から飛び降りたり、廃工場で犯されたりします。そういうわけでミミカキさんもごめんなさい、リリィシュシュもなぜか色々な人に勧められるのですが、あの、私、フィクションでも、いじめられたり、現実にあるような様々な方法で追い詰められて、飛び降りるとかは、あまり面白いと思わないので、ごめんなさい。もっとありえないような、例えば地獄が漏れ出したとか、そういう理由で追い詰められて死ぬのは大賛成なんです。
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皆さん本当にありがとうございました。
ヒマじゃなくなっちゃったので更新あまりできないですけど、これからも映画みたり本読んだりするので、仲良くしてください。
わーい、楽しみ。
貴方がもし、つまらない映画を観て嫌な気分になったなら、それは監督や脚本家や製作のせいであって、その映画を好きな観客、たとえば私のせいではない。そんな事もわからないなら映画など観なければいいのに。