岡山で改造バスを使い街宣活動を行って居る團體は大抵「西日本獅子の會」(「日本皇民黨」も加盟為る任侠系右翼の聯合組織。香川に本部を置く)に加盟為て居る。「ジャングル大帝レオ」(「西武ライオンズ」の紋章でも在る)の横顔をあしらった「レオ街宣車(白を基調と為る)」の「神皇同志會」、「キティちゃん街宣車(目に眩しい空色)」の「大日本維新黨」、「桃太郎街宣車(「國防色」カーキ色)」の「大和塾」も此の團體の系列で在る。活動は軍歌若しくは「君が代」を垂れ流すだけという右翼の典型的な姿で在る。
「政治結社英志會」も標準的な黒塗り改造バスの街宣車を使う。活動は矢張り軍歌の垂れ流しで在る。車に「英」の字が入って居る團體「狼黨」「市民社会を守り社会悪を摘発為る會」等は此の系列で在ると思われる。「狼黨」はあからさまに任侠團體(入口には監視カメラ付き)の事務所に車が止めて在る。此処も矢張り任侠系で在る様だ。
「全國天佑聯合會」は喜多郎氏作曲の「シルクロード」をBGMに演説テープを流す。此は喜多郎氏の御連れ合いが任侠團體「山口組」の家系だからで在る事に起因為るらしい。街宣車は標準的な黒塗り改造バスで在る。
「大日本愛國黨西日本總本部」はジープ型若しくはRV等を改造為た街宣車を使う。右翼の街宣車としては少々小振りだ。軍歌を垂れ流したり、女性の声に拠る演説テープを流しながら走り回り、稀に演説も行う(但し車の中からは絶対に出て来ない)。八拾年代には選挙にも出て共産党の候補者を妨害為て回って居たとの事。其の時はワゴン車を使って居た様で在る。事務所を見ると同じ建物の直ぐ隣に任侠團體事務所(矢張り入口に監視カメラ付き)が在ったり為る。赤尾敏元衆院議員の設立為た由緒正しき團體も、地方は任侠團體に拠って支えられて居る様で在る。
軍歌を垂れ流しながら町中を練り歩くだけの街宣車が多い中で唯壱定期的に弁士の姿を見せながらの街頭演説を行って居るのは「政治結社大行社」で在る。自らを「武士道精神を貫く皇道維新派」と名乗るが、母體は自民黨を始めと為る保守政黨と非常に深い関係に在る任侠團體「稲川會」で在る。先ず演説前に必ず「君が代」を流しながら日の丸を立てる。其して演説での最初の一言は必ず「我々は道路交通法及び公安条例に基づき・・・。」と発言し、自分達が「合法的に活動」為て居る事を強調為る。演説内容は朝鮮共和國「拉致」疑惑、歴史教科書非難及び改竄の促進等が中心で在る。演説中は特攻服姿の社員が大挙為て居り、極めて威圧的な雰囲気を醸し出して居る。演説前後には「社歌」と思しき歌を流しながら街を走る。街宣車は目にも鮮やかな空色で在る。
任侠團體「住吉聯合」を母体と為る「日本青年社」は県北部を中心に活動為て居る。軍歌をBGMに演説テープを流す。街宣車は銀色の改造バスで在る。
「大日本新政會岡山縣本部」は主に倉敷で活動為て居る。構成員の山磨豊氏は倉敷市長選にも出馬経験が有る。街宣車は鼠色の改造バスで、任侠團體同士の血深泥の抗争を描いた映画「仁義無き戦い」の主題曲を流しながら繁華街を走って居る。稀に若い女性の声で吹き込んだ辿々しい口調の演説テープ(内容は倉敷市政非難、朝鮮民主主義人民共和國及び中華人民共和國非難、憲法破棄、國軍創設・武装強化等)を流す事も有る。
蹴球選手中田英寿氏が「君が代」を歌わなかった事に憤慨し蹴球協會に殴り込んだ事で有名な「日本同盟」は「護國團」から別れて出来た團體で在る。県本部代表は「日本太郎」と言う偽名を使用為て居る。街宣車は黒塗りバス若しくは「日の丸」入りの白いRVで在る。乳母車を押して歩いて居る人を見ると「御子様連れの方には大変御迷惑を御掛け致して居ります!」と大音量で叫ぶ等、茶目っ気の在る所を演ずる事も在る。
変わった所では「福祉團體生活環境守る會」「自然環境を守る會」なる所がある。菊の紋の真ん中に「福祉」と書いて在る、自民黨の黨章によく似た紋章を使用為て居る。福祉團體という割には他の任侠系右翼と同じ様に軍歌を垂れ流して回って居るだけで在る。街宣車は黒塗り改造バスで在る。
九拾八年参院選に出た「維新政黨・新風」は選挙の時に見たきりで在るが、軽自動車の天井に拡声器を乗せただけの簡素な街宣車を使って居た。機関紙「新風」は「古本ハウス」という古書店に置いて在る。此処は右翼活動家が経営為て居るらしく、「壱水會」機関紙「レコンキスタ」、地元右翼團體の機関紙「愛國通信」も置いて在る。然し「大行社」機関誌「大吼」は都會の大書店では大抵見かける物なので在るが、何故か県内では此処所か何処の書店でも見かけない。県内で政治團體・結社の機関紙誌が多く置いて在る書店を御存じの方は連絡を求む所で在る。
財界系右翼「日本會議」は年壱度「全國キャラバン」と称して街宣活動に来る。街宣車は自民黨の物の使い廻しの様な感じで在る。財界系は余り表には出ず、議員の政治資金宴會を兼ねた有料の時局講演會が活動の中心で在る。人脈としては「日本青年協議會(旧「反憲法学生連絡會議」)」「日本政策研究センター」「新しい歴史教科書を作る會」等が被って居る。
大韓民國に本部を置き、謀略機関「KCIA」(日本では公安調査庁に当たる)と極めて緊密な関係を持つ反共右翼宗教團體「世界基督教統壱神霊協會(統壱協會)」の政治組織で在る「國際勝共聯合」は表立って活動為る事は無い。然し莫大な資金力と組織力を持って居り、保守政黨の後援組織と為て政財界に人材を送り込んだり、保守政黨之幹部を役員・會員と為て招いたり為て居る。日本共産黨に大打撃を与えた違法謀略文書を創価學會や「幸福の科學」等数多くの反共右翼宗教團體と結託為て大量に作成為散撒いたのも此処が中心で在る。
少々本頁の趣旨から外れるが、岡山では連日連夜性産業の街宣車が街中を走り回って居り、其れを見ない日は無い。然しながら、此は岡山特有の物らしい(ミリオン出版「ダークサイドJapan」内の松沢呉一氏の記述に拠る)。此の手の産業が街宣車を使って大々的に日中から宣伝活動を行う事は倫理上問題が在ると思われるが、現段階では其れを規制為る方法は無い。
五月蠅く垂れ流される「君が代」や軍歌に耳を塞ぎ、性産業の街宣車を鬱陶しく思いながらも、街宣車・街頭演説マニアの私は今日も街宣を求めて街をぶらつくので在る。
(文:水泡 國粋円)