種まきのお話

最終更新日:98/12/14


あるところにとてもせっかちな男が住んでおりました。男の名前は瞬矢(しゅんや)と言い、都会で一人暮らしておりました。名付け親の願いどおり非常に行動が早いのでなく、他の人に比べてもゆったりしております。ところが、性格だけがせっかちでありました。昔とは違い、一人で暮らすといってもすべてを一人でまかなっているわけではございません。男は自分の労働を売り、そのお金で暮らしておりました。
ある時、その男は植物を育てることを思いつきました。あまりにもまわりの行動が遅いので促進剤「speed」を作り、配って歩こうと考えたのです。植物から非合法的に抽出できるその薬を作ることは資料がないこともあり、たいそう難しかったそうな。しかしながら、毎日苦痛を味わうよりは周りの人間が早く行動してくれる様に努力する方が男にとっては苦痛ではなかったのです。長い月日が過ぎ、やっと薬が完成いたしました。「この薬でみんな早くなる」と喜びいさんで出かけ、いろいろな人に健康薬だからといって無料配布いたしました。
しばらくすると噂は噂を呼び、薬は飛ぶように配布され、供給が間に合わないほどでした。男はこれで自分の思い通りになるとほくそ笑んでいました。しかし、いつまで経っても効果が現れません。ある時、男は思いきって配布先から相手の行動を調査してみることにしました。すると・・・。
配布された男の行き先は食品工場でした。植物に「speed」を与え、その植物の果実を瞬矢の近くのコンビニへ配布していたのです。

「人の振りみて我が振り直せ」「急がば回れ」「灯台もとくらし」「情けは人の為ならず」

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