2006年2月・虻な句会・撰句結果                兼題・・地球・・


1・日の丸や虚空にあれば暖かし   園を

並撰1・・百花評・・ なにか本当にこころ温かくなります。世間ではいろいろ言うけれど、日の丸、そのものは好きなのでしょう。


並選・・美代子評・・ この場合、「日の丸や」と切ってしまって良いのかどうか分かりませんが・・・
並撰・・秀彦評・・ 「日の丸」には日本人であれば、あるいはある世代のアジア人であれば、さまざまな思いがあることだろう。この句はそうしたことは、とりあえず置いておいて、空に翻る日の丸の旗に春の温もりを感じたことを素直に詠んでいるのだと思う。
2・・旅の目を開けては閉ぢぬ春の月   秀彦


3・・地球儀を蹴りつつ帰る三学期   犬親父


4・・福豆のまん丸ふつと息掛ける   麻子

特撰・・美代子評・・ これが福豆かって思うと、確かにふっと吹いてみたくなりますよね。福の神が飛び出してきて幸せになれるような気がするもの。心が弱っているときって、確かにこんな心境になるなあと。「息掛ける」に作者の複雑な気持ちが読み取れる。心象句。


並撰・・痾窮評・・ 福豆を詠んだ訳でなく句全体で「春」の気分を表現。
5・・春光や胎の児の目を開きたる   百花

並選・・美代子評・・ このままだと観念句になると思います。<胎の児も目を開くかと> くらいに留めておいて頂けると有難いですが。。。。。。違う?かな。ごめん。


並撰・・園を評・・ 胎児は耳が聞こえて、光も感じる。生まれ出づる季節、ですね。
6・・此れまでを捏ね繰り回し暮れかぬる   痾窮

特撰・・犬親父評・・ 私は正にイキクレています・・・。


7・・なにやかや地球の辻の獺祭   秀彦

特撰・・痾窮評・・ 「うそまつり」と読むのかな?「地球の辻」と言うのは尋常でない(=誉め言葉)。そこに「かわうそ」が「なにやかや」を並べて祝祭を営んでいるシュールなファンタジーと読める。【▼獺祭】だっさい 「獺祭魚」の略。かわうその祭り=獺祭とは中国の古典、礼記に獺が魚をとるとそれを川岸に並べて楽しむ、まるで祭りのようなので、人が見て獺祭と読んだとある。


並撰・・麻子評・・ いや本当に漁獲量を競うというか獲物並べて物凄いお祭りするのですね。カワウソって。
8・・雪間草青し秘(かく)してをりしこと  美代子

特撰・・秀彦評・・ 抒情的ですねぇ・・・。この手の句に弱いんです。確かに雪間草にはこんな印象があります。


並撰・・園を評・・ 雪間草の青さと、草の間の陰を感じます。
9・・もう一度の人生といふ探梅   園を

特撰・・百花評・・ 「探梅」がじつに効いています。字足らずが、なにやら溜息を感じさせます。問題の多かった今まで。でもこれから春は必ず来ます。


並撰・・犬親父評・・ ♪人生が2度あれば〜
並撰・・秀彦評・・ 探梅をしていて、ふと「もう一度の人生」と思った。それは再出発した人生への思いであろうか、それとも「人生が二度あれば」というかなわぬ思いであろうか。どこかひかれる句でした。
10・星空に地球を探す葱ぼうず   痾窮

並撰・・百花評・・ 前半、ことに体験あります。小さいときの感覚って、不思議よね。葱坊主がいいですね。


11・春が来る朝日を配る青年よ   犬親父

特撰・・麻子評・・ 何か濁っていた空気が一新するような感じです。なかなか言えそうで言えない発見かと思います。


12・型録(カタログ)のやうな一党冬の山   麻子


13・地球儀を回して春の虹とする   園を


14・春の日や車のパン屋鈴ならし   百花

並撰・・犬親父評・・ のんびりしていますね。


並撰・・麻子評・・ ほのぼのと温かい感じが良いです。春ってお腹が空くんですよね。
15・まはりたまへ水の地球よきさらぎよ   美代子

並撰・・秀彦評・・ 確かに水の地球が回っているから、この国の季節もまた生まれてくるのでしょう。それにしても地球と森羅万象に対してひたすら呼びかけてくる句。


並撰・・痾窮評・・ 句というより詩ですね。と書くと俳句と詩の違いを論じなければなりませんが、今はパス。これからズ〜〜〜と考える事です。
16・あざむきの雨は影持つあたヽかさ   痾窮


17・座布団の上の癇癪地球熱   麻子

並選・・美代子評・・ 何となく分かるような気はしますが。。。少し無理があるかなとも。むむむーっ。


18・皇(すめら)なるブリキの春や手鞠歌   秀彦


19・踏めば鳴る霜や月曜の鬱すこし   美代子

並撰・・犬親父評・・ キャリアウーマンの方と拝察します。


並撰・・園を評・・ ブルーマンデー。仕事に行きたくなくて、霜なんか踏んだりします、私も。
20・外套着しフロイドの顔かなしかり   犬親父

特撰・・園を評・・ 「外套や」と切って欲しい、もう冬の季語はいかがなものでしょう、と文句タラタラ言いながら、特選です。カ行音の多用効果と外套という衣装(外)と心理学(内)の組み合わせはよいです。なにより「哀しい滑稽味」があります。


並撰・・百花評・・ 外套の衿を立てた「フロイドの顔」がふっと浮かびます。「かなしかり」そんな感じでしょうね。人の心理を読むというのは、ある意味かなしいことです。
21・萌え出づるこの真下なり地球の芯   百花

並撰・・麻子評・・ 地球の芯の上にどの芽も萌えています。良句と思いました。


並撰・・痾窮評・・ 地球上どこに立っても真下が中心です、よね〜。「草萌」の勢い、と言うより、春の陽気をその馬鹿ばかしい知識の確認で表現したと言う事でしょう。

☆・・・・・ありがとうございました。虻なBBSにて、もっと採りたかった句についてのお話など、どうぞ。・・・・・☆

最高点句・≪園をさん
次回の『兼題・・ 』 を2月28日までに百花までお寄せください。


参加者・あいうえお順
・痾窮・麻子・犬親父・園を・秀彦・美代子・百花・