2006年3月・虻な句会・撰句結果                兼題・・風・・


1・・辞書に遺書挟んでおきぬ春ぬくし  美代子


2・・おるごおる春風吹いてるると鳴る   犬親父

並選・・美代子評・・ おるごおるも喜んでいるのね。こういうことってあるのよね。こちらで物を落としたら、あちらで鳴っていたりするの。ましてや春風なら喜んで鳴る!絶対鳴る!


並撰・・麻子評・・ おるごおるは勿論蓋を開けねば鳴りません思わず蓋を開けたくなるような優しい春の風との取り合わせが良いです。
3・・春昼に刺さる無数のホッチキス  園を

特撰・・百花評・・ 春の狂気はホッチキスぐらいで済みましょうか。済んで欲しい。。ところです。


4・・暮れてゆく眩き窓や春の風邪    麻子

並撰・・犬親父評・・ もう暖かいですがお大事に。窓越しのオレンジ色の夕日が、春の風邪と照応していると思いました。


5・・遠足や蛇腹のびれば縮ませて   百花

並選・・美代子評・・ 主語省略なのに、「蛇腹のびれば縮ませる」可愛い子供たちの姿が見えてくる! なんて素敵な句なんでしょ。涙が出てくるわね。ただ、特選に出来なかったのは、どうしても遠足という季語はそれだけで得してしまうからかなぁ。


並撰・・園を評・・ いまどき遠足にアコーディオンでもないかな。おもちゃ? 伸びたり縮んだりに、弾むこころが伝わってきます。けど、遠足は他の季語に変えたいところ。
6・・明日は晴時々しゃぼん玉でしょう   犬親父

特撰・・美代子評・・ 上手いなあ。この遊び心! 童謡を聴いているような爽やかな気持ちになる。なんか胸がいっぱいになるね。


特撰・・園を評・・ しゃぼん玉が見えるのがよいです。明日を明るい日と信じられたらいいな、という気持ちも込 めて。
7・・万屋に閉店の札花ミモザ      麻子

並撰・・百花評・・ 万屋にあるこまごまとしたもの、それぞれ眼を留めてそれなりに仕事のあるもの達も閉店のご時世。花ミモザがよかったと思います。


8・・清明のなにぬねシャンプー・タイムかな  美代子

並撰・・麻子評・・ やや付き過ぎの感は有りますがこのなだらかな洗い流し感はたまりません。


9・・風見鶏の見てゐる春の夕焼けかな   百花


10・・風向きの変わるビル街黄水仙    園を

並撰・・犬親父評・・ 私の住んでいる高層団地街でもビル風があります。季語は適度に離れているのか、離れ過ぎなのかわかりませんでした。


並撰・・百花評・・ 風向きの変化にともない、季節の花が水仙から黄水仙へ。こころにくい変化です。
並撰・・麻子評・・ ビル風の吹き抜けていた街にも気が付けば足元には黄水仙が。何時の間にかの季節感が出ていると思いました。
11・・奥さん今だけだよと独活売切る    犬親父

特撰・・麻子評・・ まさに俳諧かと独活と書く季語の効き目もばっちりです。


12・・天網の綺羅めくといふ春の水   百花

並撰・・園を評・・ 綺羅めくと春の水は近いなァとは思えども美しい。


13・・風は春片膝たてて荷を解く   美代子

並撰・・犬親父評・・ ずいぶん大きな荷物だったのでしょうね。女性が「片膝たて」るところが逞しい(?)です。


並撰・・園を評・・ 片膝たてての力のかけ方がよろしいです。上五はぜひもう一工夫を。
14・・泪目の春の金魚とおばあさん  園を

特撰・・犬親父評・・ 泪目の金魚と泪目のおばあさん、いずれも不思議ですが、一番、目をひきました。(金魚が死んだという解釈は深読みのし過ぎでしょうか?)。


並撰・・百花評・・ 泪眼がどれに掛かるのかはっきりしないけれど、えい!どれに掛かってもいいや!なんて感じです。春は金魚も花粉症かしらん。
15・・潮時のボトルシップや鳥雲に    麻子

並選・・美代子評・・ 「潮時」と「鳥雲に」 は、即過ぎというだろうか。潮時とは潮の満ち引きが起こる時刻を言う。このボトルシップは満ち潮で運ばれてきたものだろう。去るものがあれば来るものもある、それが人生なのだ。寂しい句だけど。

☆・・・・・ありがとうございました。虻なBBSにて、もっと採りたかった句についてのお話など、どうぞ。・・・・・☆

最高点句・≪犬親父さん
次回の『兼題・・ 』 を3月31日までに百花までお寄せください。


参加者・あいうえお順
・麻子・犬親父・園を・美代子・百花・