2006年4月・虻な句会・撰句結果                兼題・・時・・


1・・蝶うらら時が深爪してをりぬ   秀彦

並撰・・麻子評・・ 人に切られた深爪はなかなかのものとは言え一日は毎日過ぎ時は毎秒流れ研鑚の時へと。。


並撰・・百花評・・ 「時が深爪」という表現に惹かれたけれど、実際にはどんなことなのかしら?
2・・リクルートスーツの群を抜けて風   園を

並撰・・麻子評・・ 名の有る某社を目指す人達の群れを抜け出して行く吐息のやうな風も良いかと。


3・・葦の角水音として十の戒   百花


4・・深甚の風をこそ待つ残花かな   美代子

並撰・4・・園を評・・ 散り際への思い。人の散り際に重ねあわせる気持ちでしょうが、「深甚の風」に実体がないような気も。


5・・鳥雲にベンツと呼びし車椅子   麻子

並撰・・秀彦評・・ 車椅子をベンツと呼んだのはその持ち主だろうか。なんだかたくましいユーモアが感じられます。


並撰・・百花評・・ 名前を付けるのは人間の特権。こころ豊かに。
6・・腕時計こつんと置けば朧月   園を

特撰・・麻子評・・ 軽くこつんと置く音が心を切り替える音かとも表現の優しさが良いです。


並選・・美代子評・・ この句の命は「こつん」だと思います。こつんに作者のいろいろな思いが感じとれました。かえって静かさが強調されているような。。。ただ「置けば」が良いのかどうかは分かりませんが。
7・・春の蝶跳びだす育ち盛りの木   美代子

並撰・・秀彦評・・ 元気な句ですね。なにもかもが新しい、生き生きとした春の力。


並撰・・百花評・・ とても明るい。気持ち良い。花の豊かな木かしら?
8・・春満月その裏側の二十五時   百花

並選・・美代子評・・ <残雪に竹が突き出す二十五時  後藤昌治> という句を思い出しました。。。月は地球に対して常に同じ面を向けて回っているので、月の裏側は地球からは永久に見ることが出来ないということですね。それを二十五時の世界だと言うわけですね。。。うん、分かります。でも、やや理が勝つのかなとも。。。


並撰・・園を評・・ ぼんやりとした春満月の持つ虚の時間、という感じでしょうか。「その」は無駄かな。
9・・パスタ屋のけふのドルチェの桜色   麻子

特撰・・美代子評・・ 「桜色」が季語として生きているかどうかは分かりませんが、でも、何故だか、春らしい?句だと思います。句の姿の良さを頂きました。作者がこの桜色を楽しんでいて、それが伝わってくるのです。


並撰・・園を評・・ まんまですが、あったかい。パスタ屋を別にしたいな。
10・八重桜外つ国の胸重さうな   百花

並撰・・麻子評・・ 外つ国でなければ軽いのでありませうか。八重桜と胸の配合に諧謔を感じました。


11・三行の時調(シジョ)のほそみに連翹花   秀彦


12・影の無い男が集ふ春競馬   美代子

特撰・・秀彦評・・ 競馬場に集まる男達。彼らに影が無いという。淋しい存在が揺れているようだ。


特撰・・園を評・・ 春競馬に特定できるか、悩んだけど、妙に明るい日射しの地方競馬場の雰囲気があります。
13・別れ霜ダウ‘ィンチコードで開く時   麻子

並選・・美代子評・・ 別れ霜のあとは、羽を広げるように春という時が開くという意味?と勝手に解釈して○。確かに春ってそんな感じよね。


14・桜鯛いにしへの音のらうらうと   園を

特撰・・百花評・・ 「らうらうと」の措辞に、海の歴史の深さが思われます。


並撰・・秀彦評・・ 瀬戸内海の桜鯛でしょうか。太古から人の往来の絶えなかった海の幸。いにしへの音に耳を傾けている。
15・落ちてくる人の重さや山桜   秀彦

☆・・・・・ありがとうございました。虻なBBSにて、もっと採りたかった句についてのお話など、どうぞ。・・・・・☆

最高点句・≪美代子さん
次回の『兼題・・ 』 を4月30日までに百花までお寄せください。


参加者・あいうえお順
・麻子・園を・秀彦・美代子・百花・