レポート 超熟読『CD読本』〜第1回〜



 1.音を記録/再生する
  1−1.音について
   1−1−1.縦波(2003/2/10 作成)
 
この度、CD(コンパクトディスク)関連の仕事を担当するようになり、職場のバイブルともいうべき(?)
『CD読本』(中島平太郎・小川博司共著/オーム社)という書籍を購入しました。
今後、これを読み進めながらささやかな疑問点について調査しつつ、
随時レポートを発行していきたいと思います。

『読本』にはまずレコードディスクの変遷について述べられています。
その歴史はエジソンによる”蓄音機”発明からはじまります。
はじめて音声を記録/再生した偉大な発明なわけですが、
ところで音ってどのように保存/再生しているのでしょうか?
蓄音機の原理について調べてみたくなりましたが、その前に音についての理解を深めてみようと思います。

培風館物理学辞典によると、音とは
『普通には空気中の縦波で,その周波数がおよそ20〜20000Hzの範囲にあって,
人間がその耳で知覚できるものを音ということが多いが,
人間の耳に聞こえるのは一般的な意味での音のごく一部である.…(後略)』
とあります。

縦波のイメージは下図1をみるとわかりやすいと思います。図1の下側が縦波です。(上は横波)
通常、空気中には分子が一様に分布していますが、何らかの原因により乱れが生じると、
その乱れは将棋倒しのように伝播していきます。
(一番左の分子が右に向いて移動すると、次々にその右隣の分子が押されるように右に動く)
また、もともと分子が一様に分布していたのはそれが安定した状態だからであって、
押されるように動いた分子には元の安定な位置に戻ろうとする力がはたらきます。

図1 横波と縦波(中川のビジュアル物理教室(http://www.ne.jp/asahi/tokyo/nkgw/index.html)より引用)

こうしてそれぞれの分子は左右に振動します。(黄色い分子を見るとわかりやすい)
ここで、これらの分子を全体的に見てみると、分子の密度の高い部分と低い部分が交互に
右方向に向かって進んでいっているように見えます。
(図1の一番下の帯は、密度の高い部分を白、低い部分を黒で表したものです)
このように分子の密度の乱れが伝わっていくような状態を縦波といいます。
密度の高い「密」な部分と、密度の低い「疎」な部分が存在するということで、
縦波のことを”疎密波”とも呼ぶこともあります。

縦波とは以上のようなものですが、実際に縦波を表記するのは面倒で、
見るほうにもイメージが掴みにくいです。
そのため、分子が元の位置より右に移動している場合には上方向に表記し、
元の位置より左に移動している場合には下方向に表記することにします。
すると図1の縦波の状態は、同図の横波として表記することができます。



縦波の状態を示す値として、”振幅”、”周波数”、”周期”、”波長”、”速さ”といったものが挙げられます。

項目 略号 意味 単位 イメージ
振幅 分子が振動する幅 [m]
周波数 分子が1秒間に振動する回数 [Hz]
周期 1回の振動にかかる時間 [s(秒)]
波長 λ 移動の状態が全く同じ分子間の距離 [m]
速度 波の進む速さ [m/s]


上記5項目のうち、周期は周波数から計算でき、波長は周期と速度から計算できるので、
最低限、”振幅”、”周波数”、”速度”の3つの値があれば縦波を表記することができそうです。
これで縦波の状態を数値情報として表記する方法がわかりました。

(第1回 縦波 おわり)