ピンクの象さん 


凡庸ということについて

たとえば空を飛ぶ象さん
ショッキングピンクだったりすると
凡庸をとおりすぎてもう俗悪だね
チェーンなんか
後ろ足首に巻きつけたりしてさ

野外劇場の
すべての幕が降ろされて
もう踊らなくていいのに
踊っているピンクの象さん
まだ、リンゴが欲しいといって
逆立ちの芸までしてしまう 
空を行く象さん
もうお腹なんか減らないはずなのに

哀しいことが
ついに終わっても
果てしない哀しみはあるね
たとえてみるならば
この青い空の地平線を越え 
なおにじみ出ようとする
青い天使の
青い精ようなものだろう

ピンクの象さんが
蒼い空のどこかに帰っていくとき
逆立ちの芸をして
チェーンが鳴ったら
これを凡庸と呼ぼう

凡庸ということは
かように悲しいことなんだ

センチメンタルキャメラ