僕達には目がある
木には目がない
あたりまえか?
しかし、千年の木を前にして
僕達は言うまい
千年の木を見たと
たかだか百年の僕達がね
日照りの日々を
あるいは
嵐の日々を
千年だ
天に向かって
泣かず笑わず
すくっと千年だ
誰も食べず
誰も殺さず
切る人がおれば
バサリと切られ
雷様が怒れば
ザックリ裂かれ
山火事あれば
メラメラ燃えて
その覚悟でな
すくっと千年だ
僕達は目を閉じよう
何も言うまい
そして耳をすまそう
誠
千年の木よ
あなたは
宇宙のなかの
一つの決意だ
千年
天に向かって
すくっと立つ
僕達は
宇宙のなかの
ひとつの試みだ
目をつけられ
口をつけられ
足をつけられ
さて、なにをしよう
千年の木を切るか?
この試みに
僕達は怯えていい
千年の木を見たと
いうなかれ
(2002.5.30)