喪失
僕たちは路地の危険な曲がり角を
無事曲がりきったのであるが
希望に満ちていたはずの
眼前にひらけた風景は
地平線も無く
天まで駆け登る荒地だった
あまりにも荒涼として
荒涼として
今さらながら
己の喪失に気がついた
喪失とは何かの
遺失
ではなく
何もかも信じることの
無気力
である
神であろうが人であろうが
大地であろうが何であろうが
何もかも信じる能力を失った
君も僕もね
信じなくなると
僕達の青い鳥は
指の間から永遠飛び去った
実に喪失とは
所有
ではなく
信仰
の問題であった
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