うにが、ニンシン時のことをちゃんと記録しとけば〜?と、しつこく言っていたけど、めんどくさいからいいと、

別に何もしなかった。日記でいいやと思っていた。

ただ、出産本や雑誌を買ってきて、こうゆう病気があるのかとか、体験話を聞いたりしたが、

ただなー・・・・・・・やっぱ年もトシマエン耳もトシマエン。

つうことで、早めにニンシンしといたほうが、よかったかも・・・・・・とか、思うようになってきた。

若いときなら、なーーーーんも考えずできることが、年取ると、知識だけが広がっていって臆病になってくる。

環境ホルモンの話しとかニンシン中毒症とかあるから、食べるものにも気をつけなくっちゃ。

しかし、そうなるとできあいの物は全然食えないつうことか?

インフルエンザが流行ってるみたいだから、外出ひかえなきゃ。

寒いからうにがどっか行こうよといっても、めんどくさくなる。

映画もおしっこが近いから到底だめだし・・・・・・電車も具合悪くなるから乗れないし・・・・・

昼頃起きて、飯食って、ポアロ見て、信濃屋に買い物にいって、飯食って、夜中に風呂入って、寝る、が

しばらく続く。

でも、あのことが起きてからは、今迄ぼーーーっとしてたけど、色んなことを考えるようになった。

姉のところに地下鉄で行った時、酔った感じというか息苦しさを感じて、気持ち悪くなった

ことはあったけど、あれほどではなかったし。
 

寒い北風がぴーぷー吹く朝方、トイレに行こうと思って起きた時だった。

トイレにいたら、急に息が苦しくなってきた。すーはーすーはーゆっくり呼吸してみるけど、

だんだん早くなってきて、何がなんだかわからなくなってきてトイレから出て、

とにかく落ち着こう落ち着こうと、部屋の中をぐるぐる周りはじめた。けどまた、心臓がどかどかして来て

また息苦しくなってきてしまった。何か冷たいものを飲むとおさまるだろうか?

牛乳を飲んだ。もっと心臓がどかどかどてきて耳鳴りがする。もうだめだ。ここにはいられない。

ばじゃまのうえからずぼんと上着マフラー帽子つけて外へ飛び出した。

どこがどこかどこかどこかどこかどこか、広い場所へ逃げないと息苦しくなって死んでしまう・・・・・・・・

だめだ狭い。右に行っても左に行っても道路が狭くて、息苦しい。もっと広くひらけた所に行かないと、 息苦しい。

ああああああああああああああもうだめだ、わけわかんなくなってきた。

苦しい。マフラーが苦しい。 帽子もとんなきゃ、上着のボタンもはずさないとだめだ、息苦しい・・・・・・

あああどこへどこへどこへ行けばおさまるんだ、どこへどこへ・・・・・

あああああ・・・・・すーはーすーはー・・・・もういやだ、だめだ息が苦しい。

「おーーい、大丈夫か?」

うにが追いかけてきた。

「落ち着け、落ち着け。深呼吸して。ゆっくり・・・・・・・」

すーはーすーはあああああ・・・・・・・だめだ、ますます変になりそうだ。

「どうしたんだろ、あたし。気がおかしくなったんだ。呼吸困難になりそうだ。

救急車呼んだ方が・・・・・いや、車に乗りたくない。酒でも飲んだらおちつくか? たばこを吸ったら少し楽になるのかな・・・・・・・・

「深呼吸しろ。ゆっくり・・・・」

「黙っててよ。何も言わないで。頭が混乱する。すーはーすーはああああああああああああだめだ、苦しい、

もういやだ、もう何もかもいやだ。こんなに苦しいんだったら子供なんていらない。何にもいらない。いやだ、いやだ。

おかしい、変だ変だ変だあああああああああああ・・・・・・・・わけわかんない、頭が変になりそうだ。気違いになりそうだ。」

秋山胃腸科の前で、あたまをかかえて叫んだ。

うには青冷めた顔をしながらも、背中をさすってくれた。

「・・・・・・・・・じゃ、お茶か酒でも飲みにいこうか・・・・・・・・・・どっかやってるところがあるから・・・・・」

「・・・・・・・・・うん・・・・・」
 

その瞬間、しゅるるるるぅーーーーーっとさっきまで息苦しかった気持ちが落ち着いてきた。

うにがサイフをとりに家に戻るから待っててと言うので、外でがたがた震えながら待っていた。
 

ゆっくり深呼吸したり、体をひねったりしながら息苦しさを忘れようとしていた前を、

新聞配達のにいちゃんが変な顔をして通っていった。

寒さで指先が冷たくなってきたので、家に入った。
 

その後、うにが用意してくれた焼酎ソーダ割りと温めた牛乳を目の前にして、

「どっちでもいいから飲んで。落ち着くよ。」

じーーーーーっと考えたが、やっぱり、焼酎はやめておこうと思った。

その日は、寝るとまた息苦しくなるかもしれないと思い、横にもなれなかった。 

夕方、食欲が出てき、食パンをかじかじしていたときに、ふっとよぎった超音波写真を思い出したとたん

食パンをくわえながら、うぐぐぐぐっと涙が込み上げてきた。

うわあああああああああああ・・・・・・・・・・ばかだった、ばかだったよーーーーーーごめんよおおおおお

いらないなんて言ってごめんよーーーーーーーーわるいことしたようーーーーーーごめんよおおおおおおー

うわーーーーーーーーばかだったよーーーーーー・・・・・・・・・・・・・・・ごめんよおおおおお・・・・・・・・・・・

 
        
つづく