ライ麦畑でつかまえて

J.D.サリンジャー

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 若い頃はよく本を読みました。でも今は時間がなく、読んでも強力な睡眠薬になってしまいます。でも最近読み返した本に「ライ麦畑でつかまえて」があります。これを読むと、なんだか懐かしい気分になれるんです。あと最近読んだ本で(というか絵本で)感動したのは、ハンス・ウィルヘルムの「ずーっとずっとだいすきだよ」という本です。


 ホールデン・コールフィールド、16歳。成績不良のため、退学処分をくらう。すぐには両親のもとに帰ることもできず、ひとりぼっちでクリスマスのニューヨークをさまようが、どこにも安息の地は見つからない。行く先々でひどい目にあり、気は滅入るばかりだ。昔のガールフレンド、サリーとデートしても結局ケンカ別れしてしまう。

 神経をすり減らし、泥酔したホールデンはセントラル・パークへ向かう。「池のアヒルたちは、もし池がみんな凍っちまったら、どこへ行くんだろう?」答えは見つからない。半分凍った池には一羽のアヒルもいなくなっていた。

 進退極まったホールデンは家に帰り、幼い妹フィービーに会う。「僕が何になりたいか言ってあげようか。ライ麦畑のつかまえ役さ」

 どこか遠くへ行ってしまおうと決意したホールデンは、フィービーを公園に連れていく。回転木馬に乗ってぐるぐる回りつづけるフィービーを見守りながら、ホールデンは解放され、本当の至福を味わう。


 これが簡単なあらすじです。全然関係ないけど夏休みの宿題の読書感想文で「あらすじ」だけで埋めてなかった?(笑)

 やっぱり俺はホールデンが妹に「ライ麦畑のつかまえ役になる」と言うこのシーンが印象に残ってます。

 とにかくね、僕にはね、広いライ麦畑かなんかがあってさ、
そこで小さな子供達が、みんなでゲームをしているところが目に見えるんだよ。
何千っていう子供たちがいるんだ。そしてあたりには誰もいない。
誰もって大人はだよ。僕のほかにはね。
で、僕はあぶない崖のふちに立っているんだ。
僕の仕事はね、誰でも崖から落ちそうになったら、
その子をつかまえることなんだ。
ライ麦畑のつかまえ役、そういったものに僕はなりたいんだよ。

 俺もあぶないない崖のふちにそっと立って、何気なく自分を抱きしめるようにその子をつかまえてあげられたらいいな。そんな「ライ麦畑のつかまえ役」になりたい。

 今少年犯罪とか問題になっているけど、必要なのは「少年法」を改正することじゃなくて、ライ麦でいうキャッチャーが必要なんじゃないかな?大物女優の次男の事件でデーブ・スペクターはアメリカの個人主義にどっぷり浸かってるから「もう成人したから親は関係ない!」って言ってたけど、月に30万も金渡して、それでも酒飲んで足りない時は2万5千円渡してたって裁判の供述で出てきたよな。それで地下室を与えて、親は自宅に警察が来て、息子が捕まるって時に「私は会議があるから」「私は舞台があるから」って出かけちゃうんだもんな。そういうのって子供は敏感に反応するんだよ。これじゃ悪くもなるよな。

 それで更生させようと海外旅行させて、歌手デビューまでさせようとしていたんだろう?それは違うと思うよ。でもいいよな。大物女優の次男というだけでデビューできるんだから。やっぱり俺みたいな庶民は地道に頑張らないといけないのかな・・・。今度は更生させるために劇団に入れるらしいけど、「その前に人間教育せなあかん」って鶴光も言ってた。

 それだったらアルバイトでもいいから、スーパーとかで働いてみれば?学校帰りに何時間も突っ立って、遅かったり、お金間違えるとおばさんに文句言われるしさ。何百円間違えただけでも、本部の方に報告書みたいの書かなくちゃいけないんだ。レジがヒマな時は「本田くん青果に回って!」「本田くん品出しして!」「缶詰のほこりふいて!」ってとことん使われるんだから。それで日曜日も出なくちゃいけないし、勉強もしなくちゃいけない。(ほとんどしてなかったけど)それでも時給700円で学校の帰りにバイトしてたら月3万だよ。こんな大変な思いして稼いだお金で薬なんてやらないよ。

 そりゃ本人が一番悪いと思うよ。でも子供だけが悪くなったわけじゃない。大人も悪いんだよ。はっきりいって自分さえよければいいみたいな世の中だ。だいたい大人は子供を見下してるよ。これは保母さんの本に載ってたけど、まず子供と話したいなら、子供と同じ視線まで腰を屈めないとダメだって書いてあった。大人の視線で上から物を言うからダメなんじゃないのかな?それで世間一般に言われてる「勉強しろ!勉強しろ!」しか言わなくて、褒めるのもテストで良い点取った時だけだったら「勉強してればあとはなにをやってもいいんだろう!」って感じになっちゃうよ。その子の長所を探し出して褒めてあげるのが親の仕事だと思う。そうすればその長所をのばそうと思って子供は頑張るから。

 俺は子供から勉強することが多いよ。純粋だし、固定観念もない。そして笑顔が可愛い。大人は利口にはなったかもしれないけど、つまんない意地や見栄はったりして頑固者の石頭が多い。そういう人達が差別を産むんだ。家柄がどうとか、高学歴だ、年収がどうだとか。大切なのは「心」だろう。そういう物事の本質を見抜けないから、いつまでたっても幸せになれないんだ。それがいつのまにか幸せはお金という価値観にすり替わってしまうんだよ。「お金があればなんでも買える」みたい思ってくる。そのうち作り笑いしかできなくなる。心の底から笑えなくなる。

 メーテルリンクの青い鳥では、たしか青い鳥は自分の家にいたんだよな。幸せという物はあんがい自分の足下にあるような気がする。それに気づかず人間は遠回りをしているような気がするよ。それも無駄ではないんだろうけど。

 既にインチキな社会に汚されてしまっている大人の君。
 君は大人としてどう生きるべきか。

 もう子供じゃない。だから理想の大人になる。

と紹介文に書いたあった。

 興味がある人は読んでみて下さい。この「ライ麦」が気に入った人は「ナイン・ストーリーズ」という短編集もあるのでそちらの方も読んでみてね。

 

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