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デイパックを使い始めて20年ほどになる。当時、デイパックが流行していた。今では笑い話だが、社会人が通勤に使うことが、カジュアルすぎると社会問題にもなった。 私のは、テリアドロップ型と呼ばれる洋梨のような形をしたものだった。中にジッパーで開け閉めできる間仕切りがあって上下2つの空間に分けられるようになっていた。だいぶくたびれているが、今でも現役で、たまに気が向くと野山に連れ出している。その後も、いくつものデイパックを使ってきたが、人にあげたもの以外は、ほつれを直しながら全て使っている。物が捨てられない性格と補修好きの性格のせいだ。 デイパックとは、日帰りの荷物が入る程度のリュックのことをいう。ちょっとした着替えと飲み物や雑誌などが入る大きさだ。しかし、使い勝手が形や作りによって違うから、あれこれと複数欲しくなる。今回も、仕事用に安いものでいいからと2つ買ってしまった。ひとつは、背中があたる部分にパットが入っており、大き目で、ジッパーで大きく蓋が開くもの。もう一つは小型で、小さくたためるものだ。早速、あれこれ詰め込んでは使い勝手を確かめて、どんな場所やシチュエーションが似合うか思いをはせてみる。買った翌日に活躍のチャンスが訪れた。が、新品が汚れるのは惜しいと、持って出たのは、10年前に買った茶色のデイパックだった。 実は、こうしていつか使おうと買い込んだ未使用のデイパックが4つある。クローゼットの奥には、ひょっとするともっと眠っているかもしれない。持っているのを忘れて、きっとまたいつか新しいデイパックを買ってしまうだろう。 旅を夢みては買い、旅で必要だとまた買い求め・・・。夢と現実の数だけデイパックが増えてゆく。無駄にしないように、デイパックたちの活躍の場所を見つけなくては。 さぁ、季節は春。旅にはいい季節だ。 |
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2002年03月26日 03時41分11秒
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今年は、二週間近く桜の開花が早い。私が歩いた埼玉県秩父市の野山でもソメイヨシノや山桜が美しく咲き競っていた。 秩父市周辺には室町時代後期に作られた寺が多い。今年は12年に一度の午歳総開帳にあたるため、普段は静かな札所も、白装束の巡礼者で賑わっていた。いくつかの寺を回り、少しくたびれた私は、山際にある公園で休憩をとることにした。 水飲み場でうがいをしようとすると、枯葉が排水溝につまり、水がたまっていた。よくみると水面にてんとう虫が浮かんでいる。動かないので生きているのか死んでいるのか分からなかったが、寺めぐりで観音の慈悲に触れた私はそっとすくい上げ、水飲み場の縁にてんとう虫をのせた。驚いたことに、すくい上げたてんとう虫は1匹ではなく、実は2匹だった。交尾の最中に水たまりに落ちたらしく2匹重なっていたのだ。 てんとう虫についた水滴を持っていた布で拭ってやったが、しばらくして動き出したのはオスの方だけだった。メスは、上にオスが乗っていたために長いこと水中に沈んでしまっていたのだろう、全く動かなかった。しかし、オスはメスにしがみついたまま離れようとしなかった。 てんとう虫の夫婦を残し、私は山を下りることにした。下り坂を歩きながら、オスが離れなかったのは愛ゆえか、または性欲の強さゆえか、はたまた妻の死を受け入れることができずに戸惑っているのかなど考えてしまう。そもそも、水たまりからすくい上げたことが善行だったのだろうか。夫婦仲良く死なせてやった方が幸せだったのではないだろうか。 観音に問うが、聞こえてくるのは春の風が葉をゆらす音のみであった。 |
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2002年03月23日 18時41分27秒
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月曜。 銀座。 21時30分。 雨がちらつく。 勝ち気そうな女が通る。 会社帰りの男が酒臭い息を吐く。 銀座の夜は 誰もが誰かを 値踏みし、見積もっている。 無理をしなければ安全な街。 大声の似合わない街。 退屈な街。 22時30分。 イグニッションをひねって この街を捨てた。 |
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2002年03月19日 02時22分29秒
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最近、バイクのブレーキが音を立てるようになった。原因は前輪についているディスクブレーキがそろそろ寿命で、傷がついているためだ。 スクーターとしては多すぎる5万5000キロを走り抜いた我が愛車だが、エンジンは健康そのもので元気に走ってくれる。だからこそ、余計に具合が悪い。快調なエンジンに弱いブレーキでは危険が増加するだけだ。なんとか後輪のブレーキが正常に働いているので騙し騙し乗っている。 修理に行こうにも、雑事に追われ時間がなく、たまにバイク屋に行くと休業だったりし、修理のタイミングがつかめないでいる。 今後の修理や部品交換のコストを考えると、スクーターの買い換えも頭に浮かぶが、自分の踏ん切りの悪さがここでも出てしまう。せっかく一生懸命走ってくれているからと、新車のカタログを手に入れてはごみ箱に捨て、キーキー鳴るブレーキで今日も出かける。 スクーターは止まれない不安をかかえながら進む。走りながら、不安をかかえている自分を見つめ、どこか、今の時代そのものに似ているなと思う。 |
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2002年03月16日 17時10分18秒
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