イジェスト版 goo_noi(1999.8.19)          geo-hp@geocities.co.jp

Through Time Into Healing
   前世療法2    ブライアン・L・ワイス
                     PHP研究所
                山川紘矢・亜希子訳

第6章 自分の中の子どもをいやす   131

@最近、「自分の中の子どもをいやす」ということが、大きく注目されています。中でも、ジョン・ブラッドショー博士は、次のようないやしの方法を広めました
彼は、患者をリラックスさせて軽い催眠状態に導き子ども時代まで退行させておとなになってからも、まだ自分の中にそのまま残っている、傷つき混乱した弱々しい子どもの部分を見つけさせました
「自分の中の子どもをいやす」という考え方は、こうした心理療法の中から生まれました。
従来の心理療法の一つである自由連想では、子ども時代に心の傷となった事件を思い出して、激しい感情の浄化作用がよく起こります
患者がこのように昔のことを思い出して、その時の感情を解放してゆくプロセスを体験すると、病状が変化し回復に向かうことがあります。
交流分析(TA)は、子ども時代の抑圧されたり、忘れられたりしていたつらい思いから回復するという精神分析上の概念を、さらに発展させたものです。
交流分析の父といわれているエリック・バーン博士は彼の著書の中で、「子どもの頃に心に定着させた思い出を、誰もが持っている。それがある状況に出逢って動き出す。・・・・・つまり、人は誰でも、自分の中に少年や少女の心を持っているのだ」と言っています。
子ども時代の痛みが解放されないままだと、おとなになってから様々な病的な症状として現れてきます罪悪感、羞恥心、うつ状態、自己卑下、あるいは自己破滅的な行動等の症状です。−−−たとえば、子どもをいじめる親は、大体、自分も子どもの頃、親にいじめられているものです。フロイト派の学者はこれを「反復強迫観念」と呼び、ブラッドショーは「無意識の幼児逆行症」と呼んでいます。131−132
A交流分析では、人間の心理は三つの部分から構成されているとされています。”子ども”(自分の中の小さな子ども)”おとな”(理性的、客観的な部分)それと”おや”(親の内在化したもの、あるいは親としての考え方、感情、行動)の三つです。交流分析療法では、”子ども”と”おとな”と”親”の間で実際に会話を交わします患者が一人で三つの役を演ずるのです。132
B「心理ドラマ」として知られている方法では、子ども時代から引きずっている恐怖や傷を解放するために、もっとたくさんの役を設定します。たとえば、もう一人の自己(言葉、行動、ボディランゲージを観察している人)が、他の人たちが演じている子ども、おとな、親の様々な役を批評することができます。何人もの参加者が同時に演じながら、役を交替し、ドラマチックに衝突し合い、子ども時代のつらい思い出が意識によみがえってくると、強烈な感情の解放を体験します。132−133
Cブラッドショウは交流分析の概念を、エリック・エリクソンの人格の発達の理論と結びつけました。これによって、彼は問題を正確に指摘し、特定の子ども時代に彼の療法を応用することができたのです。133
D自分の中の”子ども”との対話を用いた様々な療法に共通するものは、つらい子ども時代の記憶を思い出し、感情的に解放するということです。133
E患者の中に組み込まれたこうした否定的なプログラムを捨て去ることが、この治療の最も大切な部分です。133
Fたとえば、完全にリラックスした状態にして、おとなの患者に、心の中にずっと引きずってきた”子ども”を探しにゆかせます
子ども時代に住んでいた家を思い出し、部屋、家族、そして最後に自分自信をイメージします
十分な認識力と理解力を持つおとなである患者は、その”子ども”に話しかけ、言い聞かせ、その子を抱きしめます
そして、自分がその子を守ってあげるよと約束し、そのひどい状況から現在の時点まで連れてきます
ある意味では、子どもを助け出すのです。134
Gこれをプログラムの書き直しと呼んでいます。あたかも人生のシナリオが書き直されたかのように、人生そのもの変わってしまいます自分の中の子どもは、親のむごい行為は自分の責任ではないことを理解し、両親を許し、そこまではできなくても、少なくとも両親がなぜ、そのような理不尽な行為をしたのか、理解できるように成るのです。そして、自分の中のおとなの部分が、自分の中の子どもの愛情深い親となります
Hもちろん、過去の出来事は何一つ、変わったわけではありません過去の出来事に対するその人の認識と反応の仕方が変化しただけです。患者は苦しみを手放し、痛みを解放し、子ども時代の傷をいやすことができます。このテクニックは非常に効果があり、治療への第一歩となることがあります。134
Iそして時には、苦痛の根源がずっとさかのぼった昔にあることもあります。134−135
Jリンダの場合135−142
Kウララの場合142−147
Lアメリカでは、子どもに対する虐待がびっくりするほど多く起こっています。三人に一人の割合で、少女は子ども時代に性的いたずらを受けています。また、少年の場合は、五人に一人の割合で性的いたずらの被害にあっています。
過去世療法は、このような体験を持つ人々に過去の被害体験を急速にしかも安全に解放し浄化してゆく方法を与える点で、とても重要です。
また、この療法はいやしのプロセスで解放されてゆく記憶と感情を処理してゆく時に、前よりも広い感情的、精神的な視野を与えてくれるとゆう意味でも、大切だと思います。
去世療法は、その体験を新たな視点から見つめるチャンスと手がかりを、被害者に与えてくれるのです。147
Mこの治療のプロセスでは、つらい抑圧された思い出の再体験をこわがる必要もありません。私の体験では、ウララのような患者の場合にはこうした思い出の再体験は、解放感そのものであるようです。
この治療によって、犠牲者は「自分の中の子ども」を慰めることができるようになります。そして、現実の生活の様々な面、特に人間関係が好転してゆくのです。148
N幼い頃に受けた性的虐待の記憶を心の奥に閉じこめたままだと、おとなになってからの人間関係で、喜びや満足感、親密感等を味わう能力を失ってしまいます。このような被害者は、隠された痛みを再体験するのを恐れて、他人と親密な関係になるのを避ける傾向を持つからです。性的な虐待で受けた傷から自分を守るために、女性が自分の肉体的な魅力を隠そうとして太りすぎるのも、その一つの現れです。148
O「深刻な自己喪失、自信喪失の原因は、子どもの時に父親から受けたひどい仕打ちのせいであることが多い」といっています。148
Pこうした女性は、理想化した父親像を保つために、自分自身をいけない人間だと、思い始めます。心理療法は、子ども時代に性的虐待を受けた被害者が否定的な自己規定を払い去って、本当の意味で生きられるようになる手助けをするのです。149
Qエミリーの場合149−152
R一度過去世の記憶に到達することができれば、いやしのプロセスが始まります。152
Sいやしのプロセスの第二段階は、虐待の記憶が本当のことだと受け入れることです。これは、いやしの過程でで、決定的に重要な要素です子ども時代や過去世への退行催眠は、こうした記憶を受け入れるために、最もふさわしい方法です。患者は、非常にはっきりと過去の体験を再体験しますが、同時に自分は安全であると感じています。そして、催眠が終わってから、専門家の指導の下で自分の記憶を振り返り、意味づけることができるのです。153
21.退行催眠によって過去世を見せると何でも否定しようとする患者に自分の過去を受け入れやすくし、その結果、いやしのプロセスをスピードアップすることができるのです。154
22.性的虐待の被害者は、しばしば、もう一つのいやしの段階を通過しなくてはなりません。自分の体験を恥じ、タブーとされている行為に参加したことを恥じる感覚をいやすプロセスです。しかし、退行催眠を行うと幼かった自分は、おとなのそうした行為に責任はないという事実を、ずっと簡単に納得することができます。過去世の記憶もまた、その恥の感覚をやわらげる働きをします。なぜ、家族の間で越えてはならない壁が破られてしまったのか、その理由までわかるからです。154
23.激しい怒りという問題に、ここではつき当たります。加害者に対する怒りを体験し、怒ることがいやしなのだとよく言われています。怒りは確かに通過しなければならない段階の一つですが過去世療法を用いると、怒りの感情は急速に理解へと変化してゆきます。私のやり方では、この段階は比較的、短期間ですみます。154
24.過去世療法で、感情を伴って視覚的に過去世を再体験すると、時として、あっという間に理解まで達します。このタイプの療法は、怒りの段階を省略してしまう特別の機能をを持っているようです。155
25.退行催眠によって今生や過去世で虐待された体験を思い出した患者は、怒りの記憶を忘れるわけではありません。しかし、このような患者は、ずっと速やかに自分自身や相手を許すことができるようです深いレベルの許しは、虐待された体験から学ぶことのできる霊的なレッスンのように思われます。156
26.ロレインの場合156−158
27.メルセデスの場合158−161
28.特定の家庭や環境を選んで生まれてきたからといって、虐待されてもいいと同意したわけではありません。しかし、一つのドラマに参加して学んでゆくということに、同意しているのですその学びや教えがどのように行われるかということについては、あなたも、あなたと共に人生を送ることを選んだ人々も、自由意志を持っているのです。あなたがその家族の一員を演じると同意したからといって、必ず虐待を受けなければならないわけではありません。学びのプロセスの一部は、なるべく害の少ない破滅的でない道を選ぶ、ということでもあります。苦しんで成長するのもいいけれど、やすやすと楽しく成長することもできるのです。そして、その間には、たくさんの段階があるのでしょう。161
29.去世療法はもっと大きな問題や、複雑で幅の広い状況に関する気づきをもたらします何となく気配を感じてはいるものの、記憶がはっきりしない間は、具体的に何を悲しみ、何を解放すればよいかわかりません。しかし、記憶を思い出すと、性的虐待の被害者は急に軽やかな場所に飛び出して、大きく成長することができます
30.物事の理由やパターンや原因を理解した時、私たちは”至高体験”とでも呼ぶべき体験をしますこのすばらしい体験によって、私たちはそれまでのカルマを超越し、それまで何度となくくり返してきたドラマを再演しなくてもすむようになります。同じドラマをくり返したり苦痛を味わう必然性から、自分自身を解放するのです。私たちは調和と喜びに満ちた高次の人生の流れに入ってゆきます。162
31.最後に付け加えますが、性的虐待の被害者は、そのようなひどい状況でも、魂は決して傷つけられないということを憶えておくことが大切です魂は不滅であり、永遠の存在なのです。162
 
 
 

 
目次
第1章 そもそもの始まり・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11
第2章 催眠と退行・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22
第3章 体験して学ぶ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・45
第4章 心をいやして体をいやす・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・71
第5章 家族関係をいやす・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・103
第6章 自分の中の子どもをいやす・・・・・・・・・・・・・・・・・131
第7章 依頼心をいやす−−肥満と薬物中毒の原因・163
第8章 悲しみをいやす・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・180
第9章 心を開いて神秘を体験する・・・・・・・・・・・・・・・・・205
第10章 人生を豊かにする  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・223
第11章 過去世退行の方法について・・・・・・・・・・・・・・・・245
付録A リラックスと退行のためのテープの作成 ・・・・・269
付録B 参考文献リスト・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・281
訳者あとがき・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・290