死んでも離れないと誓い合った恋人同士が、半年も経たないうちに泥沼の愛憎劇を展開することがよくあります。
これは、読売新聞の海外短波の欄に載ったちょっとした事件ですが、西ドイツのケルンに住む二十八才の男が、五才年下の元恋人の口の中から金歯四本を無理に抜き出して、奪って逃げたというのです。ケルンの警察当局によりますと、この男は二人がまだ仲睦まじい頃に、彼女の金歯の代金を負担してやったのだといいます。ところが、しばらくして彼女は、その男とは別の金持ちの男に目が眩み、その男の元を去って行ったのでした。振られて怒った男は、金歯を取り返そうと彼女の家の前で待ち伏せをし、彼女の顔を近くのバス停の壁に何度もぶつけて、金歯を吐き出させたのです。
この話を聞いたとき、私は最初は醜い痴話喧嘩だなと思いました。でもよく考えてみれば、何も極端な例ではないですよね。現在どんなにうまくいってる恋人同士でも、心の中をたずねれば、これと似たり寄ったりではないでしょうか。女は、街中で色っぽい美女を振り返る男に「この浮気者!」と腹を立て、男は、金色夜叉のお宮ではないけれども、ダイヤモンドに目の色を変える女心を「強欲女め!」と嘆きます。
お互いに、醜い心を隠して付き合っているものだから、なにかの縁がくればたちまちのうちに斬った斬られたのと爆発します。人の心って移ろいやすいと知れば、永遠の愛なんてもんが少女漫画の世界でしか無いということが判りますね。
ドラマのような華やかで幸せそうな結婚生活を夢みていましたが、やはりあれは作り事のお話にしか過ぎません。
現実社会でどこに喧嘩をしない夫婦がいるでしょう? 居たら私に紹介してもらいたいです。