絶頂期に付きまとう不安
 人間の愛は続きませんが、だからこそ恋人達は、常に不安に付きまとわれます。

 南こうせつが作った歌に「神田川」という曲があります。若い男女の恋愛を歌った歌ですが、その歌詞のなかに「何も怖くなかった ただあなたの優しさが怖かった」というところがあります。「何も怖くなかった」とは、二人で居れば、あなたが傍にいれば何も怖いものは無い。ということです。恋人同士の幸福の絶頂期と言えるでしょう。しかし、その後に「ただ、あなたの優しさが怖かった」とあります。



 私もこの気持ちはよくわかります。彼と夜を一緒にしているとき、とてもいいようのない不安を感じました。彼にその気持ちを正直に言うと、彼は優しい言葉を掛けてくれ私の髪に手を寄せもう一度抱き寄せてくれましたが、不安が消えることはありませんでした。
 それは彼といた幸福の絶頂期ではありましたが、果たして私にとっては苦しいのか幸せなのかよくわからない状態でした。

 これを無常の幸福の限界だとメンタルヘルス友の会の生き方療法で教えていただきました。
無常の幸福とは何かというと、今日はあっても明日はどうなってしまうかわからない、儚い、ニセの幸福ということです。

 つまり無常の幸福は絶頂期にあればあるほど失うことへの不安が生じてきます。
 彼を失ったらどうしようとか、この人が心変わりをして、私を捨てたらどうしようという不安を持ったことはありませんでしたか?

 絶頂にありながら不安に付きまとわれるような幸福は、本当の幸福とはいえません。心の底から安心満足できてこそ本当の幸福といえます。

 では本当の幸福とは何なのかというと、これは生き方療法の第一法則「正しい生き方とは、人生の目的を知り、その目的に向かって生きることである(生き甲斐を持つ)」に関連します。

 この本当の幸福を知り、それを人生の目的として目指す身になれば、失恋の苦しみはもちろんのこと、日常生活に起こりうるすべての苦しみは苦しみではなくなっていきます。