6.生徒の作品より



パソコンに初めて触れた生徒達の力作です。タイトル部分だけですがゆっくり見てやって下さい。



邪馬台国論争




いきなり江戸文字のワードアートでドカーンときた、男の子らしい作品です。しかもバックのグラデーションがいかにも「日出ずる国」という感じで、雰囲気200%の傑作ではないでしょうか。内容は、畿内説と九州説の違いについて、それらを裏付ける根拠の変遷を客観的に提示しながら論理を展開するというもので、彼自身の考えとしてはどうやら畿内説を支持しているようです。今回たまたまニュースで畿内説を裏付ける発見が報じられたため、このテーマを選ぶ生徒が数名いました。しかし彼が最後に結んだように、この問題が解決されるのは楽しみでもあるが寂しい気もするというのは、古代のロマンを追い求める考古学ファンにとってはある意味で本音かも知れません。それにしても畿内か九州かでもめているのに、タイトルが「江戸」文字というのは中立的な配慮からくるものでしょうか?




アパルトヘイトについて






アパルトヘイトの問題を、「歴史的問題」、「黒人の子供達の食事問題」、「学校教育の問題」と多角的な側面から論じた作品です。アパルトヘイトは法律上廃止されたとはいえ、現実はまだまだ改善しなければならない点がたくさんあります。私自身今までこの問題を授業で取り上げようと何度も思いましたが、なかなか組立て方が難しく、実現できないでいました。ですから今回このテーマを選んでくれたことは本当に嬉しかったです。この生徒はアパルトヘイトについて論じたあと、現実の生活を振り返ってみて、いかに自分たちが贅沢な暮らしをしているか、そして我々は人種差別問題についての意識をもっと高揚すべきであると結んでいます。




海・川の汚染問題





我々が日常利用する水道水には、発ガン性物質が含まれています。こうした水道水の汚れの原因は河川の汚染にあるとして、具体的要因を分析しています。また、ヨーロッパの事例も取り上げながら幅広く論理を展開しています。背景は、一見南国の海を思わせるほどさわやかなブルーのグラデーションですが、これはきっと彼女の願いが込められているのでしょう。




世界の宗教文化






今回、大半の生徒が3Dの立体的な図柄を数多く取り入れている中で、この生徒は、タイトルを除けば全て2Dの平面的なデザインで上手にまとめています。文章を少なめにおさえ、単純な図形を組み合わせて仕上げたこの作品は実にわかりやすく、「現代社会」か「倫理」のテキストにでも使わせてもらいたいぐらいです。内容は、日本人の宗教観がうすれ、単なる習慣としてのみ宗教行事を行っているにすぎないという指摘に始まり、そもそも宗教というものはなぜ生まれたのか、近年のオカルトブームの背景にあるものは何か、そして世界の3大宗教の違いなどに言及し、見る側の立場を考えた親切な作品といえます。




学校って!?

〜不登校・いじめ〜






「学校ってどんなとこ?楽しいところじゃなかったの?」一瞬ドキッとさせるようなフレーズで始まるこの論文は、現代の不登校の問題に鋭くメスを入れた、示唆に富む作品です。「過剰な教育のもとでの教育の不在」といわれる今日、一人の人間として成長するために最も大切なことは何なのか。また一方で、それを妨げる、そして我々が避けることのできない現実とは一体何なのか。この生徒は「受験戦争」という不可避な現実を例に挙げて、教育が本来の姿を失い、少年犯罪、いじめ、自殺という悲しい現実を引き起こしていると指摘しています。木目調の背景に白抜きの文字という、暖かみあるデザインとは裏腹に、論文の中で使われている語句は、教師である私にとってはズキンとくるものが多く、反省させられることしきりでした。




環境汚染

〜見えない戦争の時代〜







深い緑のバックに白抜きの文字。この組み合わせがこんなにもマッチするものかとつくづく思わせてくれたのがこの作品です。現代は化学物質や放射能など見えにくい驚異によって「生命」が脅かされ続けています。そしてこれらを引き起こしているのが「経済効率」優先の国家体質であると彼女は指摘しています。クリップアートやワードアートをふんだんに使ったアクセントのあるデザインは、今回の授業において多くの生徒達が参考にするなど、彼女の作品がある意味で先駆的役割を果たしてくれたといっても過言ではありません。





メールお待ちしています
meikou@mail.dddd.ne.jp

次のページへ進む
一番上に戻る
ホームページに戻る