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准看護師とは?
看護免許の変遷−准看護婦の誕生まで:
戦前:産婆規則(1890(M23)年7月)、看護婦規則(1915(T04)年6月)、保健婦規則(1941(S16)年7月)と戦前はバラバラな法律だった。
国民医療法の制定(1942(S17)年3月):産婆、看護婦、保健婦は医師や歯科医師と並んで医療関係者と規定され、前記3規則も法的根拠をもつことになった。保健婦については1950(S20)年5月に新たな保健婦規則が規定されたが、産婆および看護婦については旧規則の内容を踏襲したまま1952(S22)年5月から施行されることになり、その際、産婆規則は助産婦規則に改められた。
保健婦助産婦看護婦令の制定(1947(S22)年7月):国民医療法に基づく委任命令として、保健婦助産婦看護婦令が制定された。(アメリカの占領下だった)制令の内容は、戦後の看護制度の抜本改正をはかるため、従来バラバラに規定されていた保健婦、助産婦、看護婦の制度を統合し、教育レベルを高め、国家試験合格、厚生大臣免許にするという画期的なもので、今日の看護制度の骨子となっているものである。甲種看護婦、乙種看護婦がつくられた。また男子も看護人として規定された。
保健婦助産婦看護婦法の制定(1948(S23)年7月):国民医療法が廃止になったため保健婦助産婦看護婦令も廃止され、その内容は『保健婦助産婦看護婦法』に引き継がれることになった。
准看護婦の誕生(1951(S26)年4月):議員立法により准看護婦制度が導入される。甲種・乙種の区別はなくなり、看護婦・准看護婦となった。
時代背景:1950年当時,女性の高校進学率はわずか36・7%であり、保助看法の制定時から看護婦不足に関する懸念が消えなかった。その一方、日本看護協会、全医労、国会議員らが旧規則看護婦の擁護に奔走、医師国会議員連盟を通じて日本医師会の要望が立法に反映することになり、准看護婦制度の成立を許してしまった。制度成立後も政策の中心が旧規則看護婦の擁護にあった。
*准看護婦制度に批判的な立場だが、占領下の日本で准看護婦制度ができた経緯は、ここ↓に詳しい。
保健婦助産婦看護婦法の立法・成立過程
どうして准看護婦制度はつくられたのか Acrobat(PDF)版
北里大学看護学部・田中幸子 『看護管理』 2001年1月号
法律では看護師と准看護師に「業務の範囲」の差はない
『保健師助産師看護師法』においては、看護師・准看護師の仕事は、この↓よう
に規定されている。看護師は厚生大臣が免許を与え、准看護師は都道府県知事
が免許を与える。
第五条 この法律において、「看護師」とは、厚生大臣の免許を受けて、傷病者
若しくはじよく婦(*褥婦=産褥期の婦人)に対する療養上の世話または
診療の補助をなすことを業(*仕事)とする者をいう。
第六条 この法律において、「准看護師」とは、都道府県知事の免許を受けて、
医師、歯科医師または看護師の指示を受けて、前条に規定することを
なすことを業とする者をいう。
褥婦:産褥期の婦人、産褥期は分娩後、母体が妊娠前の状態に回復するまでの期間
を言い、通常6〜8週間である。
業(なりわい=仕事):ふつうに考えると「業」とは「その仕事に就き、何らかの
報酬を得ること」と解釈されるのが妥当であろうし、商法ではそう解釈さ
れているようだが、この法律の場合は報酬を得なくても、その行為自体
が禁止されている。
参考: 日本看護協会 より 保健師助産師看護師法 (PDF版)
保健婦助産婦看護婦法 (別サイト、婦→師、女子→者に変換)
看護師と准看護師のちがい:
1.看護師は厚生大臣が免許を与える「国家資格」であり、准看護師は都道府県
知事が免許を与える資格(*都道府県境を越えて移動しても有効)である。
2.准看護師も「医師または歯科医師の指示」を受ければ、看護師との間に業務
の範囲に差はない。
准看護師に対する「差別」はあるか?
准看護師を「差別」しているのは厚生労働省と看護師会ではなかろうか?
1.厚生労働省は診療報酬(病院や診療所に対する支払い)において、看護師
の比率に注文を付けたり、支払額に差をつけている。これが無くなれば医療
側の給与面での差別は解消する方向に行くと思う。
2.准看護師から看護師への移行教育の進展が見られないのは、看護協会の
反対によるところが大きい。(日本医師会は反対していない)
3.介護保険の発足に際し、厚生省はケアマネージャー制度を創ったが、看護婦
の合格率(60%以上)に比べると准看護婦の合格率は10%程度と、非常に低
かった。厚生省は試験の合格基準を何ら示さず、説明もしなかった。
4.准看護師の昇進に関しては、准看護師が看護師に指示・命令できるか?と言
う問題があると思う。事故や患者からのクレームがあった場合、「何も問題は
ない」と言い切れないだろう(法律上)から、管理職につけ難いと思う。法律が
変われば(6条の「看護師の指示」が削除されると)医療側の問題は解決する
だろうが、看護協会が阻止に動くだろう。
准看護師の数は?
制度の発足以来、約100万人が免許を取り、現在は全国に約40万人が働き、毎年約3万人が養成されている。准看護婦免許を取ってから更に進学し、看護婦免許を取った人達も多かった。
*今後、追加して行く予定。
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