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准看護婦問題−マスコミの反応は?
医療ミスは看護職の教育レベルと関係があるか?
准看護婦(*当時の呼称)の教育レベルを問題にされ、大きく報道されたのは、北海道名寄市、名寄市立総合病院の「准看護婦試験に合格したばかりの看護助手が牛乳を点滴して患者が死亡した」と言う医療ミスであった。
オリジナル記事が見つからないので、読売新聞97・12・02の「医療ルネッサンス」から引用するが、常識的に考えて見れば「牛乳を点滴するというのは看護レベルの問題ではない」と思う。そんな事は、医学的な知識があろうが無かろうが、誰でも解っていることであり、看護教育を2年(准看護婦の条件)から3年(看護婦の条件)にすれば解決できる問題ではないのは明かである。しかし、マスコミは、看護協会のアッピールもあり、このネタに飛びついた。
今ではnetでは見つからないが「看護婦が牛乳を静脈内注射した事故は、大学病院でも起きている」のであり、これに類する「流動食を点滴して患者が死亡する」と言う事故も、2000年に札幌市内の病院でおきており、これも「看護婦」である。
googleで検索、google「医療ミス*看護婦」すれば、5210件と表示される。これに対し准看護婦で検索すればgoogle「医療ミス*准看護婦」、203件である。
googleは、書籍などもピックアプするため、検索数がそのまま事故数に繋がる訳ではないが、5000:200と言う数字は、看護婦と准看護婦の人員、70:40(万人)を考慮しても、14:1になり「医療ミスは圧倒的に准看護婦よりも看護婦の方が多い」と言う事を示唆している。実際、このところ報道される医療ミスは圧倒的に准看護婦よりも看護婦の方が多い。
看護婦の方が医療ミスの報道が多い原因として考えられる理由は
1.大病院が医療ミスを発表するようになった。
中小の民間病院や診療所レベルでは、医療ミスを表面に出さない。
2.大病院の方が実際に医療ミスの発生が多い。
高度化した医療、操作する機器の進歩、患者も重症が多い。
などがあげられるが、診療所側に立てば、この↓ような考えもできる。
3.大病院の方がICUや手術場など閉鎖空間がより多いため、表面化しにくい。
4.大病院の方が患者や家族に圧力をかけたりしやすい。
例:東京女子医大の心臓手術ミス、東京都東部地域病院の小児死亡問題。
5.診療所レベルでは、小人数なので、院長や婦長、事務長が各職員の能力や
特性を把握しやすいため、事故を未然に防ぐ努力をする。
考えるだけだと、理由はいろいろあるが、統計的な数字はほとんど皆無に等しいために実際にはどうなのか?は解らない。報道された医療ミスのいくつかを例示した。
転換期の看護職
看護力を引き上げ、医療過誤の根絶へ
読売新聞 97・12・02 医療ルネッサンス
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/renai/19971202sr11.htm
厚生省の准看護婦問題調査検討会は、「医療技術の進歩に伴う看護の質の向上」「在宅ケアの中核的な役割を果たすべき診療所で働く看護職員の資質向上」と、将来の看護業務には、看護教育のレベルアップが不可欠であり、そのためには准看護婦養成制度を改め、看護婦養成に一本化すべきだとしている。
◇落ちた看護のレベル
北海道名寄市では、一つの医療過誤事故がきっかけとなって、看護教育の見直しに取り組むことになった。
事故は1990年3月25日、名寄市立総合病院で起こった。男性患者(86)に、病院付属准看護婦養成所を卒業したばかりで、准看護婦試験には合格したが、免許交付前の看護助手(20歳)が、量をはかるため注射器に入れた飲用の牛乳を手渡されたので、誤って点滴を通して血管に注入、死亡させてしまった。
事件直後、北海道看護協会は、名寄市に「医療ミスを防ぐには、看護婦教育の充実を図るべきだ」と、病院付属の准看護婦養成所を看護婦養成施設に転換するよう要請した。当時、日本看護協会の理事だった吉田京子・市立名寄短大看護学科教授は、その要請に立ち会った。「医療過誤というより看護過誤で、ここまで看護力が落ちているのかとがく然とした」と当時を振り返る。
事故の際、看護婦長を務めていた同病院の真島若子総看護婦長も「当時の患者さんには申し訳ないが、あの時いた看護婦は、本来の看護を知らなかった。事故から半年ぐらいは、多くの看護婦が事故の悪夢から逃げるため『自分のことではない』と、言い聞かせて仕事していた」と話す。
名寄市、病院を挙げて事故の根本原因をさぐる調査が行われ、「看護婦、准看護婦の資格が明確でなく、全体として看護力が落ちていた」(真島総婦長)ことが指摘された。
地域の中核病院として信頼を取り戻すためには看護力の引き上げが急務とし、ちょうど名寄市立短大の学科新設案があったことから、准看護婦養成所を廃止し、看護学科を設置することになった。
実習病院となる名寄市立総合病院の看護レベルのアップを図るため、教育関係では吉田教授が、病院については当時旭川市立病院の総看護婦長で、看護技術と看護婦教育で高い評価を受けていた武田幸子さんが招へいされることになった。
◇病院あげてミス防止
吉田教授は「看護婦にとって何にもまして患者が第一。その患者に何が必要か。看護のにおいをかぎ取ることが重要」と、学生を徹底的に教育し、病院に送り込んだ。「目的意識を持った学生が実習に行くと、現場の看護婦はぼやぼやできない。現場を変える要因の一つになりました」
一方、病院では、武田さんが「自分の役割認識と責任の自覚」を看護職員に求めるとともに、当時、7対3だった准看護婦と看護婦の比率改善に努め、97年4月の退職時には4対6と逆転させた。
「すごく大変でしたね。例えばどんな小さなミスでも、事故報告書を出すことにし、病院長までも含めて原因・防止策を話し合う。情報を公開することで、常に第三者の批判を受けるようになり、緊張の連続だった」と、真島総婦長。そのかいあって、「年々、事故やミスが目に見えて減少してきた」(久保田宏病院長)という。
「この病院の看護婦にとって、あの事故はずっと背負って行く教訓です」。真島総婦長は重い表情で反省の思いを語った。
こんな苦難の中、うれしいこともある。事故を起こした看護助手は辞めたが、彼女に指示を出し、責任の一端を負うことになったベテラン准看護婦が、現在も勤務していることだ。理由は「看護婦が好きだから」。
流動食点滴し死亡 72歳男性に看護婦ミス
警察にも届け出ず − 札幌の病院
毎日新聞 00・03・21 Mainichi INTERACTIVE 科学環境ニュース
札幌市中央区の中村記念病院(中村博彦院長)で1998年1月、男性患者(当時72歳)が看護婦のミスで流動食を点滴されて死亡し、警察に届け出ていなかったことが20日、分かった。毎日新聞の取材に対し、病院側は事実関係を全面的に認め、事故を改めて警察に届け出るという。
関係者によると、死亡した患者は末期癌で、97年11月3日に中村記念病院に入院した。意識障害などで食事を取れなかったことから、鼻から入れたチューブで液体状の流動食を取っていた。98年1月13日朝、看護婦が点滴の際に誤って流動食を注入。患者の容体が急激に悪化し、直後に急性呼吸不全で死亡したという。
病院側は看護婦のミスと死亡との因果関係を認め、遺族に事情を説明するとともに謝罪。損保会社に医療事故として届け、遺族に対して保険金を慰謝料として支払った。しかし、医師法に定められた警察への届け出義務は怠っていた。病院関係者は「看護婦が20歳代と若かったので、遺族の意向もあり、届け出なかったと聞いている」と話している。
中村院長は「遺族には誠意をもって説明し、納得してもらった。警察に届けるなと指示したことはなく、隠す意図もなかったが、届けなかったのは確かにまずかった。これから届け出を行いたい」と話している。
中村記念病院は67年3月に開業。ベッド数672床で、脳神経外科の分野では北海道を代表する病院。
止血剤を静脈に注射 胃潰瘍の患者死亡
読売新聞 1996・08・08
山形県酒田市の県立日本海病院(一柳邦男院長)で、外科病棟に入院していた酒田市内の50代の男性患者が、経口薬の血液凝固剤を誤って静脈注射されたためショックを起こし、意識不明の重体に陥っていることが8日、分かった。この日、一柳院長らが記者会見して明らかにしたもので、病院側は全面的にミスを認めている。この患者には回復の見込みがなく、今後は自分で呼吸が出来ない植物状態や脳死状態になる恐れもあるという。
一柳院長の説明によると、この患者は7月17日、冠動脈硬化のためバイパス手術を受けた。手術後の容体は良好だったが、十二指腸潰瘍(かいよう)で7月31日に吐血したため、担当医は胃カメラで経口薬の血液凝固剤「トロンビン」を潰瘍周辺に散布した。その日の夜もトロンビンを服用させるよう看護婦に指示していたが、夜勤の看護婦が誤って5ccを静脈注射してしまった。
このためショック状態となり、心臓が停止。緊急そ生措置で約30分後に心臓は動きだしたが、脳血管に凝固血液が詰まり低酸素性脳症で意識不明になった。
病院側が事情を聞いた結果、この看護婦は、引き継ぎ書に記された、トロンビンの服用を示す「1V」(*1バイアル)を、静脈内注射を表す「IV」(*アイブイ)と読み違えていた上、容器のラベルなど4か所に印刷されている「禁注射」の注意書きを見落としていたことが分かった。
一柳院長は記者会見で「注意書きを見落とすことは通常は考えられず、おわびのしようがない」と話している。日本海病院では今年(96年)1月にも、大腿部骨折の手術中に血液型を間違えて輸血し、女性患者を死亡させる事故があった。
共同通信 1996・08・30
コメどころ庄内平野の中核病院として山形県酒田市に3年前開設された県立日本海病院(一柳邦男院長、528床)。96年1月、7月と単純な医療ミスが相次ぎ、1人が死亡、1人が重体に。山形県は「かばい合いを捨ててほしい」と医療関係者による検討会に異例の呼び掛けをし、院長らを戒告処分にした。病院では「最良の防止策は何だろう」と職員らが自問自答の日々を過ごしている。
96年1月の事故では、当時76歳の女性が手術中に誤った血液型の輸血を受け、4日後に死亡。血液型を2人で確認する基本が守られず、医師と看護婦が書類送検された。
その後院長自ら「完璧なマニュアル」を作り上げ、現場での研修会に取り組んできた矢先の7月31日、事故が繰り返された。準夜勤の看護婦が医師の指示票を読み間違えて飲み薬の止血剤「トロンビン」を50代の男性の静脈に注射し、男性は意識不明の重体になった。瓶の4カ所にある「禁注射」の文字も見落としていた。
1月は看護学校を出て3年目、今回は2年目の若い看護婦。薬を取り出し、注射器に詰め、容器を捨てる各段階で、薬と指示票を照らし合わせるという大原則が守られなかった。「国家試験を通れば、一定のレベルに達していると考えていた。禁注射とある飲み薬を注射しないように指導するのは赤信号を渡るなと言うようなもの」。小野ミチ子総看護婦長はこう言って戸惑いの表情を浮かべる。
しかし、経験のある看護婦の中には「トロンビン」は「(瓶入りで注射薬と間違えやすい)嫌な薬」との声もあり、ミスを避けるため注射担当と投薬担当を別にするなどの工夫をする病院も多い。
長年、各地の医療過誤問題を追跡してきた薬害・医療被害情報センター(神戸市)の水間典昭事務局長は「指示票は日本語で書き、引き継ぎは複数の看護婦同士が読み上げ、復唱する。二重三重のチェックがなければ、事故はなくならない」と話している。
看護婦の点滴ミスで患者死亡
スポーツニッポン 2001・05・03
http://www.sponichi.co.jp/society/kiji/2001/02/05/03.html
全国で治療ミスが続出し、仙台市の筋弛緩(しかん)剤点滴事件が起きるなど医療に対する信頼が揺らいでいる中、今度は三重県松阪市で、点滴で薄めるべきカリウム剤を直接注入、患者が死亡する事故が起きていたことが4日分かった。三重県警松阪署は4日までに業務上過失致死の疑いで看護婦2人を書類送検した。
今回のミスは、現場看護婦が担当医の指示通りに点滴しなかったという極めて初歩的なもので、書類送検されたのは、松阪市民病院(水本竜二院長)の主任看護婦(55)と看護婦(31)。松阪署の調べや病院側の説明によると、2000年10月10日、肺炎などを患い、入院していた高齢の女性患者の心機能を維持するため、担当医がカリウム剤30CC(*30mEq)を点滴するよう主任看護婦に指示。主任看護婦は他の病室での看護時間と重なるなどしたため、部下である看護婦に点滴を任せた。
担当医の指示は、カリウム剤を点滴パックの栄養液で薄めて注入する(*高カロリー輸液剤に混入する)というものだったが、この看護婦は10日午後5時ごろ、カリウム剤をアンプル3本分(1本10CC)注射器に取り、パックと患者をつなぐチューブの途中にある投薬口から直接注入してしまった。
女性患者はその直後から脈拍が低下するなど容体が急変し、6時ごろ一時回復したが再び急変、担当医らが心臓マッサージをするなどしたが、9時50分に死亡した。死因は肺炎だった。病院側は女性患者が一時回復した時点で、家族に対し、担当医の指示通りではない点滴ミスがあったことを認めており、死亡から約1時間後の11時ごろ、松阪署に届け出た。
点滴の種類や量、具体的方法などについて、担当医は通常、看護婦に対し口頭のほかに「指示簿」で指示する。病院側によると、「指示簿」には「カリウム剤を点滴パックで薄めること」が明記されており、主任看護婦は看護婦に「指示簿」を手渡していた。しかし、口頭による伝達はなかったという。
捜査に着手した同署では「患者が高齢ではあるが因果関係がないとはいえない」として主任看護婦と点滴をした看護婦を書類送検した。女性患者は別の病院で治療を受けていたが、00年9月中旬に市民病院に転院。自分で食事を取れない状態だった。
市民病院は総婦長の下、婦長10人、主任看護婦16人がおり、その下に准看護婦も含めて約180人が医療に従事している。
▼医学博士・河野孝旺氏 (鎌倉・杏林堂クリニック院長)指示簿を渡していても口頭による注意事項の伝達がなされていない以上、主任看護婦が看護上の注意義務違反で過失に問われるのは仕方ないことだろう。一方、点滴をした看護婦については、指示内容とは別の次元で、カリウム剤30CCを直接注入すれば、患者の容体がどうなるかの知識は持ち合わせているはず。
★過去の点滴ミス死亡事故★
90・03 北海道名寄市立総合病院で、准看護婦が胃かいようの男性に牛乳を点滴
96・01 富山県の公立井波総合病院で、准看護婦がペニシリンアレルギーの男性にペニシリン系薬物を点滴
99・02 東京都立広尾病院で、女性患者に消毒薬を点滴
00・04 神奈川県の東海大病院で、看護婦が1歳の女児に内服薬を静脈に点滴
00・12 福島県の公立相馬総合病院で、鼻から入れるべき止血剤を出血性胃潰瘍の男性に点滴
点滴直後、患者死亡 業過致死容疑
看護婦2人書類送検 三重・松阪
読売新聞 2001・02・04
http://chubu.yomiuri.co.jp/ika/iryo010204.html
三重県松阪市の松阪市民病院で、00年10月、入院していた市内の女性患者(95)が、看護婦の点滴を受けた直後に死亡していたことが分かった。三重県警松阪署は、看護婦2人を業務上過失致死の疑いで津地検に書類送検したが、「点滴の影響は考えられるものの、死亡との因果関係は分からない」としている。
送検されたのは50歳代と30歳代の看護婦、松阪署や病院などによると、50歳代の看護婦が、00年10月10日、肺炎で入院した患者にカリウム剤アンプル二本を点滴するよう医師から指示された。この看護婦が忙しそうだったため、三十歳代の看護婦が代わって点滴をした。
医師は点滴液に薬剤を先に混ぜてから点滴するよう指示していたが、看護婦は点滴の薬剤注入用の管から、注射器を使って注入したという。その直後、容体が急変し、応急措置をしたが、死亡した。死因は肺炎だった。カリウム剤は一度に注入すると心不全を起こすことがあるとされ、同病院は同署に届けた。鈴木正一・同病院事務部長は「医師の指示通りではなかった部分があった」と話している。
東海大病院の点滴ミス、
看護婦を業過致死容疑で書類送検へ−神奈川県警など
http://www.mainichi.co.jp/eye/feature/details/science/Medical/200004/12-2.html
Mainichi
INTERACTIVE 科学環境ニュース 2000・04・12
東海大学医学部付属病院(神奈川県伊勢原市)で入院中の1歳6カ月の女児が誤って内服薬を点滴され死亡した事故で、神奈川県警捜査1課と伊勢原署は11日、事故は担当看護婦(23)による単純なミスという見方を強め、関係者の聴取や死因が確定し次第、この看護婦を業務上過失致死の疑いで書類送検する方針を固めた。一方、神奈川県は同日午後、職員5人を病院に派遣して立ち入り調査し、谷野隆三郎病院長ら病院関係者から説明を求めた。
これまでの調べでは、看護婦は当直明けの9日午前8時45分ごろ、女児にシロップ状の気管支拡張剤など7種類の混合薬(約5CC)を投与した。この際、本来は左腕にテープでとめられていた鼻に通じる内服薬用のチューブに投薬するところを、誤って右腕にとめられていた点滴用のチューブに投薬した疑いが持たれている。看護婦と病院側もこのミスを認めているという。
内服薬と静脈用の注射器が間違えやすいという声が以前からあり、同病院は昨年10月、内服薬には赤色の注射器を使用するよう対策を取っていた。県警は、内服薬の投与は看護婦の職務責任の範囲内であり、病院が赤い注射器を使用するなど事故防止策を取っていたことなどから、看護婦のミスと判断している。
一方、県警は11日午後、女児の遺体を司法解剖した。死因は特定できなかったが、異物が混入したことによる血液の凝固が認められたという。引き続き検査し、死因の特定を急ぐ。
都立広尾病院長、辞職へ
看護婦ら10人を処分−消毒液誤投与・患者死亡
http://www.mainichi.co.jp/eye/feature/details/science/Medical/199910/09-3.html
東京都渋谷区恵比寿の都立広尾病院で99年2月、患者が誤って消毒液を投与され死亡した事故で、都は10月8日、「明らかな過失があったほか、事故後の対応に適切を欠き、遺族の不信を増幅した」として、誤って別の患者の注射器と取り違えた看護婦を停職2カ月、病院長を停職1カ月とするなど、職員計10人を処分した。院長は10月8日付で辞職願を提出し、受理されたため、停職処分後に辞職する見込みだ。都の医療機関での処分は初めて。
東京都によると、2人のほか、注射器の中身を確認せずに投与した看護婦や病院看護部長、主治医、事故後の対応を指導し警察への届け出の遅れを生んだ衛生局病院事業部長(当時)の4人を戒告とし、当時の病院幹部2人を訓告、病院事務局長と婦長の2人を口頭注意とした。また、すでに退職した前衛生局長から減給(5分の1)1カ月の相当分が返納された。
処分を発表した総務局幹部は「従来の医療事故とは違い、刑事処分を受ける可能性が高い」と事故の重大性を語った。また、石原慎太郎知事もこの日の定例会見で、事故を生んだずさんさとともに、遺族への対応の不親切さを改めて陳謝し、「二度とこうしたばかげたことが起きないよう最大限の努力をする」と強調した。
都立広尾病院では2月11日、整形外科にリウマチ治療のため入院中の患者が点滴後に死亡。看護婦が投与するはずの血液凝固阻止剤の入った注射器を消毒薬入りの注射器と間違えて用意し、別の看護婦が投与したとして、警視庁が業務上過失致死の疑いで捜査している。
医療ミス「あわや」25件も
点滴事故直前、対策たてたが−都立広尾病院
Mainichi
INTERACTIVE 科学環境ニュース 99・04・01
http://www.mainichi.co.jp/eye/feature/details/science/Medical/199904/01-1.html
入院患者が点滴直後に死亡する事故が起きた東京都立広尾病院(渋谷区)で、事故前に患者の取り違えや投薬ミスなどにつながりかねないケースが25件報告されていたことが、31日分かった。院内のアンケートで判明したもので、同病院ではこれを受けて事故の1週間前にそれぞれの問題について対策をまとめていた。警視庁捜査1課と渋谷署は、こうした予防策が周知徹底されていなかったことが事故につながった可能性があるとみて、関係者の事情聴取を進めている。
アンケートは、横浜市立大付属病院で患者取り違え手術が起きたことを契機に1月下旬、実施された。対象者は同病院内に置かれている「医療事故予防職場委員連絡会」(会長・田中伸内科医長)メンバーの医師や看護婦計42人。
調査結果によると、同病院ではこれまでに手術時に患者を確認するベッドの名札を付け忘れたり、別の患者のカルテで診察しようとしたケースなどが25件あった。いずれも看護婦らがその場で気づき、事故には至らなかったという。
調査結果は2月4日に開かれた連絡会で報告され、メンバーが「人違い事故の防止策」などのテーマで議論を重ね、手術時に複数の看護婦で患者が本人かどうか確認するなどの具体策がまとめられた。この中には点滴の際の事故防止策も盛り込まれ、点滴薬液の入った注射器には患者名を書くことが決まったという。
しかし、1週間後の2月11日、入院患者の千葉県浦安市の主婦(58)が点滴を受け、死亡した際、薬液の計量に使われた注射器には患者名が書かれていなかった。同病院の福島勝二郎事務局長は「職場に周知させる前に点滴事故が起きてしまった」と説明している。
これまでの調べによると、主婦は2月10日に同病院で手術を受けた。翌日点滴を受けたが、その直後に容体が急変、死亡した。
◇判明した医療事故につながりかねない事例
▽患者に投薬する際、処方せんの処方日、患者の氏名などを確認しなかった。
▽患者のカルテが本人のものと違っていた。
▽患者をフルネームで呼ばなかったため、同姓の患者が聞き違えた。
▽手術室に患者を搬入する際、本人と確認するためのベッドの名札を忘れた。
▽診療待ちの際の呼び出しで、患者が自分に似た名前を聞き違えた。
▽高齢者や病状が重い患者から本人だと確認する返事がもらえなかった。
▽患者を他の診療部門に送る際に確認が不足した。
▽主治医が不在で患者を確認しなかった。
内服薬を点滴ミス死亡事故
遺族が東海大病院側と示談
毎日新聞
01・04・19
東海大医学部付属病院(神奈川県伊勢原市)で昨年2000年4月に起きた点滴ミスによる菅俣笑美ちゃん(当時1歳6カ月)の死亡事故で、両親が19日会見し、病院側と示談が成 立したことを明らかにした。父親の弘道さん(33)=同県平塚市=は「他の医療機関が事故を隠す中、何はともあれ認めてもらった。再発防止の努力もしている。こういう解決法があることを他の医療機関にぜひ知ってほしい」と語った。
事故は昨年4月9日、当直明けの看護婦(当時23歳)が、内服薬を誤って笑美ちゃんの点滴用のチューブに入れて死亡させた。両親らの説明によると、病院側が今後の事故防止の努力を誓い、示談金の支払いに応じた。病院側は、再発防止のため、投薬ルートごとに色分けしたテープを巻き、誤って接続しないよう大きさや形を変えた用具を導入、事故の起きた小児科病棟で実際に使う病床数を減らした。事故の起きた4月9日を「医療安全の日」とし、谷野隆三郎院長が医療事故に関する患者の相談先となる第三者機関の設立に向け努力する考えも示したという。
厚生省(当時)も昨年8月、チューブなど投薬用の医療器具の接続部分の形や大きさを変えるよう新たに基準を作った。母親の文子さん(38)は「娘の死が無駄にならなかった」と振り返った。
谷野院長は「心から謝罪を申し上げたい。示談した遺族の寛大さに深く感謝したい。遺族の気持ちに報いるためにも医療安全の確立を目指して努力したい」とコメントした。
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