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なぜ准看護師を養成する学校が必要なのか?



日本には約110万人の看護師・准看護師(看護師約70万人、准看護師は約40万人)がいるが、高齢化社会の進行でますます需要は高まっている訳なので、その養成機関の役割を考えてみよう。


私たちの住むH県内に看護系の大学としては、国立1(2003・03最初の卒業生が出た)、県立1,私立2、合計4学科ある。
看護系大学リンク:http://www.shinsemi.ac.jp/link/link11.html

また看護師を養成する看護専門学校は、国立病院、赤十字病院、済生会病院などに付属するものや、市立、医師会立など、合計12校ある。
看護専門学校リンク:
http://www.tokyo-ac.co.jp/med/m0-32nishi.htm

これらのほかに短期大学看護学科(3年間)などもあり、H県には03(H15)年4月現在では、41ヶ所の看護職員の養成機関(高等学校・大学を含む)があり、恵まれている方であるが、H県の需給見通しでは数年後には不足すると予想されている。

H県は人口約180万人であり、看護業務に従事しているのは約23,000人であるが、今後は出生率の低下による児童数の減少などから、新たに看護職員となる人材の確保は大きな課題となっている。H県では2000(H12)年度に看護職員の計画的かつ安定的な確保を図るため、2001(H13)年から2005(H17)年までの「看護職員需給見通し」を国と県で策定した。これによるとH県では、05(H17)年には25,500人の看護職員が必要とされており、約600人の看護職員が不足すると見込まれている。(H県サイトより)

私達の住んでいるのはH県の、人口約37〜38万人のP市、そのP市の人口8万人ほどのQ地域であり、Q看護専修学校は地域に2つある医師会のひとつ(会員が多いほうの医師会)が設立している。そしてQ医師会に所属する医療施設で働く看護職の40%がこの看護学校の卒業生である。・・・Q地区のもうひとつの医師会Q2医師会に看護学校はないため、そちらからも入学している。

*参考:P市内には、医師会が設置していた看護学校(准看師養成学校)が3校
     
あったが、2校が既に廃止され、残ったのは当地の1校のみである。

地域の医療を考えた場合、この看護学校の果たしている役割は大きく、近くにP市立短期大学があるため、医師会はP市立短期大学看護科への移行をP市に働きかけているが、P市の財政難を理由に実現していない現状では、この学校を存続させるべきであると大部分の医師会員は考えている。

また、P市立短期大学への移行を請願する署名運動には、参議院選挙などの4〜5倍の署名が集まる事から見ても、地域住民が看護師養成施設の必要性を深く理解している事が解るのである。



看護師の供給と地域の社会状況
女性が働く場を求めるのは、結婚前も結婚後も自宅から通える範囲が多くなるし、結婚すれば夫が転勤に応じて移動する事になる。特に夜勤がある看護職は自宅から離れたところに就職するには困難が伴う。

そうすると、
看護職に結婚後も働く場を提供するために重要なのは「その地域に男性が働く場所があるか?」と言う事になるが、残念ながらQ地区は「繊維の町」であり「女性の町」であったため、男性の働く場は(相対的に)もともと少なかったし、繊維産業が中国など海外に市場を取られた今になれば、若い女性の働く場も少なくなり、高齢者が残されていると言うのが現実である。

こう言う状況は日本全国に数多く存在すると思うが、こうなると地域に看護職の養成施設を設置していなければ、地域の医療環境は悪化すると思われる。


准看護師を養成する学校の存在価値

1.恵まれない環境にある人達に道を開いている。
当院がオープンしてから、採用した准看護師について振り返ると、できの悪い人もいたのだが、様々な理由から、能力があっても進学できず、やむを得ず准看護師の道を選択した人達もいた。

母親が病気になり、可愛がっていた彼女を手元に置きたいため、進学させて貰えなかったBさん、経済的な面で進学できなかったCさん、Dさん、彼女たちは環境さえ提供すれば、周囲も驚くような変身を見せてくれた。

2.社会に出た後、再出発して看護を志す人達に道を開く。
ある医師会員の先生(診療所の院長)が医療事務要員を1名募集したところ、40人を越える応募があったが、30代の女性、離婚した女性が多かったそうである。

新卒学生が最初から看護の道を選ぶのも良いが、女性が社会に出てから、考えを変え〜そうせざるを得なくなり、新たな進路を目指す場合を考えると、3年間の看護専門学校に比べ、働きながら通える准看護師養成学校は、より手の届きやすいところにある。

看護師養成課程にも大卒や短大卒の女性達が応募する時代になったが、当地の看護学校にも短大卒などが増え、よりレベルアップしている。


3.看護職には様々な人生を有する人達があって良い。
患者さんは様々な人生を背負いながら生きて来ているし、年齢、学歴や生い立ちなども様々である。その患者さんに接する医師は大部分、恵まれた医師の家庭に生まれているし、小さい頃から「優秀な子」として育てられている。

15〜55歳の死因として全ての「癌」より多い「自殺」(年間約3万2千人もある)を考えてみれば、悩んでいる患者には恵まれた環境で育った医師よりも、看護師の果たす役割は大きいだろう。

患者の悩みを聞いたりするには、看護師の役割は大きいが、学費を親に負担して貰いながら大学や短大、看護専門学校を卒業した人達よりも、働きながら学び、免許を手にした人達の方が、人生を悲観した人達に接するのにはより適切だろう。

この面から見れば、看護教育には様々なルートがあって良いと思う。