ファスティング Fasting

ファスティングとは、アントニオ猪木が推奨するダイエット法。
小川直也が脅威的な肉体改造に成功したのも、猪木が専門医に頼みこれを行ったからだ。
小川が猪木の引退試合の対戦相手を決めるトーナメントに出場した時、
このままではいけないとファスティングに踏み切った。
130kgの肉体は柔道ではよくても、無酸素運動の要素が多い総合格闘技には対応できない。
高度な筋力、筋持久力、瞬発力、柔軟性を備えた格闘家になるため体を絞り、
さらにまた筋肉を強化する必要があった。

現在、橋本真也が肉体改造に取り組んでいることは周知の事実。
小川に再三再四に渡り敗北し、猪木にそのアドバイスを求めた時のこと。
猪木は、小川に勝つには橋本のアンコ型体形では無理だと断言した。
「橋本の肉体には、悪いエキスが溜まっている。それを出さないと駄目だ!」
そこで橋本は、皮肉にも小川と同じダイエット法を実行することとなる。
ただ、橋本は当初、そのムチャな性格が祟って上手くいかなかった。
断食も、決められた日数以上行ったりして、脂肪と同時に筋肉も落す始末。
いくら肉体を改造したいと思っていても、急激な変化を求めると
かえって失敗するという悪い例を身を持って示してくれた。

しかし、その後の橋本の努力と執念の結果は見ての通りであった。
小川相手に結果には結びついていなくても、あの絞られた肉体と俊敏な動きは、
明かに以前の橋本にはないものであった。
橋本真也がこれまでレスラーとして歩んできた道程を振りかえると、
果たしてダイエットする必要があるのか、という疑問は残る。
実際、減量に取り組む橋本に対し、冷たい意見もあるはず。
しかし、橋本は小川直也に勝つことしか頭にないのだ。
今までも栄光を捨て、パワーで圧倒するレスリングスタイルを一時捨ててまで、
肉体改造して小川の土壌で真の勝利をもぎ取るために橋本は必死だった。
結果は負けでも、その姿にこそ橋本真也の真髄を見た。

それでは、ファスティングとは一体どういうことをするのか?
ファスティングとは、トレーニングと食事の改善をし、筋肉を落さず減量する方法である。
食事、行動修正、トレーニングの3つを見直すことで、闘う体を目指すのだ。

まず、1週間の断食から始まる。
ただし、全く何も口にしないのではなく、必要最低限のエネルギーを摂るために、
熟成させた野菜の発酵ジュースを飲む(Fasting Diet:市販で売っている)。
これを一日3回飲み、断食を続けることによって、細胞レベルで
肉体の『食べたい』意識をリセットできる。
いくら食事を減らしても、細胞が以前に沢山食べていたことを覚えていて、
いくら痩せても細胞はもっと食べろと誘惑する。
それを断ち切るために、1度からだの中を空にし、それをリセットする。
そのため、ファスティングすると、食べたい衝動が抑えられるようになるのだ。

そうやって、1週間実行した後、初めて食事制限を実行していく。
大切なのは、量の多い少ない以上に栄養のバランスに気を遣うこと。
欠けている栄養素があると、細胞は必要な栄養素を満たそうとして、
余分なものまで吸収するようになる。
食事だけでは栄養を摂るのは難しいので、サプリメントを補うようにすることが肝心。
ビタミンはもちろん、マグネシウムや糖代謝に寄与するカリウム、タウリンも不可欠。

そうして肉体の内部から改造していき、トレーニングをやっていく。
小川直也は最初の一週間で7kg、一ヶ月で15kg痩せた。
現在は、130kgあった体重も、110kgにまで落ちた。
橋本もこれに続き、是非肉体改造の面でも小川にリベンジして欲しい。