『互いの人生に拍手を贈ることの出来る仲間』

バリ作のメール 1999年 7月29日 3:41 より


バリ作は今日 ラジオインドネシアRRI のスタジオで
録音してきました。 その詳しい様子はまた 宴会などで
報告したいと思っておりますが・・・・
(泉さん、山本さん 宴会アレンジありがとうございます
大変恐縮しております)

録音した番組というのはアネカインドネシアというものです。
17日に催した我コンサートの録音と僕のインタビューで構成され
約15分ずつで 2回分の録音でした。
放送は8月4日と11日とのことです、夕方6時からかな、由美さん?

で予め インタビューの質問を何点か頂戴しておりました。
バンドの結成時期とか歴史といった普通に予想される質問以外に
こんな質問が入っていました。

どうして 初心者があんなに上手に演奏出来るようになるのですか?
バンドが一つにまとまっていて とても楽しそうだったのですが
どうして一つにまとまることが出来るのですか?
まるで大家族のようですね?

実は、帰国するころになって こういう種類の質問 たとえば
ジャカルタ新聞 華子さんからの どうしてジャズなんですか?
など・・・を頻繁に頂くようになって 僕自信 いつも以上に
真剣に考える機会が ここんとこ たくさん ありました。

そして 一つの答えとして
『互いの人生に拍手を贈ることの出来る仲間』
というのが今朝 出てきました。

『互いの人生に拍手を贈ることの出来る仲間』
全ては それ から始まっている。

個人間の本当のお付合いは互い(の存在)を認めあうことから始まります。
互いを認めあう というのは 互いの人生を認め合うということでも
ありますよね。
老若男女もちろん子供たちも含めて全ての人に人生があって
それを語り 聴くことから お互いの人となりを知り やがて
すこしずつ信頼という芽が育ってゆくように思います。

みんな自分の存在をなんらかの形で認めて欲しいって
思ってますよね。 一人では生きてゆけない とも言いますよね。
僕? もちろん自分のこれまでの人生を知ってもらえればと
思いますし。なにより それを認めてもらえればと思っています。

優劣を言うのではなく、認めることからはじまります。
自分とよく似たページ、全く違うページ、驚くようなページを
拝見して 違う人生のあることをまずは知り、認め
それは次第に尊敬に育ってゆく。
けっして二つの人生を送れないのだから
他の人の人生を知ればそれを 尊び 敬う 気持ちは
自然に生まれてくる。
(これは個性の時代 というものの根本でもありますね)

尊び 敬う気持ちは 拍手 という気持ちの良い
アクションに代表されます。

人の人生に心から拍手を贈ることは 簡単には
出来ないことです、でもそれを自然に、なぜか自然に
やらせてくれるのが 愛するギャラクシーです。

尊び 敬う気持ちは とても自然に 互いの信頼に繋がります。
残念ながら?、自分を尊び 敬ってくれている人を裏切ることが
出来るようには 人間つくられていないようです。

これは全くの推論ですが、
実はジャズという音楽の中に この
『互いの人生に拍手を贈る』 という
光? 遺伝子のようなものが埋め込まれている
ような気がしています。
(まあ これは若年寄りバリ作の推理です)

塚本元コンマスは「アマチュアバンドで大切なことは
『誉めっこ』だ」 と言ってはりました。
『誉めっこ』は『互いの人生に拍手を贈る』 ための
練習かも知れません。

『互いの人生に拍手を贈る』 ことで培われた信頼感は
やがて大家族的な雰囲気を醸し出し 一体感を醸成します。

ひとたび こういう環境が用意されると 音楽好きと ジャズ経験者の
集まりであれば さほどの困難なく 演奏活動を進めることが出来ます。

家族が困っているときに助けない人はいません。
いやむしろ積極的に助けたり 励ましたりすることでしょう。
同じように
楽器を持って数ヶ月の人がソロをしたいと宣言したときに
それを心から応援するでしょうし、
応援するだけではなくて ソロが演奏出来たその人の
人生1ページをまるで我が事のように体験し共有することを
嬉しいと思うだろうと思います。
それが 更に深く『互いの人生に拍手を贈る』 きっかけになります。

楽器の技術向上を望む人に経験者がアドバイスする、
これは簡単なことのようで 意外に難しいものです。
教え方が難しいのではなくて 技術を伝えるだけの会話では
容易には伝わらないからです。 お互いに信頼感が
必要なのです。
いつも足らないのは 教える側から
教えられる側への信頼感のように思います。
「先生へ」の信頼感はわりと簡単に生まれるのですが
「生徒へ」の信頼感は結構 生まれにくいもののように思います。
でも、その壁は 心の礎に『互いの人生に拍手を贈る』
気持ちがあると スッ と消えるように思います。

大家族の末息子である辻垣さんがコンサート準備に
奔走して下さるのも 信頼感を感じておられるからでしょう。
自分が転んでもきっとみんなが助けてくれる、
みんなが喜んでくれる姿を見たい。
だから力を入れる甲斐がある のだと思います。
信頼感で結ばれている仲間の中では 足らない部分や
気が付いたことや 新しいアイデア それを纏める作業などが
少し余裕のある人達によって 次々に用意されてゆくのです。

西平元バンマスが言っていた
音楽が好きな人は集まろうよ・・・・その中で
少しでも余裕のある人がその力を貸してくれて
それら力の集った結果がバンドの活動になる
という考え方はこの部分をおっしゃっていたのだと
思います。

如何に コンサートの知識や運営力のある藤山旦那とて
メンバーからの信頼感を感じることがなかったら
けっしてあそこまでお手伝いいただくことはなかったでしょう
と 僕は思っています。

今や常設になった 練習後の食事会。
そこで繰り広げられる 会話は
『互いの人生に拍手を贈る』 つまり 拍手のネタを
捜す場所になっているように感じます。
転々と移る会話のなかで 一人一人の人生の
ページを繰ってゆきます。 抱腹絶倒モノのページ、
考え込むページ、目頭が熱くなるページ、
あの時間は つまり 『感動して教えてもらう』時間ですね。
この時間の大切さを肌で知っていたパラダイス中川さんの
なんでもパラダイス化はギャラクシーの面々が
とても好む時間だったんですね。

そしてその内容はメールに載り、参加していなかった
人にも伝わり、あるときそれを読んだ人がコンピューターの前で
その人生のヒトコマに拍手することになるのです。

伊藤さんが お忍び出張?時、東京の音楽教室で
トロンボーンの短期クリニックを受講されていた
というお話を 元隊長からお聞きしたときには
その人生 真正面からの取り組みにぶっ飛び
思わず拍手してしまいました。

次々伝えられてくるムリシス公演のレポートには
頑張れ 頑張れって やっぱり拍手してました。

このような人生拝見の切っ掛けが自己紹介であり近況報告。
昔は「夫婦愛について」なんて お題 もありましたね。

取材に来た池田華子さんが 言ってました。
みんな おしゃべりが上手、会話が上手 って。
いつの間にか鍛練されているのかも知れません。
いや、というよりは 他の人の人生に触れることに
楽しみをみつけてしまったのかも知れません。

お話上手と言えば 鬼さんのウイットに跳んだ
人生訓 そして なによりその半生そのものに唸らされました。
これは拍手じゃなくて頭を垂れました。

そして
白鷺さんの膨大な洒落と珠玉の爪楊枝芸
行澤さんの塚本レポート、成田の荷物受取コンベアの話
語りべ太田さんの草の根音楽振興会そして検便物語
毎度大笑いの松尾さん 「幸せになる法」
妹尾さんとクマさんの結婚報告
泉たくま君の「いつも姉がお世話になっております」
最近では季恵ちゃんの「そんなのやめちゃいな」

夫婦愛のお話が盛んだったころは
なんといっても 村木夫妻の2週間で結婚
泉さんの 銀の鈴 待ち合わせ・・・
城本さんのヒッカケ商店街 ジーパン屋編

メールでは やっぱり中越さん の珍妙納得ご隠居話
& 奥様の 怒涛の漫画 アニメ 話
そして城本さんの 人生説得 ウォークマン返還物語
室田さんのアトマジャヤ実況中継

安部さんの定番 夫婦円満報告
辻垣さんの定番 今月の進捗状況
古松さんの定番 今週の生生報告

少し前だと 山辺夫妻のとうちゃんゴルフ報告
栗栖旦那の山から下りてきました報告
斎藤貴之奥様の大阪弁子育て報告
純 原田さんの「うらぎりもの」
山里さんのカアチャン第一宣言

山本夫人裁判官による カエル弾劾裁判
陽子さんの直の健康心配だより
貴美代さんのピンポイント脱出宣言
靖規さんの奥様お子様報告(写真付き)
カズロウさんが人生で一度だけ怒った話(ずっこけ付き)
小針さんのダンドゥット
窪田夫妻の「あなたはもういいの」「ごめんちゃい」
武田さんの「いやぁ もう しあわせです ほんとに」
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・

なんとも 収拾がつかなくなってきました
で 結論?
会話上手はアドリブ上手 ってのも本当の話です。
どちらもリズムが大切ですね。

そんなわけで、・・・・・
随分忙しい(筈の)割には
相変わらずの饒舌になっています。
もうすこし続けます。

そんなわけで、・・・・・
僕が戴いたギャラクシーでの膨大な思い出と記憶は
すべて 『互いの人生に拍手を贈ることの出来る仲間』
にもらったものであったことに 気づいた
今日の午後でした。

四季のないジャカルタでは記憶が滑りおちてしまうことが多いのですが、
自分の記憶は仲間のみなさんの顔と共に
心の襞に織り込んであるようです。

白鷺さん、行澤さん
これからも よろしくお願いいたします。

みなさん、これからもメールでお付き合い下さい。



ジャズとは大きさ、形、色の違う夫々の人生を
融合させてくれる不思議な人生の旅の乗り物

コンサート それは 互いの人生に拍手を贈ることで培われた仲間が
不思議な乗り物ジャズで融合した旅の1ページを披露する時間

コンサート の感動とは 融合した旅の1ページを
更に沢山のお客様に認めていただけた瞬間
じつはその瞬間にお客様も仲間に・・・・・・・



もしジャカルタでのギャラクシーの思い出を一つだけ
語ることが許されるとしたら 僕はこの思い出を
語ると思います。

ジャカルタ近郊の障害者施設訪問を終えてバスを降り
解散の時間となりました。 それは同時に一人の
女性が人生の大きな痛手を胸にメンバーにさよならを言う
最後の時でもありました。 みんなは沢山の励ましの言葉を
心に抱えて でも なす術を知りませんでした。
名井バンマスは小走りに黒いベンツからトランペットを
持ってきて お別れの曲を贈りましょう と言います。
演奏が始まりました。アイ リメンバー クリフォード でした。
日曜日の夕方、日中とはうってかわって 少し涼しくなった空気に
染み渡るその音色を聴きながら 身震いしていたのは
僕だけではなかっただろうと思います。
ジャズの持つ力、皆の励ましの気持ちを大きな束にして
彼女の胸にポッカリ空いた穴を希望でつつみこむ・・・力。
ジャズを60年の人生の友としてきた人が渾身の力で吹くと
こんな感動が渦巻くのかと 身震いしました。

だからもっと練習したい と思うし。
もっと学びたいと思うし。
もっと教えてあげたいと。
なによりもっとお話し したい と思います。

喜びを二倍にし、悲しみを半分にしてくれるのが仲間なら
その仲間と奏でるジャズは更に二乗の同じ事をしてくれます。

これからも心にジャズを そして
互いの人生に拍手を贈ることの出来る仲間とともに。

バリ作

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MAMORU SHIKATA