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「モーニング娘。ファイナルライブ in 武道館」
5年あまり活動してきた少女たちの一世一代の晴れ舞台。
その日、朝から日本武道館の周りは、騒然とした雰囲気に包まれていた。
加護は一番手、タンポポのライブが熱狂のうちに終了し、更衣室へと急いだ。 「痛っ!」すぐその手を振り払おうとする加護。 「ごっ、ごめんあいぼん! でね! でもね!」 「・・・何っ」ステージを終え汗だくになりながらも加護は、キッと鋭い目で辻を睨み付ける。 「あの、あの! つぃは、あいぼんにあやまろうとおもって・・・」 「なにをや」 「だっだからね、こなぁいだのケンカの・・・」 「あ〜もうセイセイするわ、解散したらこのアホヅラ見んで済むかと思うとな」加護は辻の言葉を切って更衣室に入っていった。 その怒りをあらわすかのようにバタン!、とわざと大きな音を立てて扉を閉める。
辻はその場でしゃがみ込んで、声もなく泣き崩れた。
そこへ同じくタンポポのライブを終えた矢口、飯田が帰ってきた。暗がりで丸まっている小さくてカラフルな塊を見つけて、ギョっとした飯田が声を張りあげる。 「どーしたの、辻!」 「いいらさん・・・」涙でボロボロになった顔で飯田を見つめる。矢口も飯田に続く。 「また加護とケンカしたのか?」 「いやっなんでもないんれす。なかなおりしたんれす。これはうれし涙れす」 「そっ・・・」飯田はそんな子供でも分かるウソをついて、と言いかけたが、もうコンサート自体は動き出している。時間は止められない。ああでもない、こうでもない、とこの場で口論している暇はないのである。 ミニモニ。は多くの子供たちに元気を与えてきたユニットだ。最後も笑顔で送り出してやりたい。 「そっそう・・・じゃあ、ミニモニのスタンバイしっかりとね!」 「カオリン、それどころじゃあ・・・」 「矢口もこのあとミニモニ。控えているじゃない! 「う、うん・・・」矢口も渋々更衣室に入っていった。
武道館爆破事件まで、あと4時間あまりでの出来事である。 |
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