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数日が経過した。 その日もずっと朝から仲良く話し込んでいた加護と後藤の二人だったが、さすがに話疲れたのかちょっとした沈黙が訪れた。揃ってぼんやりと窓の外を見つめる。 「加護ちゃん」夕日が差し込む二人きりの病室で、少し寂しそうな目をした後藤が静寂を破り話しかけてきた。 あした加護は、病院に運び込まれたとき以来の2度目の大手術が控えている。難しいオペだが、これが成功すればなんとか自力で歩けるようになるとのことだった。 「あのね、黙って突然いなくなるのはやっぱり駄目かなぁ、と思っていたんだけど」 「明日、退院するんでしょ?」後藤の予想に反して、加護は笑顔のままだった。 「・・・知っていたの・・・」加護は、元マネージャーから聞いていた。
結局記憶がもとに戻るという見通しがたたない後藤は、数カ月から無期限のアメリカ留学が決定したことを。そこで治療やカウンセリングを受けながら、英語・音楽・ダンスパフォーマンスの勉強をするらしい。そして、本人もそれを希望しているとのことだった。
しかし、それが意味するのは二人の別離。 「私なら大丈夫っ。後藤さんと過ごしたこの何日間、すごく勇気貰ったです。ぺこり、と加護はアメを貰った子供のようにお辞儀した。 「わたしも、私も・・・加護ちゃんに会えてよかったよ・・・」後藤は小さな加護の身体を抱きしめて、ぼろぼろに泣き崩れた。 「忘れないから、絶対・・・向こうにいってもメール書くよ・・・えぐえぐっ」 「えへへ、後藤さん子供みたい、カワイイ」だが、この時の加護は知るよしもなかった。 後藤のぬくもりを肌で感じることができたのは、これが最後だったということを。 |
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