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「自分の他に誰が来る?」吉澤のその質問に答える代わりとして、石川は居間の隅に行き陳列棚の下の引き出しから何かを取り出した。 それは数通の手紙だった。 その手紙の束を無言で吉澤に差し出す石川。 加護がフォローを入れる。 「やっぱり石黒さんとか・・・福田さんとかは、ほとんど周り知らない人ばっかりになるから来づらいみたい」吉澤は手紙をぱらぱら読んでみた。 かつて同じモーニング娘。の看板を背負った者といっても、武道館の爆破事件に直接遭遇した者とそれを外側から見ていた者とでは、やはりその意識の差は大きいのだろう。 遠回りだが、もうモーニング娘。にはあまり関わりたくない、という本音が彼女らの文面には見え隠れしていた。
武道館爆破事件直後は被害を受けて大怪我をしたメンバーが大半だったことや、犯人・動機もはっきりしない状況の中で、自然とマスコミのターゲットはモーニング娘。の元メンバーに向けられた。
もう関わりたくない―――グループ脱退後も芸能界を続けていた(あるいは復帰した)あの二人には、特に激しいマスコミの攻勢にさらされ、その気持ちはもしかしたらここにいるメンバー以上に強いのかもしれない。 「じゃあ、市井さんや・・・中澤さんは・・・」 「来ません」加護が鬼の首でも穫ったかのように、自信満々で宣言する。 「子育てに忙しい、杉本さんちの裕ちゃんも来れませ〜ん♪」 「そっかぁ・・・名字変わっちゃったんだよね・・・」ある手紙の封筒の裏には、しっかりと「杉本裕子」と書かれてあるのを見て、あの歌のセリフが頭をよぎり吉澤は思わず吹き出しそうになった。 「この手紙のメンバーは来れないってこと?」 「うん、不参加の手紙ってこと」 「そうなると、けっきょく現役メンバー中心になっちゃうね・・・」 「よっすぃー、それヘンだよ。解散したのに現役ってのもね」 「う〜ん、じゃあ・・・あの事件にあったメンバーってこと?」吉澤がぽろりと漏らした台詞に、3人の間に張りつめた糸のような緊張が一瞬走った。 |
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