「SUGARLESS」 ・・・・・ ” 本人が語る曲解説 ”
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01:マーメイド
プロローグみたいなのから始まりたかったんですよ。
今までのアルバムって、どちらかっていうといきなりドカーン!!って無理矢理アルバムの世界に引きずり込むみたいなかんじの曲が多かったと思うんですけど。
今回はアコースティックな質感っていうのもあったので、じわじわ真綿で……。
そーっと後 から手を伸ばしてくかんじのオープニングにしたかったんです。収録予定の曲にそういった曲がなかったので、ねらい打ちで作った曲ですね。
02:ユビキリ
セルフ・カヴァーを2曲くらいやりたいなっていうんで、この曲(原曲は「まひるの星」/'99年/森高千 里)をピックアップしたんですけど。
初めね、森高さんの詞そのまま歌ったんですよ。
そしたらスタッフから気持ち悪いっていう声がいっぱい上がってですね(笑)。
元の歌詞は森高さんが書いた女の子のラ ヴ・ソングなので♪好きよ あなたが好きよ♪っていうサビのところまでくると、もう“お前がそれ歌うと気持ち悪い”と。
で、新しい歌詞を付けようかなと。それで、アンサー・ソングのようなものになっちゃうのもなんなんで、思い切り遠い歌詞を書きたいなと。
森高さん本人の承諾を得て、ちょっと歌詞を変えさせていただきました。
03:夜空ノムコウ
もう「夜空ノムコウ」って、SMAPが最初でSMAPで最後なんですよ。
SMAPの「夜空ノムコウ」が「夜空 ノムコウ」であって、それ以外は「夜空ノムコウ」じゃないと僕はずっと思ってたんですよ。
あの曲を 歌ってた彼らってすごくエネルギー持ってたし、この曲を聴いて欲しいっていう熱意っていうのもすごく感じてたし。
ちゃんとそういう魂がテレビに映ってた。だから、やっぱりあれだけ売れたんですよ。
でもまあ、時が流れて3年くらい経ちますかね。あの曲、教科書に載ったりとか、中学校の卒業式で歌 われたりとか、ある程度スタンダードになって。
こういうアルバムだしカヴァーしてみようかなと。
そ れで、自分がカヴァーするんだから、ちょっと僕なりに自分らしさを出してみようと思って、自分がい つも使ってるコードを入れてアレンジしてみようとしたりもしたんですよ。
すると、曲がそれを拒むんですよね。“お前のエゴなんか聞きたくねえよ”って。
それでも自分としてはいつも自分がやっているようなアレンジをしてみようとする。
それをちょっとでもやると“だから言ってんじゃねえか、お前のエゴはいいんだ”ってきっぱりはね除けられるんですよ。音符を1個も動かせなかったですね。
04:ぬれた靴
すごくファンが多いんですね、この曲。
この曲と「夕立ち」って、ライヴとかでやらないと“なんでやってくれなかったんですか!?”みたいなブーイングがきちゃったりして。
自分としてはけっこう余力 で作っちゃったかんじがしてた曲なんですけどね。
カップリングはけっこうアコースティックなかんじで続いてたんですけど、この曲を録ってたとき、ちょうどバンドのメンバーが揃ってて、じゃあバンドでやってみようってなって。
そのときのバージョンなんですよ。
レコーディングってみんなと音を録 るっていうのもあるんですけど、そのときの空気を録ることだと思うんですよ。
だから、この曲をアコースティックなバージョンにしようなんて思いませんでしたね。
ほんとそのときの空気、みんながこの曲を一丸となってやり遂げようとしている空気がものすごく表れている曲でもありますしね。
05:夏祭り
この曲と後から出てくる「坂の途中」っていう2曲は、それぞれ2nd.と3rd.のアルバムの目玉になるべ き曲だったんですよ。
それを僕が無理矢理引っこ抜いちゃって、カップリングに。
この「夏祭り」って 曲に、なんか自分自身が年々近づいてきている気がしてるんですよ(笑)。
ものすごく原体験に近い位置 で書いている歌詞なんです。
書いた当時は気づかなかったんですけど、この感覚が遠のいたり近づいたりしながらも、どんどん自分に近づいてきている。
だから、ライヴとかで泣きそうになっちゃうときが あるんです。曲につかまっちゃって、涙声になっちゃって。
その点でこの曲は注意度NO.1なんですよ。なのにライヴでは年がら年中やるんです。好きなんですよね、この曲。
06:ココニイルコト
初めて書いた歌詞だったし、当時、僕は23歳で、人前で偉そうに言えるすべてがこれだったんですよ。
責任を持って人前で発言できることは、これだけかって思いましたもん。だから、その分、自分のいろいろなものが集約されているんだと思うんですよ。
基本的には、人の手に曲が渡った時点で、お好きな ようにやっていただいてかまわない……。で、映画に使いたいって話になったときも、同じ感覚だったんですよ。
実際に『ココニイルコト』を観に行って、映画自体もすごい映像もきれいで、いい意味で非 常にうまく関西人のラテンなかんじっていうのが出ていて。
で、ラスト・シーンの一番いいところで、この曲がかかるんですよ。
僕の解釈なんですけど、景色や登場人物のセリフが押さえられる演出で、あとはこの曲に“ハイ、どうぞ”っていうかんじなんです。
そこでバンってこの曲がかかったとき、“ああ、この曲、作って良かったな”って、すごく思っちゃいましたね。
07:バクダン・ジュース
これ、なんかデジタル臭いというか、ずっと1個の不親切なループが続いて、そんな淡々としたトラックに歌だけで表情をつけようとしているかんじが、すごい好きだったし……。
で、「バクダン・ジュース」、僕、こういう音楽やりたくて、こういうファンクやりたくってデビューしたんだなっていう、そういうことの一つの理想というか、モデルなんだと、今でも思える曲なんですよ。
08:ひとりぼっち
当時、こういう淡々としつつ、突然爆発するような曲って、あんまりなかったんですよ。タメてタメてドーンと爆発するタイプの曲って。
だからって特別にそういうサウンドを意識してたわけではなく、このアレンジは歌詞との整合性みたいなところから出てきたもので……。
これ、「ヒットチャートをかけ ぬけろ」のカップリングだったんだけど、「ヒットチャートをかけぬけろ」は「サービス・クーポン」と「ひとりぼっ ち」の3曲だったんですよ。
で、俺、このシングル出たら、もうそれこそ、日本がひっくり返るなって思ってて。だけど、微動だにしなかったんですね。びくともしなかった(笑)。
09:うきぶくろをもって
後からドラムとストリングスを足しただけで、ベース弾いてギター弾いてっていうの、全部家で録ったデモ・テープのままですね。
で、実はこの曲、自分でもよく分かんないですよ。いつだったか、当時つきあってた彼女と、南紀白浜に行ったんですよ、街路樹がパームツリーだったりして。
そこが自殺の名所で、すごい怖いところだったんですよね。そんなところをレンタカー借りてうろうろしてて、帰りにレンタカー屋のお兄さんに空港まで送ってもらって。
そのとき、“あそこ、やっぱ自殺とか、多いのかね!?”とかって聞いたら、“僕、中学のとき、あの辺フラフラしてたら、なんか女の人寂しそうに立ってるの見たことありますよ”なんてね。
それで、なんかイメージがパーッと入っちゃって。でね、それから3年くらいしてから、パームツリーとかがある道、車で走ってたら、ビヨーンって。
そんな風景を通り過ぎたら、急にAメロから全部のメロディーと歌詞が一辺に出てきて。慌ててテープレコーダー探して、そのままできちゃった。
それで、後からコード付けようとしたら、自分が今まで使ったことのないようなものばっかりで
。だから、あの怖いイメージに引っ張られてできちゃった曲。なんか今でも自 分の曲ってかんじしないんだよね。だから、もうそっとしとこうかなと思って(笑)。
10:これから むかえにいくよ
これもアコギで引っ張るファンクですよね。ワシントン・ゴーゴー・ファンクをベースにしたかんじの、「バクダン・ジュース」と同一線上のファンクだと思います。
ゴーゴーやっぱ好きなんですよ。おバカなかじもそうだけど、ゴーゴーってジャズをベースにしている音楽なんですよ。
4ビートで大成しきれなかったやつらが、“じゃあ、俺らなりのファンクやってみようか!?”ってできたのが、ワシントン・ゴーゴー。
で、その影響受けて作った「これからむかえにいくよ」を、ライヴでは僕が4ビートでやってる。なんか音楽の輪廻みたいなやつを感じたりして。そこもおもしろい。
11:8月のセレナーデ
この曲はアルバムの流れが、ある程度見えたときに、一番最後のクライマックスにいく前に、そこまでの吹きだまった空気をバッと動かすような曲が欲しくて。
カーテンをザッと開けるような展開にしたくて作った曲なんですよ。朝日燦々じゃないけど、明るめに明るめにって、狙って作った曲なんです。
ド ラムの音は、ドラマーの山木秀夫さんが10年近く前に作ったループを借りてやりました。
こういう生ドラムのループはよく使うだけど、この曲の特異な点はアコギを僕が弾いてないっていうところなんですよ。それで、この曲の印象がまったく違ってきてると思うんですよね。
12:Room201
これ、ギター、すんげえ大変だったんだよね。1人で2本のギターを録ったんだけど、なかなかフィットしなくて。
先に1本だけ録っといて、後でもう1本重ねるんだけど、なかなか気持ちよくできなくて、ギター入れるのに10時間くらいかかりました(笑)。
ブレイクの後の展開は、マニピューレーターの中村文俊さんに“向こうの方から波がドバーンときて、そのままその世界がグワーンと後に拡がっていって、その一つの絵が動くみたいに”なんて話をしたんですよ。
波が動くようなサウンド・ドローイングを思い描いていたわけですけど、それも言うはやすしで、ものすごく難しくてね。朝遅くまでやってました(笑)。
13:坂の途中
自分の持ってるラジオ番組のエンディング・テーマとしても使ってたし。ライヴでもラストの曲になっ ちゃったり。
作ってるときから、これはもうエンディングの曲になるだろうと、予感しながら作ってい た曲です。
で、今回もやっぱりこの曲、最後にしようと。僕の歌って、あんまり人を励ましたりしないんだけど。あと、優しい感情を描いたりとかね、あんまりないじゃないですか。
まあ、鬼の目にも涙みたいなもんですかねえ。こんなのが13曲中13曲だったら、なんですけど、たまにこういう曲あると説得力ありますよね(笑)。
“セルフライナーノーツ”をさらに楽しむための一言
ポイント その1

「えっと、2nd.シングルの「黄金の月」を作ったときから、もう頭の中では考えていたんですよ。4年 くらい前ですよね。
だから、そのときのインタヴューでこのことを言っていると思うんです。カップリングを集めてこういうアコースティックっぽいアルバムを作りたいと。
だから、(オリジナル)アルバムにはカップリングは入れませんって」

ポイント その2
「お伽話とか童話的な歌詞をすごく書きたくて。それで、中国かどこかで人魚の肉を食べるて800年生 きたっていう伝説を聞いたことがあって、人魚の肉は不老不死っていう東洋の言い伝えを元に。
ぱっとできちゃったんですよ。要するにディズニーの“マーメイド”みたいな世界は書きたくないですよね。
なんかもっとドロっとした、本物の『グリム童話』とか『マザー・グース』とかさ、なんかそういう方のイメージで」

ポイント その3
「こういうファンキーな曲って、日本に今までないと思うんですよ。だからやりたかったんですね。
今まであるやつをやりたいわけじゃなくて、ないやつをやりたかったんですよ。そのためにデビューしたんですよ。
で、今でも、その理想はそのまんまですよね。こういうのをやりたい。もっとポップにやりたいんですよ。うん」Movin' you〜スガシカオを突き動かすもの「僕ね、シングルって持ってないんですよ。
ずっとアルバムしか買ってなかった。シングルやそのカップリングに興味を持ち出したのは、デビューして実際 にシングルを買ってくれる人を見たりとか、自分が活動する中で作られてきたものだと思います。
普通シングルCDって6曲くらい入ってたりするけど、僕のは3曲。それを買い続けてくれている人がいる。やっぱりこう、そういう人たちに何か返してあげたいっていつも思うんですよね。
だから、自然とカップリングには力が入っちゃうんですよね」

Viewsic より
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