こんばんは、ブタです。病人として「潰瘍性大腸炎」について語らせていただきます。持病なわけですが、この病気は最近どんどん若い人の間で増えてきているので、そのうち知り合った人が患者だったということになる可能性があると思います。ちょっと知っておくと役に立つかも。 以下Q&A形式です。
Q.どんな病気ですか?
A.すごく乱暴に要約すると「カレーとラーメンが食べられなくなる病気」です。人によって個人差が大きい病気なのですが、食事制限がかかるというのが全患者共通の悩みです。しかもそれが一生。というのはこの病気、一度発病すると治らないというのがほとんどで、無理をしたり変なもの(刺激物や脂っこいもの)を食べると潰瘍が大腸にできて、下痢をしたり(かなりひどい)血便が出たり(最悪)してやせ細っちゃいます。潰瘍がおさまるまで何ヶ月かかかるのが普通で、入院しなければいけないこともたびたび。
まあ一度や二度カレーやラーメンを食べたぐらいで入院ということは大体の場合ありませんが、本当に腸の弱さに個人差があって、「フライドポテトをドカ食いした直後に大出血・緊急入院」とか「昨日シチューを食べたから今朝はトイレで苦しんだ」とか、病人の間ではすごい話が飛び交っています。
ということで大変な病気なので、厚生省によって「難病」に指定されています。医療費がほとんど税金から出てくれます。ありがたいことです。ちなみに潰瘍性大腸炎をさらにひどくしたような病気で「クローン病」というのがあり、これは大腸だけでなく小腸とか胃にも潰瘍ができます。小腸をやられると栄養が吸収できないので致命的です。「クローン」は病気の発見者の名前(Chroneだったか)で遺伝子関係のあのcloneとは違います。
Q.病気の原因は?
A.なにしろ難病ということで、今のところ原因不明です。でも大腸の粘膜を調べると、悪玉白血球が腸を攻撃していることが確認されたので、どうやら花粉症とかと同じ、「自己免疫疾患」らしいということは分かっています。若い人に多いというのも花粉症と似てますね。ウィルスとかが原因でないため伝染らないのでそこは安心です。
潰瘍性大腸炎・クローン病ともに、最初は欧米でしか見つからなかったのに、ここ十数年の間に食生活の欧米化した日本で急激に患者が増えています。潰瘍性大腸炎がいま6万人、クローン病が2万人だったと思います。アメリカなんかだとその十倍ぐらいいます。
Q.治療法は?
A.基本的には薬で発症(病気が活動期に入る、という)をおさえます。潰瘍性大腸炎(とクローン病)専用の薬があって、それを毎日飲みつづけるという感じです。でもけっこうな人がそれだけでは悪化してしまうので例のステロイド剤を使います。これが副作用がいっぱいあって、病気そのものより大変という人までいます。あと薬を飲むと胃が荒れるので大体の場合胃薬とかが一緒に処方されます。薬は飲むだけでなく、座薬や注腸といって液体を腸に直接流し込む形態のものを使うこともあります。
それと裏ワザというのか正攻法というのか、手術で大腸を全部取ってしまうという手もあります。大腸にしか潰瘍はできないので、大腸がなければ潰瘍のできようがないという発想です。大腸がないと水分の吸収を小腸だけにまかせることになるので手術してすぐは1日30回とかトイレに行くそうで、一年ぐらいかかって1日数回の便回数になります。手術を選ぶのは腸がボロボロでもうだめだとかこれ以上ステロイドを使うと危ないとかいう場合が多いようです。クローン病では小腸を全部取るわけにいかないのでどうしても使えなくなったところだけを除去するという手術です。
最近出てきた画期的な治療法として「白血球除去療法」があります。人工透析みたいなもので腸にたまっている悪い白血球を取り除きます。副作用もありません。まだ歴史が浅いので医者に頼んですぐやってくれるというわけにはいきませんが。かなり有望です。