<<2000年の豆乳シーンについて>>

日本には今まで何度か、豆乳ブームと呼べるムーヴメントがあったらしい。豆乳の欠点である豆臭さと腐りやすさを取り除くために加熱処理・無菌包装が導入された年、それに、、もともと牛乳の代用品という見方のあった豆乳の風味をさらに牛乳に近づけ飲みやすくした調整豆乳が開発された年、この二回に豆乳の生産量・消費量が伸びている。そして最近、大豆の成分であるイソフラボンが注目され健康食品や健康デザートに配合されたりしている。これによってイソフラボン入り飲料である豆乳も多少若年層の支持を集めたかも知れない。豆乳と呼ばれるジャンルはJAS規格ではさらに三つ「豆乳」「調整豆乳」「豆乳飲料」」に分けられる。大豆を煮てしぼっただけの、豆腐の原料になるのが豆乳(大豆固形分8%以上と定められている)、それに脂肪や糖分を加え味と成分を牛乳に近づけた(大豆固形分6%以上)のが調整豆乳でこれが市場としては最も大きい。そして、今もっとも面白い状況を呈しているのが三つ目の「豆乳飲料」である。調整豆乳に果汁やコーヒーを混ぜた、いわば豆乳ベースのジュース(大豆固形分は4%以上)で、いくつかのレーベルがそれぞれの方針で個性的な商品をリリ−スしている。

#紀文フードケミファ

 練り物製品で知られる紀文社の医薬品・健康食品部門。調整豆乳・豆乳飲料で最大のシェアを占める、シーンの中核をなすレーベル。ほとんどのコンビニで緑色のパッケージの「紀文調整豆乳」を見ることができ、好調なセールスを続けている。豆乳飲料も十数種類が出ているが、すりゴマの入った「豆乳飲料・ごま」や牛乳と豆乳を混ぜた「牛豆乳」のような健康飲料としての位置付けのものから「フルーツ」「バナナ」のようなジュース、また「紅茶」「コーヒー」「ココア」など牛乳の代わりに豆乳を使った飲料など幅広い。最近では、子供が飲みたがらない飲み物の両巨頭「豆乳」と「青汁」をブレンドした「豆乳飲料・青汁」をリリースしてファンを驚かせた。

#マルサンアイ

 大豆製品の中でも豆乳を主力製品として販売している、なかば豆乳専門のレーベルとして、会員制の通信販売を行ったりテレビCMを流すなど意欲的に活動している。豆乳飲料には「オレンジ豆乳」「ヨーグルト味」、また子供向けの「まめぴよ」シリーズなど豆乳の枠にとらわれない製品が多い。

#ソヤファ−ム

 不二製油グループの中の、やはり医薬品・健康食品のレーベル。豆乳飲料は「ごま」など数種類しかないが、ポップなデザインのパッケージで”健康食品”を感じさせないのにかなり成功している。「豆乳から作ったヨーグルト」という商品もあり、「アロエ&ライチ」「ミックスベリー」など現代的なラインナップになっている。乳製品ヨーグルト独特の酸味がないので普通のヨーグルトより食べやすいとも言われる。

#ヤクルト

 乳製品の「スジャータ」ブランドで有名なめいらく(「豆腐のできる豆乳」を販売)のように、乳業メーカーが豆乳を手掛けることは多い。流通ルートの関係と思われる。ヤクルトも豆乳飲料「ラックミー」シリ−ズを出している。コーヒー・バナナ・ストロベリーと、どれも乳飲料としてオーソドックスなものを豆乳で作った製品だが、豆臭さが全くなく、乳製品とほとんど区別がつかない。

 このほか豆腐を作っているメーカーの多くが豆乳を出している。豆乳飲料を出しているところもあるが、注目すべきレーベルとして四つをあげた。  ここ1・2年、豆乳に関する大きな動きと言うと、遺伝子組み換え作物が話題になったために多くのメーカーが商品パッケージに「遺伝子組み換え大豆は使用しておりません」の表示を入れたことがある。その他、豆乳飲料の方はアイディアがそろそろ頭打ちかという感じがするが、ソヤファーム「豆乳から作ったヨーグルト」には期待が持てる。単に豆乳で作ったというだけでなく流行の果物を取り入れヨーグルトとしての完成度も高い。しかしこの商品名は牛乳アレルギーの患者にアピールするためのものだろうか。一般の消費者には「キワモノ」と思われそうなのが残念だ。他のメーカーも豆乳ヨーグルトの商品化を考えてほしい。豆乳ヨーグルトには今後の豆乳シーンを大きく変えていく可能性が感じられる。