今お気に入りのCD

最近買い込んで、気に入ったCDを中心に感想を書いてます。
したがって、特に新譜だけってわけじゃないですが、お許しを。

YMO GO HOME!/YMO(1999:東芝EMI)

 もう、YMOがデビューして20年・・・早いものだ。
僕が音楽を積極的に聞き始めたのは83年くらいから。YMOの歴史で言うと、ちょうど「浮気な僕ら」が出る寸前。「散会」の発表をしたころかな。
 だから、僕にとってのYMOは当時の音楽シーンに革新的な音楽を提示したバンドじゃなく、すでに「テクノ」のブランドとしてのバンドだった。
 いつのまにか、一般常識として、さかのぼってすべてのアルバムを聞きまくった。もちろん義務感はさらさらない。夢中になって聞きあさった。テクノが僕にとってのベストの音楽ジャンルとはいいづらいけど、それでもYMOは、僕のこれまで聞いた音楽の中で、重要な意味を占めているのは間違いない。

 これは、細野氏選曲のベスト。ちょっと前まで、リミックスやらライブ盤やら、いろいろYMO関連のCDがリリースされつづけた印象があるんで、このCDがリリースされて、「YMOも歴史として一区切りついたんだな」って感じがして感無量だ。

 リマスターなんで、音も抜群。これまでリリースされてたCDで何枚か買って「なんかしょぼい音だな」って思ってたんで、改めてリマスターの重要性を感じる。旧譜であっても、別に埋もれた作品でなくとも、リマスターすることで付加価値をつけ、ビジネス的にも十分に商品価値をだせる。とっくにレコード会社も、CDになって技術の進歩が商品価値をだせるってところに気づいてるだろう。あとは、愛情を持った再発ができるかどうか。
 その点でも、このベスト版はとってもいい線をいっている。YMOのリーダーの細野氏を監修にし、ベスト版の曲順に意味付けを持たせて、曲解説のインタビューまでつけるとは。こういう再発がもっと活発になればなあ。
 収録曲もひとひねりして、「東風」はDJコピー版だし、「増殖」は収録曲は「マルティプライズ」からの完奏版だし。ま、後者は当然か。
 2曲の未発表音源もあるし(正確に言えば、これはライブバージョンなんだから「未リリース音源」って言うべきじゃないのかなあ?)収録曲もほぼ全部のアルバムから満遍なく選ばれてる。
 
 しかし、選曲といえば「増殖」からは、ほぼすべての曲が選ばれてるんで、細野氏の思い入れが以外だった(ファーストと「テクノデリック」か「BGM」がてっきり主眼かとね)。一番イケイケの頃ってことで、印象深いのかも。

 これで、YMOが若い世代に再評価されるのか?いろいろなミュージシャンに影響を与えてる割に、もろYMOフォロワーってのが思いつかないだけに(僕が知らないだけかな?)ぜひ、いろいろな人に聞き返してほしいところ。
 インストながら、演奏技術に走らずにポップさを意識しつづけ、歌謡曲に新たな視点を与えたバンドだと思うだけに。

STARS FOREVER/MOMUS(1999:bungalow)

 2枚組の大作でリリース。曲から演奏から、すべてモーマスの一人舞台。CDの中身は相変わらずのモーマス印。ここ最近のアルバムと同様に、シンセで埋め尽くされた伴奏に、つぶやきのような低音で歌う。バロック調のスタンスもおなじみだ。どんなにポップな曲でも、どこかに暗さを保ちつづけるスタンス。
 YMOを聞いた後だと、音作りに妙に影響を受けているように聞こえる。
 メロディを作るのはうまいし、音像にこだわりを持ってるんだろうけど、
高音を張った感じで歌える女性歌手のプロデュースをしたら、とびきりいかしたポップスが出来上がると思うんだけどなあ。

あおいとこ/佐々木彩子(1999:地底)

 大所帯の中央線ジャズユニット、渋さ知らズの関連として、地底からのリリース。初のソロアルバムらしい。インナーによれば、舞踏グループ「大豆鼓ファーム」と「イヌイットイヌーク」のために書かれた曲を集めたらしい。バックは地底だけあって、渋さの面々がバックアップ。とはいえ、渋さほどは多くないから、聞き手を引きずるような重戦車感はひかえめかな。佐々木氏も歌はほとんど歌わず、ピアノを弾いている。といってもあまり前面には出ずに、ひかえめに演奏してるように思う。
 このCDの通奏低音とながれてるのは、ノスタルジー。アフリカ音楽ぽかったり、中近東ぽかったり、中国や沖縄の音色が聞こえたり。もちろんジャズでもあるわけなんだけど、一番感じるのは日本の故郷へ思いをめぐらす郷愁感。僕自身は、故郷と呼べるのは東京になる。で、今も東京に住んでるから、故郷ってのが実感としてはない。だから空想上の故郷になるけど、わらべ歌や同様、祭囃子のようなもの、非日常としての故郷への懐かしい想い。擬似的な錯覚でしかないんだけど、このCDを聞きながら、そんな想いにかられた。

UNCONTROLLED SUBSTANCE/INSPECTAH DECK(1999:LOUD)

 ウータン一派のリリースも2順目に入り、メソッドマン、GZA、オル・ダーティ・バスタードと矢継ぎ早にリリースされる中、デックの初(?)ソロがリリースされた。
 僕にとって、ウータン・クランは90年代のPファンクみたいな思えて、妙に気になる存在。これから、シーンを動かしていくのでは?という期待感と、メンバーが多い分、片っ端からアルバムが出てくるんで、リアルタイムで追っかけたら楽しいかな?てなコレクター的なスケベ根性と。そんな思いが入り混じって、関連アルバムは、とりあえず出るたび、見かけるたびに聞くようにしてる。とはいえ、膨大な参加アルバムまではおっかけてはいないけど。
 そもそも、僕のヒップホップの聞き方は、ほんとのヒップホップ好きからみると、お笑い草どころか、思い切り怒られるんじゃないだろうか。なにしろ、アルバムのCDしか買わない、大概は家の中のステレオで聞く、歌詞の内容はほとんど興味がなく、トラックの音像とラップのリズム感が好きで聞く、ってな感じなんで。

 さて。そんな聞き方をしてるんで、ヒップホップシーンでの、この作品の位置付けなんて語れないし。ましてや、デックのライムでの主張に対する共感も反論もしゃべれない。ただ、いつもの引きずるようなバックトラックが気持ちいいなって、感想だけ。で、なんでこの欄にとりあげるかっていうと。聞いてて楽しいんだよね。あっけらかんとした明るさはなく、夜中に薄暗い街角を足を引きずってるような曲調が、ギャング映画を見てるみたいで、どきどきする。
 うまくいえないな。そのうち、じっくりあれこれ聞いて、頭の中をまとめてみよう。

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