今お気に入りのCD
最近買い込んで、気に入ったCDを中心に感想を書いてます。
したがって、特に新譜だけってわけじゃないですが、お許しを。
transcendental highway/COLIN HAY(1998:LAZY
EYE/BMG)
元メン・アット・ワーク・・・という肩書きも、残念ながら対して迫力を持たなくなってしまったコリン・ヘイのソロアルバム第5弾(?)。以前この欄で「TOPANGA」(1994)を紹介したが、そのアルバムに次ぐソロのはず。今回も前作と同じレイジー・アイからのリリースだ。
一聴した印象は、リラックスしたアルバムだ。ミドルテンポのロックンロールを中心に、ゆったりとコリンが歌っている。もちろんお得意のギター弾き語りも健在。歌詞の内容はよくわからないが、全体的に内省的な感触がある。以前のトレードマークだった、ひび割れてかすれた高音のコリンの歌声。ダブルボーカルでのどを振り絞って歌うのがかっこよくて好きだけど、落ち着いた雰囲気のアルバムなので、こいつが今回あまり聞けないのが、ちょいと残念。あのカラッとした歌声は、コリンの個性として、すごい武器だと思うんだけどな。
また、今回のアルバムではリズム面に打ち込みを多用してるのが大きな特徴。もっとも90年代のアルバムらしく、機械的なリズムを強調してはいないけど。この打ち込みリズムのおかげで、センチメンタルに流れることなく一歩引いた冷静な魅力を生み出してると思う。
打ち込みという新しい要素を取り入れて、このアルバムの鍵を握る男がデイブ・デイル。共同プロデュース・録音・ミックスのほかに、作曲の手助けまでして全面的にコリンをバックアップしている。
彼の経歴は不明だが、オーバープロデュースには決してなっていないと思う。
にもかかわらず、スペシャル・サンクス欄には彼の名前無し。
売れてるとはいいがたいコリンだから、もしかしたらレコード会社から押し付けられたプロデューサーなのかも。・・・いいアルバムだと思うけどなあ。
ちなみに、シークレット・トラックの小品もいい。アコギのほのぼのした弾き語りで始まり、深いエコーのかかったコーラスがかぶさって、熱を冷ますかのように静かにアルバムを占めてくれる。
HPによると、メン・アット・ワークは99年に再結成し、オーストラリアでツアーをやってるらしい。まあ、多分日本にはこないだろうけど。
となると、次はメン・アット・ワークの再結成アルバムかな?
このアルバムを聞いても、僕が当時好きだったやんちゃ坊主みたいな破天荒なノリはどっかにいっちゃったけど。でも、もう一度大きな華を咲かせて欲しいものだ。
NRBQ/NRBQ(1999:ROUNDER)
怒涛のバー・バンド、NRBQデビュー30周年の20作目のオリジナルアルバム。
僕は最近NRBQを聞き始めたので、オリジナルアルバムを全部聞いたわけではないけど。僕の印象は、超一流のB級バンド。そう、バンドって言葉がピッタリくると思う。
飾りっけのないメロディを、シンプルなアレンジで包み込む。ビートルズ・コステロ・ラモーンズ・デッド・ディラン・・・その他もろもろ。色んなミュージシャンの影が見え隠れする。ザッパすら思い浮かべてしまった。(2曲目の頭のシンセのフレーズがそれっぽい)
この欄では、あえて「なになに風」とか「誰々っぽい音」って表現は、意識的に避けようとしてる。せっかく紹介するからには、安易にカテゴライズしたり、すでにあるバンドのイメージを借りただけで紹介を済ませたくはなかったもんで。
その僕自身のこだわりが、この欄でうまく表現できているかはさておいて。
このバンドを紹介するにあたって、その禁句にした「何々風」って表現を使いたくてしょうがない。だって、あまりにもNRBQが、色んなミュージシャンの過去の音楽をうまいこと消化してるから。
いいメロディを練り上げた曲もあれば、アイデア一発の曲を勢いだけで演奏したような曲もあり。曲のクオリティは、正直ばらばらって気がしないでもない。
だけど、酒を飲みながらわいわい騒ぐにはピッタリの音楽だ。
さすが、30年の歴史は伊達じゃない。
ライブで鍛えまくったバンドだけあって、ステージで魅力をぶいぶい言わせそうな曲が並んでる。でも妙に密室的な曲がある。7曲目や10曲目。ここらへんは、ステージでもできるだろうけど。
それに14曲目。スタジオでのエコー処理がとってもかっこいい。こんな曲も、ステージでこのスタジオ版以上の魅力を見せてくれるのかな?
ステージでのクオリティがあがったから、こういう曲を入れたのか。
それともスタジオ作業に興味が出てきたのか。
結論はライブで・・・って、言いたいが、思いっきりタイミングをはずした。
去年彼らは来日してくれたけど、次はいつになるんだろ?
前回の来日を見逃したのが悔しい・・・僕んちのすぐ近所でライブやってたのになあ。ちぇっ。
MUSICAL ALIMINUM/MOTOR HUMMING(1999:TZADIK)
ジョン・ゾーン主宰のレーベルTZADIKが、とびきりの日本人バンドを紹介してくれた。多分これがデビュー盤。モーター・ハミング自身のHPによれば、大阪を中心に活動してるようだ。
バンド構成はギターとドラムとベースのインストトリオ。そんでもって、ウィーンよろしくカシオトーンで味付けぱらぱら。
全16曲。タイトにそしてテクニカルにはじけるプログレ風味のロックがつまってる。即興の曲をはさみつつ、きっちり構成された曲が続く。フレーズや変拍子を決めまくるところがかっこいい。
跳ねたリズムで確実に転がるドラムにざくざくギターが絡み、ベースが軽やかにビートを刻む。アバンギャルドではあるんだろうけど、メロディはとってもポップで聞きやすい。
それにハイハットがしゃかしゃかきれいに聞こえるのもいいなあ。
メロディの主導権を握ってるのはギターだけど、かりっとした音色から歪んだ音像まで幅広く聞かせてくれ、ともすれば単調になりがちな音楽スタイルなのに、くるくる色んな曲が並んでいる。
いいなあ、このバンド。ぜひともライブが見たい。うーん、将来が楽しみだ。
reconciliation/Sounds of Blackness(1999:Zinc)
91年に、ジャム&ルイス設立のパースペクティブ・レーベルから鳴り物入りでデビューしたグループ。たぶん、このアルバムが5枚目になるはず。大人数のクワイアを売り物にしたゴスペルグループだ。
僕自身のこの手の大人数のグループに対するイメージは、人力でグルーヴをつくりだすって、固定観念が当時あった。そのせいで打ち込みを大胆に強調した、このグループのデビューアルバムはとってもインパクトがあって大好きだった。
それに、2枚目のクリスマスアルバムも荘厳な感じがして、今の季節になると引っ張り出しては聞いていたもの。
でも、3枚目がなんとなくなじめずに疎遠になっていた。今回のアルバムは、パースペクティブ・レーベルが破綻したせいもあり、インディレーベルからのリリースになった。僕の記憶が正しければ、ボビー・Z(元レボリューション)のレーベルじゃなかったかな?
何曲かで、同じく元レボリューションのレヴィ・シーサー・Jrもプロデュース・演奏他で参加している。
内容はロマンチックなメロディがいっぱい。リズムは打ち込みが多いんだけど、キーボードを前面に出したやわらかいアレンジになっている。
ヴォーカルのほうも、大人数のコーラスを全面的にフィーチャーするよりリードボーカルを前面に出して、間口が広いつくりになっているのでは?ちなみにアルバムの締めはエリントンの「A列車で行こう」のカバーでドンチャカと終わる。
朗々と歌い上げるゴスペル的な歌が気になる部分も多少あるが、アルバムは全体的に雰囲気が暖かい。疾走感とリラックスが絶妙のバランスでいっしょになってる素敵なアルバムだ。