今のおすすめCD(番外編)
ライブテープを聴いた感想です。
的外れな点があったら、ぜひご指摘お願い致します。
曲の区切りやタイトルは、いろいろ異論があるかもしれません。
とりあえず、聴いた音源の区切りを尊重しました。
曲名は略すとphanにしかわからなくなるので、
可能な限り正式名称を記載しました。
02-26-97 Longhorn,Stuttgart, Germany
Phish
(Trey Anastasio:g,Page McConnell:key,Mike Gordon:b,Jonathan
Fishman:ds)
<Set list>
1:Camel Walk(5:45),
Llama(4:43),
My Friend My Friend(5:52),
Harry Hood(15:22),
My Soul(5:14),
Tube(4:53),
Carini had a lumpy head(4:14),
Rocka William(6:30),
Dog Log(4:50)
While My Guitar Gently Weeps(5:42)
2:Buried Alive(2:29)
> Poor Heart(2:20),
Ha Ha Ha(3:32),
You Enjoy Myself(26:07)
> Kung(1:31)
> Theme From the Bottom(7:54)
Scent of a Mule>Jazz Jam(7:57)
> Magilla(4:13)
> Scent of a Mule(2:56)
Slave to the Traffic Light(12:04)
E:Highway to Hell(3:39)
"Club Crawl"と銘打たれ、およそ二週間かけて行われたヨーロッパツアーの音源です。
同日の昼間にラジオ番組用として、3曲のスタジオ・ライブも行っている。
ぼくが聴いたこの日のライブ音源は、ちょっとこもりぎみな音質。
だが、ブートとは比べ物になりません。オフィシャル音源から、若干落ちるくらいか。オーディエンスだと思うが、楽器の分離はきれいです。
難はベースの音が聴こえづらく、低音がほとんど感じられないところだ。
この夜は、ずいぶんひさしぶりに演奏された曲が数曲ある。
いちばんひさびさな"Magilla"は94/5/4のライブ以来。
他にも"Camel Walk"、"Dog Log"、"While
My Guitar Gently Weeps"も5年ぶりくらいでステージに登場している。
セットリスト全体を見回しても、そうとう地味な選曲だと思う。
後半セットで長いジャムがあるが、ぼくは第一セットのほうが好きなライブだ。
ごぶさたぶりです"Camel Walk"は、ゆっくりとしたトレイのギター・カッティングでスタート。
もっともあっさりと一曲目を終わらせ、"Llama"へ続く。
さっそくペイジとトレイのソロバトルが始まる。
トレイのギターソロの後ろで、和音を連打するピアノの音が気持ちいい。
第1セットはメドレーもなく、淡々と進んだ。
だけどもちろんphish。曲間のソロでは、頻繁に聴きどころが登場する。
"My Friend My Friend"のギターソロが舞い上がるところがいかしてる。
ぼくが持ってる音源は、"My Friend My Friend♪"とささやくリフレインが続き、いきなりブツ切れ。
もしかしたら、もっと長い演奏だったのかもしれません。
phishのじわっとしたグルーヴが盛り上がるのは、次なる"Harry
Hood"。
二分程度かけてイントロを盛り上げ、ジャムへと雪崩れ込む。
メロディっぽい部分を担当するのは、ペイジのピアノかな。
4人が一体となって、歯切れよく刻み始める。
トレイがブレイクをはさみつつ、ギターを太くうならせた。
"Harry Hood"は地味な曲だが、小さな音でビートを探り合ってジャムが盛り上がる。
シンバルは静かに打ち鳴らされ、音の土台が作られた。
そこでトレイとペイジがソロを差し込んだ。
しまいにはソロを互いに弾きまくり。
トレイのギターは明るい音色で、長めの譜割りなフレーズ。
そこへペイジが細かく鍵盤を連打し、ピアノのしゃっきりしたサウンドで音像をぐいぐい高みへ引き上げる。
たっぷり盛り上がったジャムの合間を縫い、ボーカルを挿入するタイミングも見事。どうやって合図してるのかな。ライブをぜひ聴いてみたい。
"Harry Hood"の演奏は、実に15分にも及んだ。第一部での最大の聴きどころ。
phishは、"Harry Hood"のコーダをがつんときめて、すかさず"My
Soul"へ進む。
歯切れいい曲へ、すぱっと切り替える構成が見事だ。
続く"Tube"でボーカルのテンションは神経質気味に、威勢良くたたみ込む。
演奏に緊張感が出てきた。
フィルをいれない着実なリズムのドラムにのって、ペイジがソロを炸裂させた。
まずはシンセ。そしてピアノへ。もくもくと音像を展開。
ソロ終盤で鍵盤を四つ打ちで連打。すかさずジョンがリズムをユニゾンさせ、トレイのギターソロにつなぐ。
コンビネーションのうまさに、ぞくっときた。
この曲でも、エンディングでテープがブツ切れな感じ。唐突に次の曲へつながる。
本当は、もっときちんと終わらせていたと思うが・・・・。
第1部も佳境に入り、"Carini had a lumpy head","Rocka
William","Dog Log"と、当時アルバム未収録曲のレパートリーが続く。
"Carini had a lumpy head"は97/2/17に初披露。その後数回、97年のライブで演奏された。
00/6/14の福岡ドラムロゴスのライブで、第一部最初に演奏されたのもこれだ。
なんとなく不穏な雰囲気が漂う"Carini had a
lumpy head"。
ころころステージのムードが変わるのに、違和感無いうねりを感じてしまう。
空気は"Rocka William"へも持続された。
トレイはギターの音を響かせず、針金の束を引っ掻くみたいにギチギチとかきむしる。
風景がぱぁっと開けたのは"Dog Log"になってから。
中盤でギターとキーボードが絡み合ったとき、たしかに音の感触が変わった。
ステージ冒頭で聴けたような暖かいグルーヴがよみがえり、聴いててふうっと身体から力が抜ける。
第一部最後の"While My Guitar Gently Weeps"は、もちろんビートルズのカバー。そしてもちろん、トレイが大活躍する。
時間が短めで、ギターソロが物足りないぞ。
phish版の"While My Guitar Gently Weeps"は、94/10/31のハロウィン・ショーで、はじめてステージに登場。
「"White album"全曲演奏」をぶちかましたときだ。
気に入ったのか、95年には10回以上演奏された。
ところが96年にはぱたっとセットリストから消えてしまう。この日のプレイは、それ以来。
第二部はせわしなくリズム隊が刻むインスト"Buried
Alive"を前ふりに、ウエスタン系"Poor Heart"へと続く。
"Poor Heart"は、ほんとに何度もステージで演奏されている。
こういうC&Wのリズムって、アメリカ人にとって非常に親しみやすいのだろうか。
86年頃からライブで数限りなく演奏されてきた"You
Enjoy Myself"。ここが後半戦最初の山場だ。
タリラリラリ、とギターのフレーズが舞い降りる。ふわふわとバンドが蠢き・・・高らかにトレイがメロディを奏でた。
果てしなくジャムが続いていく。
かなり長い曲だから、出来はかなりその日のノリに左右される。
この日はいまいちかな。聴いてて残念ながら間延びする。
静かに紡がれる音が、緊張感を殺いでしまったかも。
次第に演奏が盛り上がり、15分くらいたつと僕の耳もテンションに寄り添えてきた。
エンディングのアカペラ・スキャットによる、人間ビート・ボックスぶりもなかなか。
乱暴にシャウトする"Kung"からギターのフレーズが染み出してきて、次の曲へすんなり変化。
ハモる歌声のメロディが心地よい。・・・ほんのりピッチがずれてるようだが、気のせいかな?
ここで聴けるトレイのギターソロはなかなか甘く、メロディアスでいい。
エンディングはまたしても、鼻歌風のスキャットでさくっときめた。
若干唐突に次の曲へつながる。ここもテープ編集されてるのか。
"Scent of a Mule"で、ふたたび風景が南部に変わる。
C&Wは聴きなじみがない分、どの曲も同じように聴こえてしまうのが困り物。
ペイジのホンキー・トンク風にせわしないピアノソロは、次第に混沌かつダイナミックに変貌する。
ひとしきり弾いたところでブレイク。メンバーによるジャムが始まった。
まずはトレイかな?ギターとユニゾンで見事なスキャットを聴かせる。
ドラムとベースがそっと加わり、つんのめるビートを提示。小粋なジャズってとこか。
再びマイクのピアノソロへ。今度はだいぶフリージャズっぽい色がある。
けっして乱暴に鍵盤を鳴らさないけど。
さらにバンドはくるくるまわる。すさまじいスピードでラッシュして、ふっとブレイク。
もいちど"Scent of a Mule"にもどって一区切りつけた。そこそこ楽しいジャム。
この夜二度目のクライマックスだ。
さて、ほのぼのムードはまだ続く。
本ステージ最後の曲は、"Slave to the Traffic
Light"。ジャズのジャムでリラックスした雰囲気を継続し、のどかな演奏で幕を下ろした。
ブレイクを多用したロマンティックなプレイが心地よい。
あくまでもスケール大きく、音色をクリーンに響かせるトレイ。
全てが解放されて、おおらかな気分になる。ぐいぐい音像に惹きつけられる。
とびきりの瞬間。いつまでもこの雰囲気が続いて欲しい。
ギターがぐるっとフレーズを丸め込み、キーボードと組になってふわりと宙へ浮かんだ。
クライマックスにふさわしい演奏だった。
アンコールは威勢のいいロックンロール。AC/DCのカバーだ。
前回演奏されたのは96/12/1。その時も、同じようにアンコールに演奏された。
さくっとビートを叩きのめして、今夜のライブが終了。
地味な選曲ながらも、やはり聴き応え多数の演奏だ。