今のおすすめCD(番外編)
ライブテープを聴いた感想です。
的外れな点があったら、ぜひご指摘お願い致します。
曲の区切りやタイトルは、いろいろ異論があるかもしれません。
とりあえず、聴いた音源の区切りを尊重しました。
曲名は略すとphanにしかわからなくなるので、
可能な限り正式名称を記載しました。
92/11/25 Keswick Theater, Glenside, PA
Phish
(Ernest J."Trey" Anastasio:g,Page McConnell:key,Mike"Cactus"
Gordon:b,Jonathan"Fish" Fishman:ds)
同年の新アルバム「Rift」(92/11発売らしい)をひっさげて行った、全21公演のツアー音源です。
サブタイトルは"Big Ball Fall"と呼ばれる。各会場のキャパは千数百人レベルな模様。
この日はツアー6公演目。1200人くらい動員し、会場はソールド・アウトになったようだ。チケットは14ドル。安いな〜。
セットリストは下記のとおり。当時のライブで頻繁に演奏されていた、お馴染みの曲ばかり。
特筆するような選曲や、ハプニングがあったわけじゃないけど。
いきいきしたジャムが楽しいライブです。
ぼくが聴いた音源はサウンドボードっぽい。オーディエンス・ノイズが聴こえるものの、各楽器の分離が異様にきれいな音源だ。
とはいえ音色はかなり痩せている。ぼくの基準でBってとこか。
いちおうフルセット収録された音源だが、ところどころでカットされた形跡あり。
本来ならば、もう少し長くライブをやっていたはず。
<セットリスト>
(Set 1)
1. Buried Alive->(2:37)
2. Poor Heart(2:40)
3. The Landlady(3:35)
4. Fee (5:25)
5. Maze(8:27)
6. Sparkle(3:54)
7. It's Ice(7:59)
8. The Squirming Coil(8:24)
9. Cavern-> Sweet Adeline-> Cavern(4:40)
10. Run Like an Antelope(11:43)
(Set 2)
11. Chalk Dust Torture(6:15)
12. Foam (0:12 ?)
13. Fast Enough for You(5:38)
14. You Enjoy Myself (18:51)
15. Lizards(12:34)
16. Tweezer->Hold Your Head UP(11:05)
17. Cracklin' Rosie(3:58)
18. My Sweet One(2:35)
19. Tweezer Reprise(3:04)
(encore)
20. Harry Hood(13:55)
21. Carolina (1:10)
本音源は、いきなりカット・アップでスタート。冒頭部分が切れている。
なので実際にはもっと長く演奏してるはず。
歯切れのいいペイジのピアノ連打にのって、トレイのギターが空気を切り裂く。
いきなりシャープな演奏で、今夜のライブの出来を期待させる。
そのままリズム隊が刻む中、トレイのカウントで"Poor
Heart"へ繋がった。
もともとぼくはC/Wって聴かないけれど。こういうカッコいいやつなら好きだな。
コミカルな雰囲気が基調だが、めまぐるしく跳ね回るギターやピアノのソロも爽快だ。
お次はくっきんくっきん弾むリズムが印象的な"The
Landlady"。インスト曲でのトレイのソロを堪能しましょう。
ほんのり歪ませたサウンドで、テーマのメロディに寄り添いつつも優雅に舞い踊るフレーズがすてきだ。
もっとえんえん、ギターソロを聴き続けたいな。
ライブは淡々と進む。それともこの音源ではMCを省略してるのかな?
"Fee"でのボーカルは冒頭で、メガホンを使った風のゆがんだ音色で歌われる。
サビ部分ではちゃんとした音。対照的な音色を使い分けたアレンジだ。
合間に挿入されるピアノのオブリガードが美しい。
戸惑いぎみなアルペジオをブリッジに、"Maze"へ。
しっかりフィッシュのドラムが聞こえるせいか、演奏に緊張感があると感じた。
さあ、そしてここからが、今夜最初の聴きどころ。
今夜初めてのしっかりしたジャムが聴ける。
トレイの鋭いギターで露払いしたあと、ペイジがオルガン風の音色でファンキーに鍵盤を叩き始めた。
すぐさま混沌としたムードに雪崩れ込む。
だけどフィッシュとマイクのリズム隊はあくまでアップテンポを維持したまま。
つられたか、ペイジは再び早弾きのフレーズへ立ち戻った。
ぐいぐいテンションがあがり、キーボードを連打。
ひっぱたくリズムにあわせ、フィッシュがシンバルをユニゾンで叩く。
するするっと滑り込んできた、トレイのギター。
ほんのり切ない旋律が、次々に溢れ出してくる。
フィッシュのドラミングもぐいぐい激しくなり、煽り立てる。
スピードを上げて、サウンドが鋭角に飛び立っていく。
とびきりのジャムですかっとしたあとは、ふたたびC/Wに雰囲気が戻っていく。
ちょっとハーモニーがばたついてるかな。
前曲でのジャムがいかしてただけに、耳の基準がえらく厳しくなっちゃう。
間をおかずに演奏された"It's Ice"は、このときの新アルバム"Rift"より。
もっともこの曲の初演は約一年前。91年の9/25だ。熱心なファンにはお馴染みな曲だったんだろうな。
普通のロックだと思ってた曲だが、"Sparkle"と続けて聴くとカントリーっぽい要素もあるって気がついた。
ギターソロのバッキングで聴ける、アクセントを微妙にずらしたストレンジなリズム・パターンがいいな。
キーボードでしっとり迎えたエンディングのあと、前触れ無しに"The
Squirming Coil"。
伸びやかなメロディに包まれ、リラックスできる。
ここでのトレイのギターは、ところどころでフレーズがふらつくんだよな。もったいなや。
本曲のジャムの主役は、続くペイジだろうか。
水準はクリアしてると思うが、phishの実力はこんなもんじゃないでしょう。
"Run Like an Antelope"でいきなりどかんと音がでかくなった。
テーパーの人が、レベルを慌てて下げた様子だ。
冒頭からジャム風味。もっともこの曲は、ジャムを前提としているようだが。
ギターとピアノのコンビで、てんでにもごもご音を転がし始める。
最初にソロを取ったのはトレイ。"The
Landlady"で使ったような音色で足踏みするかのようにフレーズをこねくり回す。
アルペジオ気味にペイジのピアノが浮び上がる。
トレイのギターはフェイドアウト気味。いったんペイジにソロをゆずりかけたけど。
ぐぐっと持ち直して、再びギターで歌い始めた。
さっきよりフレーズは元気になっている。フィッシュのスネアが、トレイのアドリブとタイミングがビタビタ合ってて面白い。
盛り上げたところで、ふっとブレイク。
マイクのベースが一瞬空間を埋め、こんどこそペイジのソロかな。
ところがいまいちはじけない。
トレイが「うおーっ!」とシャウトして、強引にまとめに入った。
休憩をはさんだ後半戦。まずは"Chalk Dust
Torture"から。
ちょっとジャムがあるけど、昇華せずに終ってしまう。
スピード感は維持されて、けっしてレベルは低くないんだけどね。
続く"Foam"が、この音源で謎なところ。わずか12秒で終ってしまう。
こんな短いわけないと思うのですが・・・くう。
気を取り直して"Fast enough for you"。
いちおう、イントロから完全収録されてるようだ。
この曲も当時の新譜"Rift"のお披露目って位置付けですね。
初演は同年の92年11月19日だし、バリバリの新曲あつかいだろう。
音源途中で、ぶちっとデジノイズが入る。おだやかな曲だけに、ちと悔しい。
むせび泣くギターソロもなかなか。けっこういいテイクだと思う。
さて、またphishのジャムを味わう時間です。
おなじみの"You Enjoy Myself"。ほにゃらほにゃらとテーマが流れていく。
ジャムを前提とした曲だけに、ステージによりかなり出来が左右される。
今夜は淡々として、点数をつけるなら52点かな。
サイケなギターが漂うけれど、どこへも旅立たずもやもやとしてしまった。
"Lizards"では、トレイが歌詞を忘れたか、二度も演奏を止めてやりなおす。
照れくさそうにMCしているが、なんと言ってるかわかんないです・・・。すみませーん。
終盤でのペイジのジャムは聴きもの。
ころころハイテンションに転がっている。もうちょいボーカルがまとまってたら、いいテイクになってたのにな。
第二セットは、いまいち盛り上がりに欠ける。"Tweezer"でのジャムもいまいちだ。
エンディング間近での、オルガンが耳に残るくらいか。
"Cracklin' Rosie" はかなり気にいった。
ちょっと歌のピッチが甘いけど、うきうきするロックンロールだ。
ちなみにこれはシド・バレットのカバーになる。
ラスト一分くらいで聴けるオルガンソロもいかしてるぞ。
"My Sweet One"で、雰囲気はまたしてもC/W風になる。さては今夜のメインテーマがこれなのかな。
南部白人向け音楽として知られますが。こういう完全ハッピーな世界観って、いまいち共感しかねます(笑)
本編ラストの"Tweezer Reprise"は、音源だと始まりが妙に唐突。もしかしたら、頭の部分がカットされているかも。
分厚いオルガンの音に載って、テーマを歌う。やっぱりちとピッチが低い。
さて、アンコールです。
レゲエ・ビートの"Harry Hood"は隙間を生かしたアレンジ。
リバーブをたっぷりかけた音像で、じわじわと盛り上げていく。
ユニゾンのボーカルはいまいちピッチが怪しいけど。演奏がクールな分、このくらいのほうが逆に似合っている。
ジャムは混沌さを保ったまま、ある一定のテンションを維持する。
今夜のライブの聴きどころのひとつだ。
オーラスはアカペラでの「Carolina」。
なぜかこの曲だけ、異様に音質がラフだ。ヒスノイズがばりばりに響き、音がぐぐっと生々しい。別の音源からくっつけたんだろうか。
今夜の演奏を総括しよう。
基本的に、大騒ぎするほど音楽的に魅力のあるライブじゃない。
ある日のツアーを切り取ったって感触だ。
選曲も目玉は特にないんだけどね。ぼくは前半部分の"The
Landlady"から"Maze"までいくあたりのサウンドがかなり好きです。