さて、突然だが、おれは「
泳ぐこと」が大嫌いである。
なぜか。
今回はそんなお話。
そもそも、俺はまったく泳げない、カナヅチではない。むしろ、4,5歳から小学校高学年あたりまでは、スイミングスクールに通ってたほどである。今思ったが、昔は野球少年だった俺が、おそらく最初に慣れ親しんだスポーツは水泳と言うことになる。
今でも覚えている。N.Y.のスイミングスクール、レッスン初日はプールの入り口にしがみついて
「やだ〜やだ〜」と号泣していた( p_q)。それでも、なんとか通うようになり、そのうちに楽しくなっちゃったみたいである。クロールを覚えれた時はすごく嬉しかった。アメリカ人の先生は、非常に感情豊かな先生で、ほんの些細なことでも「Wonderful!!Great!!」とよく誉めてくれた。これにまた気を良くしたのかもしれない。
ある日、「アナタナラデキマスヨ〜(英語で)」と言われ、いつもなら下から眺めているだけだった飛びこみ台に連れてかれた。ドキドキしたけど、誇らしげだった。
帰国後もスイミングスクールの日々は続いた。同じ小学校の友人と偶然一緒になり、ふたりでがんばった。小学校のプールの時間、25m泳げたものだけが着用できる「ゴムハット」(水泳帽)を獲得できた時は、格別に嬉しかった。卒業までに、結局200mは泳げるようになった。
夏は、家族で日間賀島に行くことが恒例となっていた。一日中海で遊んだ。目に見えないイトクラゲにさされ、悶絶したこともあった(ちなみに、この時に塗った「
キンカン」で激痛に見舞われた俺は、未だに「キンカン」は信用おけない)。
さて、このように水泳に慣れ親しんだ幼年期だった、これが高校になるとそうはいかなくなる。
まず、体力というか持久力の衰えで、50mも泳ぎきれなくなってしまった。うちの高校のプールは50m式で、両側に男子女子と分けて授業が行なわれた。泳ぐ時は、お互いがお互いの方向に向かって泳ぎだし、また戻ってくる、というわけである。しかし、当然のように俺は50m泳ぎきれない。
ということは、である。
ぐだぐだに泳ぎきって、がばぁ〜とプールサイドに上がると、そこは女子で一杯なのである。そこをペチョペチョと歩いて戻ってくるのである。これは
思春期の男子(おおげさ)にとってはこれは
屈辱以外なんでもない!こうして、泳ぐことに急激に醒めてしまったのである。
すると、もういけない。今度は水着に着がえるのも億劫になってくる。ほどなくして、俺は水泳を見学するようになった。この時期、プ−ルの授業には多くの見学者(いわゆる欠席者)がでた。女子は、生理などを理由に毎回多く見学者がでる。これは仕方が無いことである。しかし、男子は
なぜかその数を上回っていた。あきらかに
「かったり〜から」というのが理由である。もちろんそんなことが先生に通るわけもないから、みんな、風邪や体調不良など必死に言い訳を考える。ある奴は、2年間かたくなに
「中耳炎ですっ!」と言い張ったが、明らかにウソである。さて俺はというと、ウソはいけないので、ずっと、
「水着忘れました」を言い通していた。事実、高校2年の時に、学校指定の水着用品は一切
捨てたからである。
さて、大学に入学し、水泳の呪縛から逃れられたと思った。しかし、そうは神様、イヤイヤ問屋がおろさないのであった。なんと大学1年の体育のコースの1つに
「水泳」が含まれていた。今後絶対に水泳はやらないと
生涯誓っちゃったので(なんせ水着捨てちゃったし)、「ソフトボール」コースを選んだ。しかし、人数が多くて、当然のようにジャンケンとなる。負けた者、数人が、「水泳」コースに行かねばならなくなった。
これはやばい。入学早々大ピンチである。そして、何十人かの中でジャンケンをして、さらに、学科の連中とまでジャンケンをした結果、
「水泳」コースになってしまったのである...(p_q )
水泳初日。男子のみ何十人が大学のプールに集合した。室内のうえ温水。水泳は4回だけで、水の中に入っちゃえば、あとは水中を泳ごうが歩こうが、それで出席という、このうえない環境にもかかわらず、俺は見学をした。先生に理由を問い詰められたが、正直に
「水着無いッス」と答えた。そんなことが通るわけもなく、「翌週までに用意しろ」と言われた。
しかしこっちは、
生涯誓っちゃったもんだからそう簡単に誓いを破るわけにもいかない。もちろん翌週も見学した。さすがに顔を覚えられた俺は先生に「来週泳がなかったら、ひどいよ」と、半ば脅しをかけられた(おおげさ)。
これにはまいった。もう見学は通用しない。俺は必死に考えた。
うちの大学は4回まで欠席が認められる。体育も同じこと。体育は、3種類のスポーツを4回ずつこなしていく。そして、見学等は、2回で欠席1回とみなされたいた。
「そうか、今はまだ1回しか欠席してないことになる。あと2回休んでも、まだ余裕がある!
よしっ!」
翌週、おれは
プールから姿を消した。
この話には後日談がある。とある所用で、学科の連中と学生課に赴くことになった。別室に案内されてまっていると、生徒指導部長さんがいらっしゃった。なんと
その水泳の先生だった...俺は終始その先生と顔をあわせることはできなかった。部屋を出た後、事実を知っている友人は言った。
「あの先生、おまえばっかみてたぜ」
てなわけで(?)、俺は水泳が嫌いなのである。
追記的文章
さて、ここまで読んで頂きありがとうございます。これをよんで、アレ?とおもった人もいるんじゃないでしょうか。そう。昨年の夏、俺は海にいってるのである(
こちらを参照)。もちろん、行くまでは絶対泳ごうとは思っていなかった。しかし、なにを思ったか、着の身そのまま飛び込んだら、意外に面白かったのである。
生涯誓ったあの言葉は、あっけなくも散ったのである。トホホ。
さらに追記
けど、またあんな、日焼け地獄に悩まされるのもいやなので、やっぱりもう泳ぎません。