移動日〜〜気がつけば☆ユーラシア〜〜
平成18年2月24日(金)名古屋は晴れ
ついに出発の朝である。
搭乗予定の飛行機は10:00にセントレア(注1)を出発する。
私は旅行する際には、基本的にツートラブルまでなら許容できるように、
余裕を持って行動することにしている。
5:00には起床。
買っておいたサンドイッチを食べて、荷物の最終確認を行う。
セントレアまでは、地下鉄と名鉄を乗り継ぐ。
なんだか電車の中は人いっぱいで窮屈。
大学の生協の旅行カウンターで指定席を確保しておいて正解だったようだ。
何のトラブルもなく、セントレアへ到着。
時間にもずいぶんと余裕がある。
実は、一人で飛行機に乗ったことはないので、搭乗手続きというのが、よく分かっていなかった。
とりあえず、係りの人っぽいおっちゃんにチケットを見せて聞いてみる。
ふむふむ、荷物預けるっぽい所にいけばいいようだ。
今回の学会発表はポスタープレゼンテーションといって、
ブースにポスターを貼っておいて、自由に見て回る学会参加者と質疑応答を行うというもの。
文化祭での、科学部や生物部の出し物を想像してもらえば分かりやすいだろうか。
そんなわけで、荷物にはA0サイズのポスターを収めた、巨大な筒がある。
これは大事な荷物なので、手荷物として機内へ持ち込ませてもらう。
手続きを終えると空港で暇になる。
客はまばら。
要所要所にテレビが設置してあり、荒川静香の金メダルのニュースをやっている。
ふむ、たいしたもんだねぇ。
ネットにつなげるビジネスブースを見つけたので、mixiの更新を行う。
これで、毎日更新を絶やさずに済んだとこの時は思ったのだが。。。
出発の時間だ。
航空会社はJAL、機体はボーイング777。
客も日本人が多い。
私の席はエコノミークラスの最前列。
左側の3人席の通路寄りだが、隣の2席には客がいないようだ。
腹が減っていたので、きれいな添乗員さんに、
「食事はいつですか?」
と聞いてみる。
なんでも、上空の気流が悪いとかで、少し遅くなるそうだ。
飛行機の座席にはそれぞれ個人用のディスプレイとコントローラが付いている。
流石、777。
いろいろな映画が見れたり、ゲームができたりする。
とりあえずマージャンゲームをやってみたが、コンピュータ相手にボロ負け。
飲み物を配りに来た添乗員さんに見られるとかっこ悪いので、
半荘終わる前に、切ってしまう。
食事は、まぁうまくもなく、まずくもなく。
添乗員さんは全部日本語で話しかけてくるので、
「ティキン、プリーズ」
という機会もない(注2)。
目的地のパリ、シャルルドゴール空港までは12時間(注3)。
寝るのも飽きたので、映画を見てみる。
ふむ、「男たちの大和」をやってるな。
前から見たいとは思っていたのだ。
感想としては、良くも悪くも内容のない映画だなぁ、という感じ。
反町隆史が出てるから、もっと「ドンドンバンバン」な大味な感じかと思えば、
そうでもないし、史実(注4)が史実だけにやられ放題だし。
まぁ、面白かったのだが、1つだけどうしても許せないのが、ラストシーン。
大和の水兵の生き残りが、なぜか陸軍式の敬礼(注5)をするのだ。
おいおい、それはないだろうと。
パリ上空へ。
「翼よ!あれが巴里の灯だ。」(注6)
とか言ってみたかったのだが、あいにく真昼間。
ついでに、曇ってるので、パリの市街は見えない。
タイヤが接地してから、ゆらゆらともう一度浮き上がってから着陸(注7)。
シャルルドゴール空港へ到着。
欧米では空港や船の名前によく人名を使うが、日本ではなかなかない。
セントレアじゃなくて、織田信長空港とか、新潟空港を、別名、田中角栄空港とかどうだろう。
うん、ありえないね。
入国手続き(だったのかな)はパスポートと乗り換えのチケットを見せるだけ。
あっけない。
パリは曇り、気温は摂氏2度とやたら寒い。
乗り換えは3時間半程。
余裕があるのでシャルルドゴール空港をウロウロしてみる。
なんだか、ゲートもなく、外に出れる。
EU内っていい加減だ。
空港はとても広いが、デトロイト空港と違って、商業施設もまばらであまり面白くない。
サブマシンガンを持ったスリーマンセル(注8)の軍人さんが巡回している。
ヨーロッパおっかねー。
お腹がすいたので、売店でサンドイッチとコーラを買ってみる。
売店の黒人のねーちゃんに
「This one, please.(これくれ)」
「Coke, please.(コーラくれ)」
と言う。
一昨年のアメリカ行きで、
この2つが言えれば、とりあえず飲み食いには困らないことが分かっている。
なんとか通じたようだ。
フランスパンにトマトやチーズやハムが挟んである。
これはとてもおいしかった。
流石、フランス。
さて、搭乗の1時間前には、搭乗口へ。
搭乗口の前になぜか、かわいらしいチワワがいた。
寄ってきたので、写真を撮ろうと思ったのだが、
飼い主がおっかないおっちゃんだったのでやめる。
(すごくにこやかだったけど。)
新聞置き場に、荒川静香が一面を飾っているフランスの新聞を発見。
記念に1部もらっていく。
これってタダだよね?
パンダの形の透明な募金箱が置いてあった。
WWFの募金箱らしい。
いろんな国の紙幣が入っていた。
日本の通貨は見えなかったので、私の財布から100円玉を入れておいた。
乗り換えた飛行機はエールフランスのエアバスA321。
ウイングレット(注9)がキュートな機体だった。
中はボーイング777よりは窮屈だが、3時間かそこらなので問題ないだろう。
セントレアからの飛行機とはうって変わって、機内は外人ばっかり。
でも同じ並びの向こう側に日本人っぽいあんちゃんがいる。
機内食はシャケの半生切り身と見たこともないサラダみたいなもの。
(スモークサーモンってやつか?)
サラダには真ん丸い米粒みたいなのが入っている。
味付けは今まで食べたことのない奇妙な味だが、私は割と平気。
人間、何事も、気にしなければ気にならないものだ、と私は常々思っている。
機内食と一緒に、プリンのカップのような密閉容器に、
透明な液体の入ったものが出た。
さて、これは何だろう。
見たところただの水なのだが、飲むのか?
はたまた、何かをつけるのか?
こういうときは周りの様子を見るのが一番。
隣の外人じーさんに注目。
おもむろに開けて、飲み始めた。
ふむ、飲むのだな。
飲んでみると、やはりただの水でした。
別に飲み物配ってるからいらないんじゃないかと思うんだけどなぁ。。。
ほどなくして、アテネ上空へ。
時間は現地時間で夜の22:00を回っている。
アテネは夜景がきれい。
飛行機は無事着陸。
隣のじーさんのその向こうの日本人っぽいあんちゃんに声をかけてみる。
なんでも、東京の某医学系大学の学生で卒業旅行に一人でアテネに来たそうだ。
これはチャンスだ。
すでにアテネは深夜だし、荷物も多いので、空港から市街へはタクシーを使う予定だった。
このあんちゃんと一緒に乗れば料金半額で市街までいけるのである。
荷物を待ちながら、お互い自己紹介して、一緒にタクシー乗り場へ。
ちなみに入国ゲート的なものは一切なく、おばちゃんがどこから来たか聞いてきただけだった(注10)。
タクシーがいっぱいいるので適当に乗り込む。
運ちゃんは普通のおっさん。
デレっとした私服で、日本みたいにちゃんとした服装はしていない。
目的地を告げるも私の英語が悪いのかあまり通じない。
持っていたホテルの所在の載っている地図を見せると「OK!」とのこと。
ガイドブックにはタクシーは気を付けないとぼったくられると書いてあったので
乗る際に値段も聞いてみる。
ガイドブックの相場そのままだった。
空港から市街へは一度高速道路に乗るようだ。
ゲートで運ちゃんが「Γεια σασ!(ヤサス!)」と挨拶している(注11)。
「ヤサス」がいつでも使える挨拶らしい。
これもガイドブック通りだ。
私は右後部座席に座ったのでスピードメーターがよく見える(左ハンドル車)。
普通に140km/hを超えていく。
道路脇の法定速度標識にも「120」と書いてある。
これが普通なのかしら。
しかしながら、この速度で携帯電話で話しながら運転するのは勘弁願いたい。
この運ちゃんも英語があまり得意ではないようだ。
その上訛っている。
基本的に「r」の発音が「ル」になっている。
「car」が「カル」で「or」が「オル」だった。
とりあえず運ちゃんが言いたかったのは
「この車はトヨタのアヴェンシス(注12)なんだが、スピードも出るし、頑丈だしいい車だ。
日本のトヨタはいい車を作るぜ。
ところでどっちのホテルを先に行けばいいんだ?」
ということらしい。
私のホテルの方に先に着いた。
なにやら薄汚れた街並み。
私の泊まるホテル周辺は治安の悪い地区であるというガイドブックの説明を思い出す。
もう深夜だというのに、何するわけでもなくたむろしている浅黒い人達がいる。
ホテルに入り、フロントでバウチャー(注13)を見せる。
ホテルの中はちゃんと綺麗だ。
クレジットカードの確認もサインも求められず、あっさり手続き終了。
部屋は4階の406号室であること、朝食は7時から10時であることを告げられる。
エレベーターを使って部屋へ。
このエレベーターちょっと変わっていて、扉が引き戸じゃなくて開き戸。
それも自動じゃなくて手動。
それから階数表示はフロントがある地上が0階で、1つ変な表示があって、その次が1階。
部屋も別に問題ない。
しいて言うなら、ユニットバスの扉が閉まらないことくらい。
まぁ、私一人なのでどうでもいいことだ。
LANの類が見つからない。
予約するときに見た資料ではネットが使えると書いてあったのだが。。。
研究室に無事到着の報告をしなくちゃいけないのになぁ。
明日の朝、聞いてみよう。
ベッドは2つ。
私はシングルで予約したのになぁ、と思いながらも疲れたのでそのまま寝ることにする。
寝巻きは持参した山高ジャージ(注14)であった。
つづく
つづく
注1:中部国際空港。2005年2月開港。
注2:アメリカ旅行記を参照。→(K−taro「アメリカの道草」)
注3:アテネまでセントレアから直接行く便はないので、パリやフランクフルトなどを経由します。
注4:鹿児島県坊ノ岬沖90海里で航空機386機からの猛攻を受け沈没。
注5:陸軍式は肘が目線の高さまで上げて敬礼。海軍式は脇を締めて敬礼。船の中は狭いですから。ちなみに「宇宙戦艦ヤマト」でも同様のミスがあったらしいです。
注6:チャールズ=リンドバーグによる初の大西洋単独無着陸飛行の際の有名な台詞。でも作り話らしいです。実際の台詞は「誰か英語を話せる人はいませんか?ここはパリですか?」あるいは「トイレはどこですか?」だったとか。
注7:これはバルーニングというやつで、地面効果により揚力が増すために起こる現象らしいです。
注8:三人一組。んじゃ、三人一組って書けよ!とも思ったのだが、スリーマンセルの方が雰囲気が出るかと思いまして。
注9:主翼端に取り付けられる小さな翼。空気抵抗を減らし、燃費を向上させる効果があります。
注10:EU内での出入国は国内旅行のような扱いで出入国審査はないそうです。
注11:最後のσは本当は語末形の別の文字になるらしいんですけどフォントが出ないんです。
注12:欧州専用モデルとして生産され、ベストセラーになった欧州トヨタの看板車種、だそうです。
注13:旅行代理店がくれる宿泊券みたいなやつです。紙切れなんですが、ホテルで見せると泊めてくれます。私もよくシステムが分かってないです。
注14:母校のジャージ。青いです。