伊東古徒理×芳澤薫が気になるあの名曲を新たな視点で解析する実験室
現代音楽を俯瞰する<1>
<ミニマルな人>
伊東:まあ,ソノ,何から行きましょうか。主に現代音楽と言いますが, 何処をさして現代なのか?
芳澤:1900年頃からしょうね,ドュビッシーも現代に入る。今日は NHKFMで放送されていたあたり,ここ20年くらいのとこで行
きましょう。
伊東:ここ20年は何が美味しいのか。
芳澤:クセナキス,フィリップグラス,テリーライリー,スティーブライ
ヒ,あれ,何かミニマルになってしまった。
伊東:スティーブライヒは,どんな曲を発表してますかね。
芳澤:1965年<It's gonna rain>から始まって,1970年には右
のジャケット<Four Organs>,そして20年前はちょうど
<Tehillim>が書かれてるんですね。今日は<It's gonna rain>
と<Tehillim>この2曲を俯瞰しますか。
STEVE REICH/ FOUR ORGANS
<It's gonna rain>
伊東:これはテープ作品ですね。公民権運動真っ只中の牧師の説教は,職務質問より迫力がある。
芳澤:サンフランシスコ・テープミュージック・センターで作られた。テープの反復再生で根気のいる作業だ
ね。
伊東:うううーん。
芳澤:ディレイがあればすぐに出来るんだけど。芸術的かどうかだね。
伊東:僕はジェームズ・ブラウンを感じるな。つまり,ソウルだね,テープでソウルを感じるって凄いね。今 の人たちに聴いてもらいたい。
芳澤:今の人たちに作ってもらいたいね。テープでね。でも,この手法はミュージックコンクレートって言う んだよね。ビートルズもやってた。
伊東:そう!テープ逆回転させたりしてね。作者の意図はよくわからないけど,何かこうムズムズと来るもの がある。
芳澤:ミニマルってさ,じわじわ変わって行くでしょ,音の流れがね。だから焦れったいけど懐かしい。
伊東:どこら辺が焦れったいのかねえ,聴き過ぎじゃない。
芳澤:確かに聴きすぎだけど,そういえば,2人で<floor music>っての作ったでしょう。
伊東:どんなんだっけ?
芳澤:古徒理!しっかりしろ。
伊東:ちょっと休憩。ココでミニマル豆知識。
<ミニマルミュージックとは>
ラモンテ・ヤングの「一本の線を引き,それを辿れ」に象徴されるように音の微細な変化に注目する音楽のこと。例えば,スティーブライヒ,それと音響的な体験を重んじるフィリップグラス,オルガンの即興演奏のテリーライリー何かが有名。(ミュージックマガジン参照)
芳澤:と言うことで,次のに行きましょう。
<Tehillim>
芳澤:<Tehillim>は君から紹介されたんだね。
伊東:そうだっけ?確かNHKFMの「現代音楽の時間」で上浪渡さん が紹介していたはず。
芳澤:懐かしい。上浪さんと言えばちょっとわけ判らない解説がおもし ろかったね。中学の時からよく聴いていた。
伊東:たまたまテープに録音してましてね,あの時は小泉文夫さんの民 族音楽の時間の方にハマってましたが,芳澤さん現代音楽にハ マっていたので,面白いからどうだろうと。
芳澤:確かに衝撃だったですね。ミニマルと言うよりはちゃんとした声 楽の作品,オーケストラ作品かな。
伊東:えっ?そうだったんですか?で,TehillimはCDでも手にはいる
の?
芳澤:最近は新録音でも出てるし,でも,やっぱりレコードでしょ。
伊東:中古レコード屋へ行け!と言うことですか。
芳澤:俺は池袋まで行ったよ,その昔は。ところでこれって詩篇がテキストでしょ。
伊東:旧約聖書のね。私紹介しましたけど詳しいことは芳澤に。
芳澤:俺も知らない。確か詩篇19,34,18,150篇の4カ所を歌ってる。歴史的意義は大きいと思う ね。
伊東:僕らもライヒ作品は演奏したよね,2度程。
芳澤:クラッピング・ミュージックね。確か誰かにお金もらいましたよね,1000円。
伊東:忠実に練習すると,やはり大変に時間が掛かるのでしょうか。
芳澤:かかるよね,大体,何処まで行ったか判らなくなる。
伊東:いつ終わるんだろうかとかね。民族音楽のような内面から出て来るというか要するに拍手で対話するわ けでしょ。
芳澤:お互いの音を聞いてないと同期出来ない。
伊東:そうだね。とにかく一度は聴いて欲しい,演って欲しい。面白いよーん。
芳澤:音が出せれば誰でも出来る。50人くらいでやってみたいね。
伊東:芸能山城組ですね。
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