LIVE FANTOM 102002 in 渋谷公会堂
予定の5:30をすぎても開場する気配すらなく、開場を待っている人たちの列もまったく動いていない状態。いったいこれはどういうこと?といらいらしながら待っていました。グッズも買えないし。遅れの理由の説明もなし。ライブ自体に不安がよぎります。
開演予定の6:00を過ぎてしまっても開場すらせず大変なことに。たしかにツアーのライブで開場は普通だったけど、開演が20分くらいおしたこともありました。けど、今回はそんなもんじゃなかったです。
結局、6:15ごろにようやく客入れ開始。ゆうに45分おしでした。
けど、ライブは想像を絶していました。ホールだからすごいことやるんだろうなといろいろ思ってはいましたが、それ以上です。本当に、心の底から行ってよかったって言えるのは、こういうライブのことを言うんだろうなと実感しました。
パフォーマンスで会場中を巻き込んで一気に盛り上げる曲にも、しっとりと歌い上げることでオーディエンスを惹きこんで離さない曲にも、すべてこの日のために、倫が今まで一生懸命やってきた証が凝縮されて詰め込まれていたから、本当にいいライブだったと絶賛を得られたんじゃないでしょうか。
それはライブ全体を通してみても言えることだし、1曲1曲を吟味したところでもいえることだと思います。
音楽がやみ、緞帳が開き、ステージがその全貌を明らかにしました。中央には、ひときわ高いひな壇が。壇上には、今日の主役の彼が立ち、『Save Our Soul』を歌っていました。そうしてみた彼は、いつもとどこか違います。同じなんだけど、姿勢が違うんです。そんな雰囲気を漂わせていました。
曲の途中で本来のステージ上に降りてきた彼は、そこからノンストップで、怒涛のように、自らが育て世に送り出してきた大切な曲たちを、精一杯に歌い上げていきます。
中には、アクロバットの連続技をしたせいで間奏終りに間に合わず、慌ててマイクを取った曲(タイトル忘れました。たぶん『bulldog66』辺りじゃないかなと思います)、乱れる呼吸を整えながらも、自分の持てる力をすべて搾り出すようにして歌われた『春〜再会のホームで〜』、バンドメンバーとリズムの取り方がなかなか噛み合わなかった『オレンジ』では、会場に予想外の笑いをもたらして、自らも照れくさそうに笑うことで人間くささを見せる一面も。
風を受けながら狂気を前面に押し出した『ソレハサテオキ』で怖いくらいの熱唱。かと思えば、BABIちゃんのギター一本でテンポよく歌われた『悪い夢』のアレンジバージョンと、SEIちゃんのキーボード&弦楽四重奏のみで歌われた『NELL FLAP』は圧巻でした。とにかく歌だけで勝負した2曲。静まり返った会場に、倫の声と、『悪い夢』はBABIちゃんのギター、そして『NELL FLAP』はSEIちゃんのキーボードの音のみが響き、会場を幻想的な空間へと誘っていきました。
パフォーマンスも、歌には負けていません。『DECADANCE』の最後で再び中央の台に上ると、倫を隠すようにカーテンが閉まり、倫はそのまま消えてしまいました。
再び現れたのは1階席の真ん中、なんと客席の入り口です。再登場してピンクのきらきらしたジャケットを着ていた倫の、会場中の視線をいろんな意味で釘付けにし、笑いを一身に受けていた姿は、ロックミュージシャンとしての黒田倫弘としてだけではなく、エンターテインメントな一面もばっちり見せることの出来るアーティストだということを十分に証明してくれました。
さらに『life』でマイクの前に立ち歌う倫は、この大きな会場で、決意に満ちた目をしていました。ただ一点だけを見つめ、しっかりと目を開け、一言ずつ大切に紡ぐように歌う姿から、そしてその瞳から、目を離すことが出来ませんでした。
そして2曲の新曲と懐かしい曲で構成されたアンコール。倫はここで初めて、少しだけど、語りました。
「何も言うことはありません。ただ、一言だけ、これは言っておかないとね。サンキューベイベ!次にやる曲は新曲だけど、みんな歌えるはずだ。気持ちが繋がってれば、歌えるはずだ。」
そんなむちゃくちゃな事を言っていたけど、歌われた新曲は、まさにテーマである『仲間』を象徴するかのように、最後は会場全体がラララと大合唱に包まれていました。
最後の、メンバー全員が前に出てきて手をつなぎ、深々とお辞儀をする姿は、ついさっき歌われたばかりの新曲が、まさに形として現れたような印象を受けずにはいられませんでした。
いろいろとハプニングのあったライブだったけど、終わってみれば、怒っていたのもどこかに吹っ飛んでしまうくらいでした。それだけ倫がいいライブをしてくれたという証拠なのでしょう。確かに今回のようなことは繰り返してはいけないことだと思うし、それは倫自身が一番わかっていることだと思います。だから二度とこんなことはしないだろうし、こういうことがあったからこそ反省が生まれてどんどん成長していくんだよ、と。あたしは思います。あたしってば単純ですね。
今日は本当に待つことが多かったです。でも、会えるという保証があるので、がんばって待ちました。会場前に会うことの出来なかった方々にしっかりと初めましてのご挨拶をして、待つこと何分でしょう?プチの入場が整理番号順に始まり、かなり遅れて再び会場入りしました。
2階へと繋がる階段を上り、廊下を歩いていくと、一番端のほうにジュースがたくさん積み重ねられたテーブルがあり、少し離れて大野さんと並んで立つ倫がいました。その手にはしっかりと握られた缶ビール。
一人一人のファンと乾杯をしているうちに、列はどんどん進んでいきます。もう何かいおうなんて考えていませんでした。とにかく、ツアーのときのような失敗だけはしないように。それだけを考えていざ立った倫の前。本当に何も考えていませんでした。でもしっかりと「お疲れ様でした!」と言うことが出来て、自分としては満足でした。
けど、返ってきた答えは「乾杯」と。へ?そんなことを思っているうちに、あたしのプチ打ち上げは終わってしまいました。でも、これでもあたしとしては嬉しかったんですけどね。よくよく考えてみれば、もしかしたら隣で大野さんが言っていた乾杯を勘違いしただけなのかもしれませんし。
今回は行く前にいろいろと悩んだライブでした。行くこと自体を辞めてしまおうと何度も考えたし、自分が倫のことをこれから先も好きでいられるかとか、今の自分は本当に倫のことが好きなのかとか、今まで以上にたくさんの疑問を抱えたまま、ライブで答えが出せればいいという気持ちで臨んだライブでした。これで疑問を解決できなかったらという不安もあったし、ライブに行っても好きになりたてのころのように純粋に好きだといえる気持ちが戻ってこなかったら・・・。と言う恐怖もありました。でも、行ってよかったです。行かなかったら、今もきっとそんな気持ちを背負ったままだったと思います。会場で久しぶりに倫を生で見て、その歌を聴いた瞬間に不安は消し飛んでいました。好きでいてよかった。やっぱり嫌いになんてなれないよ。そんな気持ちでいっぱいになっていました。
だから最後に、月並みだけど、あたしから、倫に。THANK YOU、倫。
written by Mikoto Kurosaki
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